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東京疲れ?10年越しのホームシック
朝目が覚めると憂鬱な気持ちに襲われた。
身体も心も重い。
8時間たっぷり寝たはずなのに、家事も全て済んでいるのに、仕事も辞めて新しいことに挑戦しているのに、人間関係も良好なのに。
不満になる原因は一向に見当たらない。むしろ調子がいい、なのになぜ。
しばらく考え込んで、一つの可能性にたどり着く。
「あー。東京疲れかも。」
10年も都会の生活を繰り返し、並大抵のことでは動じなくなり、慣れ親しんだ場所になっている。
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むしろ、ホームシックという言葉とは無縁になるほど月日は経過していて、友達には都会に染まったね!と地元に帰るたびに口を揃えて言葉を浴びせられていた。
そう、このタイミングで急な帰省欲が湧いてくること自体違和感である。
そんな状況に戸惑いながらも、ひとつの可能性に辿り着く。
10年越しのホームシック
きっかけは、ライフステージが変わる30代という節目を前に、交際して一年になる彼との関係性や今後について考えていた時にさかのぼる。
彼は福岡県の出身で2年前に東京に出てきたばかり。今後は地元に帰るつもりはないといい、東京に残ることを選ぶという。
3ヶ月前の私なら以下同文!と喜んで賛同し、そのつもりだった。
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しかし、なぜだろう。この先何十年も東京で生活をし続けて、自分の家族を持ち幸せに生活しているイメージが全くできない。
東京は楽しいし、便利だ。
テレビで取り上げられるお店のほとんどが東京だし、ライブやイベントも地元では開催されない。東京にいることで受けられる恩恵は計り知れない。
独身を謳歌するなら、これほど適している場所はないだろう。
ただ、自分が家族を持ち家庭を築き上げる過程において東京がふさわしい場所だとは到底思えず、東京で子育てをする気持ちになれないことに気がつく。
気づいてしまったからには相手の希望と、こちらの希望を擦り合わせて折衷案を見つけないといけないのに、怖くてそれができない。
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彼は東京から出る気持ちがない。
だとすれば、私が彼を諦めるのか。地元を諦めるのか。決断を下さなければならない時が来るということになる。
もちろんお互いの希望を伝えながら最適解を探すつもりではあるものの、地元に住みたい私と東京で生活したい彼、両者の落とし所はどこなのだろうか。
独身謳歌するなら東京一択!
と豪語した割には、東京で出会う人たちは地元に帰る気持ちがない人も多く、将来を見据えてお付き合いをするなら、相手と自分の将来の生活拠点も考慮する必要がある。
そういったことに今更さら気がついても遅いのだけれど。
written by みんちゃん