
アイデアソンDay4レポート - 駆け込みチームビルディング会 -
2024年8月22日、都知事杯オープンデータ・ハッカソン2024のアイデアソン最終回となるDay4が開催されました。「ハッカソン直前でもまだ間に合う!駆け込みチームビルディング会」と題し、アイデアの具体化とチーム形成に焦点を当て、参加者たちの創造力を刺激するアイデアワークショップを中心に開催しました。
アイデアワークショップ:自己のアイデアを言語化する5つのステップ
チームを作るためには、自身のアイデアを明確に伝えることが重要です。そこでファシリテーターの青山さんの指導のもと、5つのステップでアイデアを整理し、「アイデア紹介シート」に落とし込んでいきました。

1. 今の頭の中を書き出してみよう

まずは、頭の中に浮かぶワードを自由に書き出していきます。「具体的なものでも抽象的なものでもOK。関心のある課題や、扱ってみたいデータなど、どんなものでも構いません」というアドバイスのもと、参加者は配布されたワークシートに筆を走らせていきます。
「地下鉄」「地震」「子ども」「混雑」「通勤」や、「使いたいオープンデータ」や「取り組みたいジャンル」など、アイデアに関する幅広いキーワードが次々と書き出されていきました。

2. あなたの"願い"を書き出してみよう
次に、1のステップで出したキーワードを用いて、「〇〇が/を、〇〇ならいいのに…」という形で願いを表現していきます。例として「会社までの電車がすいている街を知れたらいいのに…」「車で自宅までの安全なルートを調べられたらいいのに…」といった願いが紹介されました。
ポイントは、できるだけ具体的に願いを書き出すこと。漠然とした願いよりも、誰が、何を、どうしたいのか、さらに具体的な実装方法や機能など、詳細な要素まで考慮することで、アイデアの解像度が高まると説明していました。
3. その"願い"は"いつ"叶うと嬉しい?
2で願いが決まったら、それがいつ叶うと最も嬉しいか、具体的な時期や場面を想像します。これにより、アイデアの実用性や緊急性を検討することができます。
「引っ越す前」「大雨の日」「普段から」「土日に仕事がある時」など、シチュエーションまで決めてみると、頭に浮かんでいたアイデアがより明確になっていきました。
4. 願いが叶うとどうなる?
そして、アイデアが実現した際の影響や効果を「〇〇が△△になる」という形式で記述していきました。「私の出勤のしんどさが軽減される」「私が寄り道して帰る元気が出る」など、文章にすると組み立てやすいとのこと。
頭を悩ましている参加者には、青山さんから「主語を変えてみると、新たな気づきがあるかもしれません」というアドバイスもありました。視点を変化させることで、考えていたアイデアに新たな発見が見つかるようです。
5. 〇〇のセリフを想像してみよう

最後に、アイデアが実現した場合のセリフを具体的に想像しました。例えば、「引っ越して通勤疲れも減ったし、近所のピラティスに通ってみようかなぁ」「今日は途中下車して映画を観に行こう」といったセリフです。
絵を書いたり、吹き出しに言葉を入れたりすることで、アイデアがもたらす変化をより生き生きとイメージできるようになりました。

じゅうぶんな時間をかけて5つのステップを踏むことで、参加者の皆さんは自身のアイデアの核心をつかみ、その社会的影響や実現可能性について深く考える機会を得ました。

青山さんによれば、作成したワークシートはハッカソン中も重要な役割を果たすのだそうです。プロジェクトが進む中で課題に直面したとき、このワークシートを見直し、初期のアイデアに立ち返ることで新たな解決策が見つかることもある、とのこと。改めて、アイデアの源泉を見つめる重要性を感じることができました。
アイデアの共有とチームビルディング
さて次はチームビルディングの時間です。完成させたワークシートを清書し、専用のSlackチャンネルに投稿して、互いのアイデアを共有していきました。
共有されたシートを見て、同じようなアイデアを持つ人をチームに誘ったり、興味を持ったチームに参加を申し出たりと、チームビルディングへとつながる動きが見られました。
参加者からは「最初は漠然としていたアイデアが、ステップを踏むことでどんどん明確になっていきました」「考えが深まりました」といった感想が聞かれ、ワークショップの効果を実感している様子が伺えました。
オープンデータ最新動向の紹介
アイデアワークショップの後、一般財団法人GovTech東京の小木さんが登壇し、東京都のオープンデータの最新動向について紹介しました。

小木さんによると、現在、東京都のオープンデータカタログサイトには65,000件ものデータが掲載されているそうです。特に注目を集めているのは「東京都版子育て支援制度レジストリ」です。GovTech東京が各自治体から収集したオープンデータを整備し、それを基に民間事業者がアプリ利用者のニーズに合わせて最適な情報を配信しています。
このようなデータのハッカソンでの活用例として、小木さんは自治体ごとの公開データ件数の可視化や、地域特性に基づく傾向分析などを提案しました。日々増加するオープンデータを、参加者それぞれの視点で活用してほしいと呼びかけました。
アイデアワークショップ、チームビルディング、オープンデータ紹介と進行するにつれ、ハッカソンへの期待と準備が着々と整っていく様子が感じられました。
Final Stage 審査結果
都知事杯オープンデータ・ハッカソン2024のFinal Stageが、10月26日に開催されました。First Stageで選出された24チームによるプレゼンテーションと最終審査を経て、都知事杯を含む9つの賞の受賞が決定しました。受賞者と作品の詳細は<公式サイト>にて公開しております。ぜひご覧ください。
Demo Day 成果発表会のお知らせ
10月のFinal Stageに出場後、オープンデータを活用した都民生活に役立つサービスのリリースに向けて開発を進めてきたチームによる Demo Day(成果発表会)が、2025年3月15日(土)に開催されます。視聴を希望される方は、下記リンクからご登録のうえ、ご視聴ください。