【ナンパ戦記】合コン敗北。コリドー街、逆転の王様ゲーム
とある月曜日、時刻は24時を回っていた。
この日はCA3年目との合コンであったが女性陣は終電帰宅。男3人、新橋のBeeに取り残された。
「このままじゃ帰れねぇ」
男達の気持ちは一致していた。次の日の仕事を気にしている奴はいない。
ここで簡単に本日の打線を紹介
・僕:アラサー
・弘樹:アラサー、性欲モンスター
・卓郎:アラサー、性欲モンスター
24時30分過ぎ、僕達は街に出た。魅惑の出会い場、コリドー街だ。しかし月曜の深夜、人通りは全くない。端から端まで歩いたもののすれ違う女性は0。ナンパ指数0だ。
仕方なく相席屋に向かうも、まさかの相席屋も閉まっている。膝から崩れ落ちそうになるのをなんとか堪え、もう1つの相席屋に向かう。すると、もう1つの相席屋の方から女性2人組が歩いてきた。
(この2人は相席屋から出てきた子か?)
このチャンスを逃すわけにはいかない!はやる気持ちを抑え、2人組との距離を徐々に詰めていく。
(お、この子達可愛いかも。)
顔が見えるくらいの距離まで近づいたタイミングで目を合わせ、声をかける。
「お姉さん!今日の相席屋は何点でしたか?」
「相席屋空いてなかったんですよー」
これは、アツい。しかも喋り方をみるに女性はほろ酔いだ。
「わかりました!相席屋と同じシステムでやらせていただきます!女性食べ放題飲み放題、無料!」
「こいつは相席屋のキャッチなんだ!行こ行こ!」
僕の声掛けに呼応して弘樹からのフォローが入る。
「相席屋のキャッチwめぐちゃん行く?」
「面白そうだしついてってみよw」
奇跡のグダなし連れ出し成功。最近の平日コリドーは深夜やってる店が少ないが、リゴレットが2時まで空いていたので入る。
2人ともマスク越しに見ると可愛い。これは、当たりかもしれない。既にお酒が結構入っていることもあり、気持ちが高まった。
しかし、高まった気持ちは2人がマスクを取った瞬間に折られた。コロナ禍のナンパの難しさの1つに、席に着くまで素顔が見られないことがある。
「もう一度マスクしてもらっていい?」
喉から飛び出しかけた言葉を飲み込む。そうは言っても2人ともスト値4程度(中の下程度)はあるので気を取り直してぶち上げに行く。
ここで女性を簡単に紹介。
めぐみ:23歳、アパレル
ゆりえ:22歳、JD
2人は大学時代の先輩後輩。めぐみは黒髪ロングのスレンダー体型で年齢の割に大人っぽい雰囲気、ゆりえはちょいムチ体型の黒ニットという好きな男性はめちゃくちゃ好きな雰囲気。二人とも身体は良い感じなのだ。
卓郎「2人は彼氏いるの?」
めぐみ「いなーい」
僕「東京の男まじで見る目ねえな」
弘樹「お前も東京の男だよw」
卓郎「ゆりえは?」
ゆりえ「私は彼氏いるw」
僕「それは彼氏に感謝しかないわ。」
ゆりえ「なんでよw」
僕「ゴールキーパー理論って言って、ゆりえに彼氏がいなかったら東京中の男全員がライバルだけど、彼氏がいるならあとはゴールキーパーの彼氏との一対一だからね」
めぐみ「ポジティブww」
弘樹「ちなみにそのゴールキーパーは結構強い?」
ゆりえ「あんまり強くないかもw」
卓郎「お前らどんどんセンタリングあげてくれ!」
僕&弘樹「任せろ!!」
ゆりえ「www」
5人で盛り上がっていると気付けば2時の閉店の時間となっていた。女の子達はまだ飲みたそうな雰囲気だったので、弘樹の家でみんなで飲むことを打診するとノーグダでokが出る。
タクシーに乗り、麻布十番の弘樹の家に行く。途中、酒を買うために寄ったコンビニでは割り箸を多めにもらっておいた。
弘樹の家に着き、改めてみんなで酒を飲み始めた。
全体の酔いがいい感じになってきたところで、卓郎が裏で番号を書いていた割り箸をみんなに配る。
「王様だーれだ!」
王様ゲームのスムーズな始め方は、いい感じに盛り上がってるところでいきなり始めてしまうことだ。山手線ゲームを始めるようなノリで始めてしまって構わない。
「1番が3番を後ろからハグして愛を囁く」
最初から飛ばし過ぎると引かれる可能性もあるため、命令は緩めから始めて、徐々にペースを上げていく。
「1番と2番がキス!」
「2番と4番がハグして5秒キス!」
「3番と4番が深いキスを5秒」
一般的な女性だとキスとディープキスの間に一つのハードルがあるが、ポイントを抑えればこのハードルは比較的簡単に取っ払うことができる(ポイントについては、【さあ、王様になろう】王様ゲーム完全攻略参照)。
王様ゲームを進めていると、徐々にいい感じになってくるペアがでてきた。卓郎とゆりえ、僕とめぐみだ。雰囲気を悟った弘樹は今回はパサーのポジションになってくれた。
彼が王様になった時、絶妙なセンタリングが飛んできた。卓郎ゆりえペア、僕めぐみペアに分かれてフリータイムという命令だ。
王様の命令は絶対。僕たちはソファとロフトに分かれてフリータイムに入った。
‥‥
朝5時。ごそごそと物音がして起きると、卓郎が帰宅の準備をしていた。あと4時間後には仕事を始めなければならないため、僕も帰りの準備をする。
2人でこっそりとマンションを出て戦果を聞くと、彼はロフトでゴールを決めたらしい。こちらはリーセで途中までであったということを報告した。
まだ昇ったばかりの太陽を背に僕らは拳を突き合わせた。
(Fin.)