A Hard Rain's Gonna Fall
どこへ行っていたんだね かわいい青年よ」
１２の霧深い山々の斜面を つまずきながら進みました
６つの迷路のようなハイウェイを 這うように歩きました
７つの悲しい森の中に 足を踏み入れました
死人でいっぱいの海の前に出て たたずんでおりました
墓場の入り口までは １万マイルありました
そして激しい 激しい 激しい 激しい
激しい雨が 降ってきそうです
「ほう 何を見たのだね 青い瞳の息子よ
何を見たのだね かわいい青年よ」
新生児は 野生の狼たちに囲まれていました
ダイヤモンド製のハイウェイに 誰もいませんでした
黒い木の枝から ずっと血がしたたっていました
部屋の中は 血塗れのハンマーを持った男で溢れました
白いハシゴが 水の中に沈んでいました
１万人のおしゃべりたちは 舌が壊れていました
小さな子供たちの手に 拳銃と刃物が握られていました
そして激しい 激しい 激しい 激しい
とても激しい雨が 降ってきそうです
「それで 何を聞いたのだね 青い瞳の息子よ
何を聞いたのだね かわいい青年よ」
とどろいた雷鳴は 耳が割れそうな警告でした
荒れ狂う波の音は 世界のすべてを飲みこむようでした
１万のささやき声を 誰も聞く人はいませんでした
大勢の笑い声は 一人が飢えて死んだときでした
詩人の歌が聴こえたのは 彼が側溝で死んだときでした
にぎやかな音のピエロは 路地裏で泣いていました
そして激しい 激しい 激しい 激しい
激しい雨が 降ってきそうです
「ふむ 誰と出会ったのだい 青い瞳の息子よ
誰と出会ったのだい かわいい青年よ」
死んだ仔馬のかたわらにいた 小さな子供です
黒いうつ病の犬ように歩く 肌の白い男です
全身が炎につつまれた 若い女性です
私に虹を見せてくれた 小さな女の子です
愛に傷ついた ひとりの男です
憎しみで傷を負った また別の男です
そして激しい 激しい 激しい 激しい
激しい雨が 降ってきそうです
「さて これから何をするのだ 青い瞳の息子よ
これから何をするのだ かわいい青年よ」
雨が降り出す前に ここに戻ってまいりますが
深い黒い森の さらに深いところへ分け入ります
そこでは 何も持たないたくさんの人々がいて
魚の餌のような毒薬が とめどなく川に流され
谷間のわが家と汚い刑務所が隣り合わせで
死刑執行人は面が割れないようにうまく隠され
飢餓とみにくさで 魂が忘れ去られ
真っ黒なので 数をかぞえることができません
わたくしはそのことを伝え 考え 語り 息を吐き
すべての魂から見えるように 山から映し出します
そして海の上に立ち続けます 自分が沈み始めるまで
歌い出す前から 自分の歌を良くわかっております
そして激しい 激しい 激しい 激しい
激しい雨が 降ってきそうです
https://www.bobdylan.com/songs/hard-rains-gonna-fall/
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