Waves - DYGL
仕事終わりに携帯を見たらDYGLの新譜がリリースされていた。
帰りの電車に揺られながら聴いた。
なんだかこの曲はその瞬間の感情や景色とこれ以上ないくらいにマッチしていた。
春の始まりにありがちな冬の寒さが戻った一日。
山手線の車窓から眺める雨の東京。
途中停車した渋谷駅のホームで仲良さそうに体を寄せ合って歩くカップルを見つけた。その2人の跳ねるような歩き方があまりにも幸せそうで、こっちまで幸せな気持ちになった。
あんな素敵な光景は久しぶりに見た。
言葉では言い表せないくらい完璧な光景だった。
あの2人からすれば何でもない日常の一幕でしかないんだろうけど。
音楽を聴きながら街を歩いてたりするとこういうことが少なくない。
まるで自分がドラマの1シーンにでもいるかのような、あるいは誰かの人生のとても大事な1シーンを見ているような気持ちになる。
それは音楽がきっかけとなって、何の関係もない人たちを、そのシーンに重要なピースとしてつなぎとめる。まるでドラマのセットのように。
その瞬間、とても幸せな気持ちになる。
最近はそういう事が少なくない。昔は理由もなく突然悲しくなることが少なくなかったけれど、ここ最近は反対。
何があるわけでもなくいきなり幸せな気持ちになることがある。
それはそれである意味おかしいのかもしれないけど、平穏で満たされた毎日を送れている証拠なのだと思う。
幸せのハードルというものがあるとするならば、僕の目の前にあるそれはきっとあの場にいた他の誰よりも低いものであるに違いない。