息抜きをして、また進む
上京して約4ヶ月が経とうとしています。少しずつ東京での生活に慣れ、周りを見る余裕が出てきました。それによって、地方との違いを感じることも増えてきました。土地名やキーワードを検索するだけでお店の情報がたくさん出てくること、どこを歩いても人や建物があふれていること、刺激的で楽しい日々ですが、地方のゆったりとした空気が恋しくなることもあります。そんな今、東京だからこそできる、私なりの息抜き方法を見つけました。
私は、もともと読書が趣味で、本屋さんや図書館で過ごすのが好きでした。東京には素敵な本屋さんや図書館がたくさんあります。夜遅くまでやっている、カフェ併設の本屋さんや、重厚感のある内装が魅力の図書館など、それこそ少し検索するだけで情報はたくさん出てきます。自分のお気に入りの空間で、好きな本の世界に没頭すると、都会の雑踏から離れることができます。本をあまり読まないという人でも、カフェを利用しながら気になる雑誌を見たり、静かな空間で過ごしたりするだけで、リフレッシュできるかもしれません。さらに、地方ではあまり見ることができない本に出会うこともあります。海外の写真集や雑誌、専門書などは上京してきて初めて目にしました。日本で発行されている本でも、自分が知らなかった分野の本に初めて出会い、興味を持つことも体験しました。これは、本屋さんや図書館がたくさんある東京だからこそできる息抜き法だと思います。
もう1つ、これまで全く自分の中になかった息抜き方法を発見しました。それは、美術館巡りです。
なんと、東京には美術館もたくさんあります。地方に住んでいたときは、美術館に行こうと思ったことはありませんでした。そんな私がなぜ、美術館巡りをするようになったのかというと、美術館は気軽に行ってもいい場所であると知ったからです。
これまで私は、美術館は敷居の高い場所だと感じていました。好きな画家がいる人、絵画や彫刻に詳しい人しか行けない場所とまで思っていました。しかし、東京にはたくさんの美術館があることを知り、せっかくなら1回くらい行ってみようと思い、気合い十分に美術館に足を踏み入れました。すると、そこには様々な美術作品があり、様々な人がいました。ゆっくり一つ一つの作品を見る人、すたすたと歩いて行ったと思ったら1つの作品をずっと見ている人、作品の解説を見ている人、一緒にいる人と静かに話しながら見ている人。そこには堅苦しさは感じられず、それまでの美術館に対する私のイメージは偏見だったと気付いた瞬間でした。
さらに、美術館は美術に詳しくない私にも優しい空間でした。詳しいところまで知りたいと思う日は音声ガイドを聞きながら館内を回ることができます。今日は何も考えたくないと思う日は、心引かれた作品の前で頭を空っぽにして、いつまでも過ごすことができます。また、一口に美術館と言っても、絵画や彫刻作品ではなく、言葉や広告などを展示している美術館もあります。誰かと訪れても、1人で訪れても、何かを感じても、何も感じなくても、少しだけ非日常空間に身を置くことで、また明日からも頑張れそうな気がしてきます。まだまだ足を運んでいない美術館がたくさんあります。次はどこに行ってみようか考えているだけでもわくわくしてきます。
東京はどこに行っても人が多い。建物がたくさんある。だからこそできる息抜き法がある。地方との違いを楽しみながらこれからも過ごしていきたいと思う、今日この頃です。
Written by ISHI