ペーパーレス化・オンライン化をどう進めるか?~瑞穂町CIO×東京都CIO座談会②~
東京都CIOと区市町村CIOの顔が見える関係を構築するべく、東京都・区市町村CIOフォーラムを開催。さらなる都内区市町村CIO等の皆様と都CIOとのフラットなコミュニティ形成を目的とし、個別の座談会の開催に至っております!
第21回は、「瑞穂町CIO×東京都CIO対座談会」をお届けします!
令和4年6月28日に、「東京都・区市町村CIOフォーラム第21回座談会」として瑞穂町CIOと東京都CIOの対談を実施しました。
※この記事は全2回でお届けします。前半はこちら。
議題
①行政手続きのオンライン化
②ペーパーレスへの取り組み
③東京都の手続きオンライン化
ペーパーレスへの取組
定年退職までに年単位をコピー機の前で過ごす?
東京都CIO:宮坂(以下「宮坂」)
次はペーパーレスですね。ペーパーレスについては、東京都でも昨年度、かなり頑張って取り組みました。初めに試算してもらったのですが、若手職員がコピーを取って、それをホッチキス止めして、配るという一連のプロセス、どのくらいの時間だと思いますか。この時間を計算すると、定年退職するまでに年単位をコピー機の前で過ごしているという驚くべき結果が出てきたのです。人手不足の中で、年単位をコピー機の前で過ごすのは何とかならないのかという話になったわけです。
これからの若い人たちにはこうした作業ではなく、もっと勉強したり、都民と直接話したり、現場を見に行ったりとか、そういったより創造的な仕事に取り組んでほしいわけです。コピーじゃなくてオンラインで仕事できるようにしましょうというのは、もちろん慣れるまで混乱もありましたが、2ヶ月ぐらい過ぎるとだんだん慣れてきました。習うより慣れろだと思いますので、最初はこういったことをやられたらいかがでしょうか。
栗原
ペーパーレス化については、印刷作業にかなりの労力を取られているのが現状です。特に議会関係は結構なボリュームがあるので、タブレットを導入するというような予算措置もしているところです。まずは議会の理解と協力を頂きながら、ペーパーレス化が進み始めれば、行政内部も自ずとペーパーレス化に向かっていくのではないかと考えています。議会の方に主導権を取ってもらった形で、行政も追随していきますよという形で進んでいくのが、ソフトランディングということで良いのではないかと思っています。
宮坂
都議会でもタブレットを配付する取組は数年前からやっていますが、タブレットがインターネットに繋がっておらず、入っている情報量にかなり制限がかかっているというのもあり、未だにペーパーレス化が進んでいないというのが現状です。ぜひそちらの議会の動きにも注目して見させてもらいたいです。私が非常に有効だと思うのは、毎月毎月コピーの枚数を数えるという地道な方法ですが、そうして目標を決めて、徐々に減らしていけばよいのではないでしょうか。これは比較的どこの組織でもできるやり方かと思います。
栗原
やはり見える化して、数値で示すのが一番説得力がありますね。
東京都の手続きオンライン化
SaaS型の活用がカギ
小澤
東京都ではデジタルファースト条例を制定し、行政手続きのオンライン化に向けて推進計画を立て、進めているところです。その流れの中で、東京都の手続きのうち区市町村を経由するものについても、デジタル化を進めていくという方向性を示しています。ただ、実施するに当たっては、東京都だけではできない部分がありますので、皆さんと相談をさせていただきながら、どういうやり方がいいのかというところを協議させていただいて、進めていくというような流れになっております。事業セクションごとに相談が行っているかと思いますので、ぜひご支援をいただきながら進めればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
宮坂
あとは東京都での最新の動きとしては、今までは何かの手続きをデジタル化するというときに、大体ゼロから要件定義をして発注して、何もかもゼロから作るケースが多かったのですが、最近はSaaSと呼ばれるクラウドベースで非常に開発しやすい環境がどんどんできてきています。今後、こうしたSaaSを皆さんにご紹介していくことで、土台のところを共通化できるというメリットもあると思います。こういった新しいタイプの作り方も皆さんとぜひ共有していきたいです。
栗原
デジタルに関しては専門のSEがいるわけではありませんので、本当にどこからどういった切り口で入っていけばよいのかもわからない状況ですから、ある程度ベースができたところに積み上げていくという仕組みは本当にありがたいです。
宮坂
都庁でもデジタルアカデミーという職員に対するデジタル教育をする場を作ったので、これについては東京都だけでなく区市町村の皆さんにも参加いただけるような、開かれた学校のようなものにしていきます。そこで各区市町村の方同士が色々な事例の共有をやったり、同じ技術を学んだりすれば、お互いの意思疎通もしやすくなると思います。こういった教育の場においても、教育の共通化のような形で進めていって、皆さんが一緒になってデジタル化できるようにしたいと考えております。
栗原
小規模な町村ですと人材不足も深刻で、取り残された感が出てしまうことを心配しているので、ぜひお願いしたいと思います。
―お時間も来たようですので、今回の座談会はこれで終了します。普段の会議とは違う、ざっくばらんな意見交換ができて非常にありがたく思っています。本日はありがとうございました!
本取組については、今後も継続して実施する予定です。次回もお楽しみに!