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上京で変わるもの、変わらないもの

上京する前は、今より年齢が若かったこともあるかもしれないが、とにかく変化を求めていた。これから私は変わらなければいけないと思っていて、でも何になりたいのかは明確ではなかった。
YoutubeやInstagramで東京での生活を送っている人を眺めながら、「羨ましい」「自分もこうなりたい」と、ひたすらないものねだりをしていた。

変わらないという大切さ

けれど、実際に上京して周りの環境や生活リズムが変わると、「変わらないもの」の大切さに気付くようになった。
昔から好きだったアニメを久々に見ると安心するし、昔の感情が戻ってくることで自分を取り戻せた気分になる。
子どもの頃から好きと感じているものが、大人になった今でも好きと感じられるのは、それが自分にとって本物だからだろう。

なので、上京した今でも地元にもあるチェーン店に行くことの方が多く、東京にしかないようなおしゃれなお店に行くことは少ない。
最初はそれを勿体ないと思っていたが、今は昔からの自分を大切にするために必要なことだと思っている。
変わりたいと思っていたあの頃と同じように、家でYoutubeを見たり、だらだらと漫画を読んだりする休日が今でも至福の時間だ。

変わっていくこと

反対に、上京して一番変わったのは環境だろう。住む場所が変わるのだから当然な気もするが、地元内での引っ越しと東京に出るのとではやはり訳が違った。
地元にいた頃は、電車で30分がすごく遠い場所だと思っていたが、東京では2時間以内であれば近いという認識に変わった。
人混みの許容範囲も広くなって、渋谷以外であれば人の多さも気にならなくなった。こんな風に、東京は色々とスケールが違うので、ある意味心が広くなったのかもしれない。

2時間電車に乗れば
海越しに富士山を見に行ける。

そしてもう一つ、夢が変わった。
昔は東京に行くこと自体が大きな夢になっていて漠然としていた。その先にある生活や、何者かになりたいという夢の輪郭ははっきりしていなかった。

何のために、何になりたいか、なんて考えたこともなかった。
それが今では、馬鹿げているように思えても、なりたいものや夢がはっきりとしてきて、そのためにすべきことも明確になった。
一つ夢を叶えれば、また別の夢がちゃんと顔を出してくれる。
こうやって、いつまでも何かしらの夢を追いかけて生きている。

自分は自分である

最近流行っているセルフラブのような考え方だが、真理である。
どこにいても、変わらないものは変わらない(変えたくない)し、生きていれば自然と変わっていくこともたくさんある。
変わらないものが自分を形造っていると思うし、どんな方向に成長して変わるかも自分次第だろう。
どこにいても私は私だ、と上京してからは心の底から思えるようになった。

Written by HINA