【体験記】東京大学工学系研究科システム創成学専攻(修士課程)院試体験談_外部院試


はじめに

 始めまして!外部の大学から東京大学工学系システム創成学専攻の院試に合格した国崎です.
 この記事では,2025年度のシステム創成の院試の体験談を共有したいと思います.
 自分自身も外部大学から情報が少ない中,メンタルと戦いながら受験に挑んだので,そんな方たちの心の支えになればと思います.

この記事の対象者

 この記事は,学部3年生及び4年の春の学生に読まれることを対象にしていいます.

この記事を読んで分かること

  • 院試のスケジュール

  • 合格へ必要な志望動機・希望研究内容書の作り方

  • TOEFL iBTの実際の点数の推移と勉強法

経歴

 東北の土木系高専
➡東京の公立大学(土木学科)へ編入学
➡東京大学システム創成学専攻

研究室選び・訪問

 研究室は早めに決めて損はないです.
 私の場合は,高専の4年生(大学1年生)の夏には,研究分野を絞り,研究室選びを開始していました.
希望の研究室を選んだら,研究室訪問の日程を決めましょう.
 
 システム創成学専攻では,研究室訪問に絶対行ってください!!
 (入試説明会でも再々念押しされます)

 ここで,既にゼミに配属済みかつ,研究テーマが類似している場合はゼミの教授に繋いでもらうとスムーズにコンタクトを取ることができます.
 4年生の4月にゼミに配属されて,5月には研究室訪問に行っていました.
(3月や8月などの卒論,学会シーズンは教授が忙しいことが考えられるので,できればGW明けぐらいに実施できるとベスト.ただ,五月祭に被らないように注意
 
 研究室訪問に日程が決まったら,希望教授の論文をまとめ,質問事項の作成を行います.忙しい合間を縫って,研究室訪問に応じてくれているので,綿密に準備しましょう.
 この時点で,希望研究内容書に触れ大学院でどんな研究がやりたいか固めて,質問することが非常に重要になります.

 研究室訪問時の注意事項ですが,服装はスーツ,時間厳守を徹底しましょう.大学院入試(特にシステム創成学専攻)は,教授との相性が大事です.好感度が高くて困ることはないので,やる気に溢れた学生であることがアピールしましょう. 
 
 どのくらいの希望までの研究室訪問にいけばいいのかという話ですが,研究内容よりもどうしても東大に行きたいのであれば,行けるだけ行くことをおススメします.
 私は,研究室の希望を第1志望のみしか書かなかったので,1つしか行っていないですが,第3希望くらいまでは行ったほうがいいと思います.

書類審査

志望動機・希望研究内容書

 システム創成学専攻を受験して,最初に提出するのが,志望動機・希望研究内容書だと思います.
 内容の分け方としては,志望動機3割,希望研究内容書7割でぎっしり書きましょう.
 前述の通り,希望研究内容書の内容は研究室訪問の際に固めておくと,スラスラ書けますし,メンタルの安定をもたらします.
(私は,何も相談せずに書いたのですが,この研究で本当に大丈夫か?教授から見たらゴミみたいな研究じゃないか?と提出後不安になりました.)
 
 志望動機・希望研究内容書が書けたら,ゼミの先輩に頼んで添削してもらいましょう.絶対に添削して貰いましょう.特に大学院生の先輩に見てもらうことをおススメします.自分で書いて,添削するだけだと不十分です.

小ネタ
 希望研究内容書の参考文献の書き方や構成などは,希望教授の論文の構成を参考にしましょう.似た構成にすることで教授の読みやすさが上がります.
 
 

学業成績書

 高専からの編入学だったので,高専の成績と大学の成績を送りました.
高専は,GPAを算出しないので目安ですが,3.5くらい
大学は,3年次のみの成績ですが,3.2でした.

専門課題

 システム創成学専攻では,数学や専門科目などの試験の代わりに専門課題と,口述試験が設定されています.(2024年現在)
 専門課題では,希望教授の設定した論文を読んで,3問程度の質問に答える必要があります.論文1本読むだけで東大に行けると軽く思わないことです.結局参考文献に目を通す必要があるので,私は計10本近く読むことになりました.

 ここで,おススメするのは専用のノートを作成することです.実は,オンラインで実施される口述試験ですが,持ち込みOK(紙媒体のみ)!!
 ノートを作成しておくことで,口述試験のカンニングペーパーになります.
 専門課題については,英語論文を指定された場合は,Readableの無料登録中に英語論文を翻訳しまくるのが大事です.
 Readableは論文の形式を崩さずに,翻訳してくれる神サイトです.

 

TOEFL iBT

 目に見えてスコアが発表され,毎回3万程かかるTOEFLが一番メンタルに来ました.詳しい勉強法は後述するとして,スコアの推移だけ載せます.

3月:49 (R9 L16 S16 W10)
6月:55    (R12 L13 S17 W13)
7月:69    (R22 L17 S16 W14) ➡コレで提出

 研究室訪問の際に,院生の先輩に聞いてみたところ60点を超えていれば大丈夫とのことだったので,60点を目標に勉強していました.
 

口述試験

 口述試験は,Zoomで紙媒体持ち込み可で実施されました.面接試験と専門書解答の2つに分かれ,希望する教授がメインで実施されました.

面接試験
・システム創成学専攻を志望する理由
・志望分野を選んだ理由
・担当教授の研究テーマの調べ方
・リーダーとして活躍した経験
などを聞かれました.
特に最後の質問は,就活の面接で聞かれるようなことでびっくりしました.
希望研究内容書の内容についてはあまり質問されませんでした.

専門書解答
・論文の主題を簡単に説明して
・主な手法について説明して
など,専門書の内容について簡単にまとめる内容と,具体的な手法について結構踏み込んだ質問がありました.
(具体的な質問内容については,専門性を有するためあまり参考にならないため省略しますが,かなり踏み込んだことを聞かれました)

TOEFL iBT対策

使用した教材

概要把握

英単語

リーディング対策

リスニング対策

スピーキング,ライティング対策

問題演習
・中国TPO

TOEFL Test Ready(公式の練習サイト)
 
主にS,Wの練習に使いました.

勉強法(月別)

3月
 編入後の単位変換があまり上手くいかず,3年生で単位超過しないといけないくらい単位を取っていたので,大学のGPAを上げるのに必死で英語の対策から逃げていました.
 英単語帳をパラパラめくったり,TOEFLのリスニング音声を聞き流したりしていました.
 後期が終わり,やっと本当に勉強を始めました.最初は,概要把握のための問題集を一通り解いてみて,問題の形式に慣れるところから始めました.
 その後,中国TPOを使ってひたすらリスニングとリーディングの問題演習です.正直,スピーキングとライティングはテンプレートを覚えてしまえば,ある程度点数は伸びます.
 3月の終わりに,初めて受験を行いました.

3月:49 (R9 L16 S16 W10)

 リーディングがひどい点数です.ここからリーディングに対して苦手意識が付いてしまいました.

4月~5月
 中国TPOのリスニングとリーディングの問題をひたすらにやり続けました.
 最低でも,1日のうちにリスニング3問,リーディング2問はやりましたが,結果は,

6月:55    (R12 L13 S17 W13)

 リーディングの微増とリスニングの微減でした.全体的にスコアは上がったものの,東大に提出するには少し足りないのかなあと不安になっていました.
 ここから,対策本を購入して,リーディングとリスニングを重点的に見つめなおしました.
 まず,リスニングではメモを取るのをやめました.
単語力が足りていないのでメモのスペルを思い出す間に次の話題に行って聞き逃していたので,メモを一切取らないと決めることで,リスニング中の集中力が上がりました.
 逆に,リーディングではメモ取りを始めました.内容をメモに整理しながら読むことで問題の正答率が上がりました.

6~7月
 リーディングとリスニングが仕上がってきたので,ライティングのテンプレート(Integrade Task)を充実させました.具体的には,Atsuさんのテンプレートを参考に毎日TOEFL公式の練習問題に取り組んでいました.

 7月:69    (R22 L17 S16 W14)

 
ラストにしようと考えていた受験で,リーディングが無事上振れしてくれたおかげで目標点を超えることができました.(ライティングはあんまり変わらなかった)

最後に

 記事を最後まで読んで下さりありがとうございます.
外部大学から東京大学へ院進学を考えている人は,孤独な闘いが続くと思います.この記事が孤独な受験期の心の支えになることを願っています.

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