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#127 母、涙。

母が、たぶん
ないていた。

家の居心地が悪かったというようなことを、
実の子どもから言われたって。

それで、そんなことを言われるのは、私の『育て方が悪かったんだ』っていうようなことを言葉で音声にして話していた。そのあと、言葉に詰まっていた。
私はスマホ越しに、あれれーと思いつつ、今日は感傷的なんだなーとも思った。父とケンカしそうになったから別の部屋に来たとかで。

そう、飛躍しているなーと思ったけど、彼女の思考回路はだいたい今までの行動と、言葉選びと、共に生活したときのエピソードなどを踏まえると、わかるような気がする。ま、正確にはわからないけどね。
なので、その部分は言葉にせず、
あなたは悪くないと思う、
育て方の問題じゃないと思うし、
学校にも行かせてくれたし、
必要なものも買い揃えてくれた。
ジャージも1枚だけじゃなかったし、
(1枚だってやっていける場合もある!特別汚れていなければ、同じジャージ1週間着たっていいじゃん!)
比較することじゃないけど、、、
感謝しているという内容を言葉にしてスマホ越しに話した。
しかたないじゃん、素晴らしくなくたって、
それはあなたなんだし、私も私なんだし、あの子もあの子!
上出来!

しかもそれ、それずーーっと前の話。

15年?くらいたぶん。

私に言わせればわざわざ言わないだけで、家にいて、息がつまらなかったことなんて無いんだけどな。
安心するわー、やすらぐぅー、気持ちいいー♥
そんなこと、めったに、いやなかったと思う。(習い事に行くときは、あー、やだなーとか、もう世界が滅びないかなー、車が電信柱にぶつかるとか、崖から落ちたらいいのになーとか、本気で思っていた。崖はなかったけど。行きたい習い事じゃなかったというか、そこでの対処、立ち回りも苦手だった。大きい小学生に尖ったロケット鉛筆で太腿をブスブス何度も刺されたりしたのに、誰にも何も言えなかった。痛いけど、我慢していた。今思うと、意味が分からない。あとできょうだいに言ったかな。詳細は、忘れた。そいつの顔は覚えてないけど本人が明確に判明したら事実を突きつけたい。しかし、証拠がない。くそー。忘れよう。何もしないなんて。もし、タイムスリップしたら一撃目をよけて、肘鉄か目潰ししてやるのに。いや、それでは、やりすぎだ。同じことしてやればいいか。昭和だからオアイコだよね。
我が家の家庭教育方針の基本だった、『やり返すな』、『暴力をするな』を私はクソ真面目に守っていた。家庭内がそうだったから、どんなに煽られても、先に手を出したほうが負けだった。
しかし、だったら『正しく声を上げる方法』を教わるべきだったのではないか?声も上げないなんて、人権を侵されたままではないか。教わらないとわからない。上げられるわけがない。当時は、方法が分からなかった。)

というか、そういう言葉も知らなかったと思う。それがどういうことかもわかってなかったと思う。

だから寝る時、母親を離さなかったんだと思う。体の一部を触っていないと眠れなかった。父親は包みこんでくれたけど、文字通り包みこまれて、眠れなかった。骨と筋肉の彼は一切ぷにぷにしていなかった。風邪を引いただけでも『代わってやりたい』と涙するくらい優しい。
口は(言葉や口調や音量など)悪いが、とても優しくて、人がいい。守りは堅い(固い)が、私が思う『ここぞというとき』は、『余計なこと』と判断するようで、口出し手出ししない。それが彼流。地の者の話だから、浮草の私には手も足も出ない。が、必要とあらば出ますよ。

ま、いいか。何の話だ。母の涙。
見たわけじゃないけど、スマホ越しに聞いた
おし黙る声と沈黙、震える声は
久々だった。
かといって、私が泣くわけではなかった。

何をいっとんのじゃ、
あたりまえのことを言っただけなのに。
と思った。ケロッとしていた。私は。

しかし、それ以外のことで、相当傷ついたんだろうなーということは想像できた。
私には相談してもらえなかったとか、私だけ知らなかったとか。期待外れだったとか。気をつけていたのに、避けられてしまったとか。

どうにもならないことってあると思う。
そういうのは、見切りつけるしか無い。
たぶん。

どんどんいこう。 
どんどん休もう。
水分とろう。
ちょくちょくのもう!

ではー!