39話:リアル妹がいる大泉くんのばあい/ALcotハニカム 妹を愛する全てのお兄ちゃんへ――
妹系の話を読みたかった!!
個人的に妹系のドラマ小説を書いているので、妹系のゲームしたいなと思って検索していたら見つけたのがこちらでした。
評判も悪くないし買ってみたら、サクッと1日で読めて充実感があったので、自分的には満足です。
動かない人はゲームパッチあててください、私はあてました!
ヒロインは栞(実妹)で麻衣(ゲームの妹)は引き立て役
そんな書き出しから始まり、主人公は実妹とゲームの中から出てきた妹と、三人で生活をすることに。
ゲームの妹、麻衣ちゃんルートは、可愛くて素直で無知だからこそ積極的な麻衣ちゃんに振り回される話。理想が詰まった妹とのベタな展開にほっこり読んでいけました。
だけど現実の妹、栞と過ごしてきた長い時間に、理想の妹は叶うはずもなく。それを自覚する麻衣ちゃんがいじらしい。
そんな麻衣ちゃんルートは、栞ルートの前振りみたいな感じで終わります。
現実の妹、栞はツンデレキャラ。最初はツンがきついなと思ってたけど、本心はめちゃお兄ちゃん好きなのでかわいくて仕方がなかったです!!!!!!!!!
禁忌でもある実妹との恋愛。栞ルートは、麻衣ルートと美紀ルートをクリアした先でしか読めないのも、考えさせられるところが!
突然の美紀。誰。美紀は栞の親友。そして主人公の親友・彰の妹。美紀ルートは彰と美紀兄妹の物語でもありました。
主人公と栞は一方的に妹に嫌われる感じだけど、彰と美紀はどちらも「うざい」といがみ合ってる状態。でも顔には出さないけどお互いを思い合っている。兄妹だから。
よくないですか。「兄妹だから。」で阿吽なの。それって家族だからだよね!
私がフルハウス(昔のアメリカホームドラマ。ネットフリックスでも公開中!)をはじめ家族モノの物語が好きなのは、そういう無条件に「おまえら信頼してるぜ!」ができるのが眩しくて仕方がないのだと思う。背中を預けられる展開めっちゃ泣く。
話を戻そう。
兄が妹にしてやれることは、いちばん近くで幸せを願うこと。
それは主人公とて同じ気持ち。ただこの人たらしは、きちんといつも口に出しているのがえらかった。
それは親の離婚問題があって、兄妹がバラバラになる日も近いから、後悔を残さないように行動した結果なのだろうなぁ。
また兄として背中を見せるところも、しっかりと描かれていました。お兄ちゃんたちは、親の役割も兼ねていたような気がします。
リアル妹がいる大泉くんのばあいで学べたこと
「妹ってみんな『お兄ちゃん大好き!』じゃないのか…」ってところかな! 違ったらごめんなさい!
ゲームのキャラやアニメにも妹はよく出てきます。昨今の妹は確かにえらそうではあるけど大概「お兄ちゃん大好き!」なので、まさかゲームの妹以外がこんなに冷たいとは思わなくてショックでした……。
まあ冒頭にもあるように、「現実の妹に絶望した」お兄ちゃんの話だから仕方がないのだけどね!
さらっと最後まで読ませるのは、さすがプロのライターの腕だなと思います。また、この作品はラストまで必ず見てください。タイトルに戻ったときにまたもう一回泣きますので。
麻衣ちゃんは妹になれなかったけど、その優しさは本物だったし、絶対に幸せになってほしいと願わずにはいられない、温かいお話でございました。
でも実際に妹がいたらバチくそに喧嘩するから私はバーチャル一択と思う東京ニート的評価「リアル妹がいる大泉くんのばあい」B+