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CFA level2 受験記録

はじめに

Routeです。2022年8月末に受験したCFA level2の試験に合格したので、記録や感想などをまとめます。
level1の続編として読んでいただけると嬉しいです。

プロフィール

理系院21卒→金融機関でソフトウェアエンジニア

英語力

  • TOEIC 955 (2021)

  • TOEFIL iBT 96 (2018)

  • 仕事は全て英語

Level2の勉強について

やったこと

  1. Schweser Notesを一周(まとめノート作成・章末問題とQBankも解く)

  2. CFAI Practiceを一周

  3. Schweser's Secret Sauceを読了

  4. Schweser MockとCFAI Mock(計6回分)

後述しますが、やりたいと思っていたことが結構終わらず、計画性のなさ・見積もりの甘さを露呈してしまいました・・

スケジュール

  • 2022年2月下旬:受験登録・Schweser一周目開始

  • 2022年8月上旬:CFAI Practice開始・並行してSecret Sauceを読む

  • 2022年8月下旬:Mock・各種復習


4-8月の勉強時間(それ以前はほぼ0)

総勉強時間は320hほどでした。

スコア記録

Mockは時間がなかったため細かいスコアは記録していませんが、おおよそ5-7割の範囲に収まっていました。

本番スコアは以下です。

分野別スコア(全体は90percentileちょい下でした)

所感

学習内容

結果として大きな弱点を作ることなくスコアをまとめられましたが、主に効果的だった取り組みは以下の4点だと考えています。

Schweser Noteの一周目からQBankを解いたこと

CFAは非常に範囲の広い試験なので、なるべく一周目の時点で学習した内容を定着させる必要があります。浅い理解のままテキストを周回しても、忘却とのいたちごっこになりあまり定着しないように思います。

任意の分野を頭に入れる際、僕が最も大事だと考えているのが、なにかしらの問題を解いて定着度を高めることです。テキストを読むのは受動的な学習である一方、問題を解くのは能動的なアクションです。問題を解くためには、問われている題材について思い出し、頭の中でそれらを整理したうえで、筋道を立てて答えにたどり着く必要があります。その過程で、思い出せないことがはっきりと洗い出され、それらはできなかったこととして強く記憶に残ります。また、できたこともパターンとして頭が覚えてくれるので、次見た時にスラスラと手が動くようになります。

ですので、一周目からどんどん問題をこなして定着度を高めるのが肝要だと思います。ただあまりにも多くの問題を各分野でやると、そもそもの進み自体が遅くなってしまう(=過去にやった内容を忘れてしまう)ことには注意すべきです。その観点から、QBankの問題量はちょうどいい塩梅でした。

以上は私見であり特にエビデンスはないので、その点はご了承ください。こういうトピックはどこかで研究されているとは思いますが。ちなみに、問題ベースでの学習が効果的というのは僕がいた大学の学生間でもよく言われていたことで、とりあえず試験勉強は問題集・過去問から始める、というスタンスの学生が多かったです。

大枠をとらえた学習ができたこと

範囲が広い分野を理解するうえでもう一つ大事だと思うのが、頭の中に大枠を作ることです。この単元を大まかに区切るならどういう分け方をすべきか、その各ピースで何を覚えればよいのか、といったメタ情報が頭に入っていると、格段に知識の整理がしやすくなります。

このために僕がやっていたのがノート作成です。level1の時に作成したものと同じスタイルです。ちまちまとした作業にはなるのですが、Schweser Noteを読みつつ要点をノートにまとめていくと、否が応でも各単元の構成が頭に入ってきます。

しかし、正直なところノート作成の効率が悪いのは事実だと思います。そこで役に立つのがSchweser's Secret Sauceだと個人的に考えています。ちょうどいい粒度で各分野の要点をまとめているテキストで、大枠をつかむという目的に非常によく合致していると思います。

僕は少し念を入れて自作のノートとSSと併用しました。役割が被っていた感は否めないですが、8月の復習・演習フェーズで両方読み直すことで、基礎をしっかり固めなおすことができたように思います。

直前に大量にCFAI Practiceの問題を解いたこと

スケジューリングの反省と紙一重ではありますが、直前期にかなりの問題を一気にこなして問題に慣れたのは良かったです。8月はMock等も含めて毎日50-200問ほど解いていたので、当日の88問は疲れを感じることなく捌くことができました。また、大量の演習を通して、後述のように理解が甘い箇所を効果的に潰せました。

QBankとCFAI Practiceの差異について。CFAIは長文+複数問題という形で、QBankは一問一答なので、問題形式の観点からはCFAIの方がより試験に準拠していると思いました。問題の質(本番との近さ)については正直はっきりとはわかりませんでした。

自分の理解が甘いところを的確に潰せたこと

問題を解いていると、必ず複数回間違えるところ、理解が特に甘い箇所が出てきます。僕はそういった箇所が出てくるたびに自作のノートに書き込みをしていたので、弱点箇所が明確にわかって復習の効率が良くなったように思います。

スケジュール

こればかりは本当に反省点しかないです。よくなんとかなったな。

そもそも予定していたことがいくつか終わりませんでした。level1の時と同様にSchweser NoteとQBankを二周する予定だったのですが、一周目が終わった段階で8月頭だったので(は?)やむなく断念しました。

そしてその後の問題演習も終わり切らず、具体的にはCFAI PracticeのEthicsの120問ほど、SchweserのTopic Exam / Checkpoint Examはほぼ手付かずで終わってしまいました。もったいなかった。

何がダメだったかはわかり切っていて、タスク見積もりがとにかく下手でした。自分のペースを過大評価しては計画を修正するというのを無限に繰り返していました。ほんまに学習せえ。これはlevel3に取り組むにあたっての最重要の課題です。(仕事でも似たようなフィードバックをもらっているので本当になんとかしたい)

がしかし、単に8月までサボっていたというよりは、勉強以外でも結構忙しい上半期でした。仕事では6月終わりまでPMを任せていただいてがっつり時間をかけたり、業務外でも知人と仮想通貨のプロジェクトを進めたり、プライベートだとゴルフに行ったり旅行したり、割と色々詰めまくった日々だったなと思います。そういう意味ではlevel1よりは時間を効果的に使えてはいたと思いますが、やはり勉強のタイムマネジメントには大きな改善の余地があります。もっとコンサバな見積もりをして、早めからペース上げて学習すべきでした。

また、level1の時と同様に試験直前に一週間ほど有給を取ったのですが、その週だけで80hくらい勉強できて本当に助かりました。試験に理解を示してくれたチームとマネージャーには本当に感謝しております。

試験分野に関して

自分の得意不得意がきれいに出たスコアだなと思いました。いくつかピックアップした感想です。

QM:理系としてしっかり得点にしたかったので、今回は満点取れたようで良かった。

Econ / FSA:一周目マジでわけわからんかったので、がっつり復習して立て直した。演習と復習は正義。

Derivative / Alternative:むずかしい。もっとちゃんとやってもよかったが、配点上少し手薄にしてしまった。(その判断自体はよかった)

Ethics:いつまでも安定して得点がとれぬ・・

その他コラム

協会Mockについて

Level1の時はあまり感じなかったのですが、今回は協会Mockは不当に難しいと思いました。僕は「わかっている人とわかっていない人をふるい分けられる試験」が良質な試験だと思うのですが、その観点からすると質はあまり良くなかったと思います。TLで「難しくしようとするあまり解釈ゲーになっている」という意見を見ましたが、全く同意見です。具体的な内容は伏せるのですが、普通にありえんやろみたいな解釈ずらしでひっかけてくる問題がちょくちょくあってびっくりしました。そういう問題はもれなくコメント欄が爆発炎上しているのでわかりやすいと思います・・

ちなみに僕が前日に解いた協会Mockは、確か午前50%(は?)午後67%くらいでした。とにかく協会Mockのスコアは気にしないに限ります。僕はそのころには何とも思わなくなってしまっていたのですが、そのスタンスで正解でした。

Kaplanの仕様でデータが一部消された話

ちょっとしたトラブルがあったのでまとめておきます。5月半ば、突然Schweserのオンライン教材にアクセスできなくなりました。

結論としては、Kaplanのlevel2 jumpstart packageが元々買っていたlevel2 essential packageを上書きしてしまっていたのが原因でした。

jumpstart packageというのはSchweserが出しているトライアル教材で、level1のessential packageを買っているとlevel1の試験後にlevel2のjumpstart package(中身はlevel2のessential packageと同じ)が2ヶ月ほど使えるようになる、という仕組みです。

僕の場合、jumpstartのアクセスが有効になったのが3月頭なのですが、僕はlevel1直後の2月半ばにlevel2のessentialを買ってしまっていました。jumpstartのアクセスが5月に切れたのですが、そのタイミングで教材にアクセスができなくなったので、僕がクリックして開いていた教材は確実にjumpstartに置き換わっていました。

ということに自分で気づいてその旨を連絡したところ、購入したessential packageに切り替えて(戻して)くれることになりました。(Schweserに最初問い合わせたときは数日返信してくれませんでした・・)

がしかしここで大きな問題があり、essentialに戻した時に、jumpstartが有効になっていた時に記録していたexamの結果などのデータが全消失してしまい、データ移行のような形で復旧することも不可能、と言われてしまいました。大体Reading2から15くらいまでのデータが飛んだのですが、結局その部分はもう一度やり直さざるを得なかったです。

エンジニアリング的な話をすると、Schweserのデータベースは、購入したpackageごとに固有のidで進捗データを管理しており、異なる既存のidへのデータ移行は想定されていない、という仕様だと推測します。新しくpackageを買う場合はjumpstartのデータを引き継げる、とサイトに書いてあったので、新規id作成(=package購入)の際に既存データを使ってinitするのは可能なのでしょう。まあそれ自体は理解できる設計ですが、ユーザーが触るpackageの上書きが強制的に起こるのは普通にダメな仕様なので、一応コメントは入れておきました。fixされているか定かではないので、今後使われる方はご注意ください。具体的な対策としては、jumpstartが出る前に次のレベルの教材を買わないのが良いと思います。

「コスパ」論について

僕は大学生の頃、「短い時間でそこそこの結果を出す」スタイルがあまり好きではなかったのですが、社会人二年目になって、案外そうでもないと考えるようになりました。

元々「コスパを評価軸にするのはかっこ悪い。何を成し遂げたかで語るべき」という思想を持っていたのですが、社会人になって日々のタスクが増え、可処分時間が大幅に減った今、何かを成すためにコスパ良くタスクを捌いていくのは必要不可欠なことだと考えます。

僕にとっては、資格試験や各分野のインプットというのは成し遂げたい最終目標ではありません。そうである以上、コスパを考慮しつつ、時間という限りある資産をうまく使ってステップアップするのが肝要だと思うようになった次第です。ではどんなことを成し遂げたいか、自分の中では完全には固まっていませんが、ある程度方向は見えてきているのでそこへ向けて着実に進んでいきたいと思います。

さいごに

今後の予定

2023年2月下旬にLevel3を受験します。これにて終わりにしたい…!

質問など

引き続きTwitterをやっていますが、良いモチベーション維持になっています。これからも発信を続けていきますので、フォローなどしていただけるとうれしいです。DMも開けていますので、質問ありましたらお気軽にリプライやDMを送ってください。


Covered Photo by Anthony Cantin on Unsplash


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