写真と著作権
こんにちは、路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXです。
今日は、少し固いお話ですが、自分が写真を撮って公表する上で、他人の著作権を侵害することのないよう気をつけるべきポイントを整理したいと思います。
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以前の記事で、自分の写真を守るための観点から著作権について簡単に見てみましたが、今回の記事では、自分が写真を撮影したり公開したりするときに、他人の著作権を侵害しないための注意点について考えてみたいと思います。
写真を普段から撮影している方は、著作権について意識している方も多いと思いますが、改めて著作権を理解し、他人の権利を侵害することのないよう注意することが非常に重要だと考えます。
他人の著作物としては、写真はもちろんのこと、絵画や彫刻、デザインなどを無断で撮影し、公表することは著作権侵害に該当する可能性があります。
特に美術館やギャラリーなど、クローズドな空間に展示されているものは、撮影が禁止されていることがほとんどです。
いくら美しても、素晴らしくても、そこが撮影禁止であるならば写真に撮ることは絶対に慎まなければなりません。
また、公道や公共の場所から見えるパブリックな空間に展示されている著作物は、撮影等は問題ないと考えられますが、著作権が放棄されているわけではありませんので、商業利用などは違法となる可能性があります。
また建築物にも著作権が発生しますが、公道から見える部分の撮影や公開はその範囲外と一般には解釈されますので問題ありませんが、例えば建築士などが他の建築物のデザインを使用することは違法の可能性があります。
街中で撮影した写真に写り込むものにロゴや商標などがありますが、こちらも無断で商業目的で使用すると違法の可能性があります。
ただし、景色の中に写り込むレベルであれば、問題ないとされています。
(文化庁:『いわゆる「写り込み」等に係る規定の整備について』<https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/utsurikomi.html>)
写真を撮っている方なら当たり前のことかもしれませんが、他人の写真や画像を無断で使用しないことにも注意が必要です。
インターネット上には、ありとあらゆる画像が溢れていますが、その多くは著作権で保護されています。
話が少し逸れますが、ブログやSNSなどで、ダウンロードした画像を無断で使用しているケースをよく見かけます。
写真はもちろんのこと、テレビ番組や動画サイトの全部または一部を切り取ってSNSにアップされているものもよく見かけますが、引用の範囲を超えている場合、アウトの可能性が高いです。
引用の話が出ましたので引用にも少し触れておくと、引用には著作権法のルールがあり、学術的な目的や批評、研究の一環として認められていますが、出典を明記すること、引用の範囲が適切であることなどルールが存在します。
また、教科書への掲載や試験問題など教育機関などにおける複製は、無断利用が認められています。自分の写真が教科書に載ったら胸熱ですね。ないと思いますが笑。
他にも、私的使用のための複製、図書館などで一部分を限定した範囲でコピーする場合は、著作権者の許諾は必要ありません。
インターネットでSNSが普及すると、商品のカタログ画像や、他人のブログやSNSからダウンロードした画像を、引用元も明記せずそのままポストしてしまうことが、ある意味 “当たり前” になってしまっていますが、著作権により保護されている写真や画像をそのまま使用することは違法の可能性が高いと言えるでしょう。
写真の撮影や公表に関する著作権に話を戻しますが、撮影可能な場所であれば他人の著作物を撮影すること自体が、即、著作権侵害には当たらないと推測できますが、公表に当たっては細心の注意が必要です。
公表する際は、特に商品そのものや、商品を宣伝するための広告などに、他人の著作物を使用すると著作権を侵害する可能性が高まりますから、事前に権利者から許可を取る必要があります。
世の中、見渡せば誰かの著作物だらけです。
それらが保護されるのは当然のことですが、写真に撮ること自体は、パブリックスペースにおいて撮影禁止が明示されていなければ、ほぼ問題ないでしょう。
自分で撮影した写真を、趣味の範囲で公開することは通常であれば問題ないでしょうが、それを商業利用するとなると話は大きく変わってきますので、著作権の侵害にならないためにも、常に自身の法的な知識のアップデートも大切です。
自分の写真も他人の権利も尊重し、健全な写真文化のために、自分でできることが何か考えることも必要だと思う今日この頃です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。またお会いしましょう。路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXでした。
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