オンライン化への過渡期をいかにして乗り切るか? ~瑞穂町CIO×東京都CIO座談会①~
東京都CIOと区市町村CIOの顔が見える関係を構築するべく、東京都・区市町村CIOフォーラムを開催。さらなる都内区市町村CIO等の皆様と都CIOとのフラットなコミュニティ形成を目的とし、個別の座談会の開催に至っております!
第21回は「瑞穂町CIO×東京都CIO座談会」をお届けします!
令和4年6月28日に、「東京都・区市町村CIOフォーラム第21回座談会」として瑞穂町CIOと東京都CIOの対談を実施しました。
※この記事は全2回でお届けします。
議題
①行政手続きのオンライン化
②ペーパーレスへの取り組み
③東京都の手続きオンライン化
行政手続きのオンライン化
オンライン化への移行をどう進めるか
―瑞穂町様から取組のご紹介をお願いします
瑞穂町CIO:栗原(以下「栗原」)
瑞穂町では、この4月からデジタル推進課を新設しました。まずは講師を招いて、部課長職に対して、DXとは何かという基本的な考え方から、これから進むべき方向性ということでご講演頂きました。また、全職員に対しても同じ講演を実施して、まずは職員の認識の意思統一を図っていくという、やっとスタートラインに立ったというのが現状です。
行政手続きのオンライン化については、窓口からオンラインへの過渡期においては、どうしても両方を並行して行う必要が出てきてしまいます。小さな自治体ですと、職員数も限られていて、職員は幅広い業務を抱えていますので、このオンライン化を進める過渡期をどういうふうに乗り切っていくのかが課題だと感じています。
また、オンライン化を進めるにあたっては、職員の意識改革が重要な鍵になってきます。デジタル推進課という新組織を立ち上げましたが、そうなると一般職員はデジタルのことはすべて情報部門に任せておけばいいというような感覚になってしまう。この辺も含めて、組織内でどういう形で職員が一丸となって、みんなでステップアップしていくという形にしていかなければと感じています。
東京都CIO:宮坂(以下「宮坂」)
オンライン化への過渡期において、紙の窓口プロセスとオンラインプロセスが二重に走ってしまうので一時的に仕事が増えるという問題は、これは本当にいろんなところで聞きますし、都庁の中でもよく出てくる話です。これについては、2系統のラインが走るのはずっと続くのではないかと考えています。対面が完全になくなることはないと思いますし、残すべきだと思います。窓口でやりたい人は窓口で、窓口に行けない人はデジタルで、ということになるのではないでしょうか。
ですので、バックオフィスはできるだけデジタル化して効率的にして、フロントオフィスではオンラインとオフラインの両方で利用者ニーズに応えていくというのが正しい方向性なのかと思います。もちろんこれは非常に難易度が高いことなので、いろんな自治体の方のノウハウや仕組みを横展開していけたらと考えています。
東京都デジタルサービス局戦略部区市町村DX支援担当部長:小澤(以下「小澤」)
やはりバックオフィスのデジタル化というところが重要なので、国の方でも基幹業務についての標準化・共通化を図っていって、その上でシステムを入れやすくしていこうと動いていると聞いています。その流れの中で、後ろの方の事務処理については、基本的にはデジタル化を進めていくということで、よくデジタル庁とも話をしております。
さらに、フロントの部分については、今最近よく言われていますが、「書かない窓口」という流れが生まれつつあって、お客様には書類を書いていただくことなく、その場で職員が対応してデジタル化をしてしまうのだそうです。その段階でデジタル化してしまえば、後ろに流す作業も基本的には一貫して処理ができるという発想ですね。我々もこうした事例を調べたうえで、情報提供ができればと考えています。
栗原
職員の数は増やせないという現状の中で、職員の時間をいかにして作り出すかが鍵になるのですね。窓口対応がゼロになることはあり得ないので、デジタル化により職員の時間的な余裕を作り、今まで以上に窓口に来た人に懇切丁寧なサービスを提供していくというのが理想ですね。
デジタル推進課の方でも、どこからデジタル化に取り掛かっていくか、知恵を絞っているところです。原課の共通理解を得るためには、デジタル化によりこういう成果がありますという事例を目の当たりにさせていくというのが一番なので、こうした情報提供をぜひお願いしたいです。
宮坂
そういった情報提供やサポートについては、区市町村DX支援課の方でしっかりとやらせてもらいますので、ぜひ遠慮なくお声掛けいただければと思います。
前半は瑞穂町におけるオンライン化に関する取組についての意見交換をお届けしました。後半もお楽しみに!