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孤独の東京で
東京は1人でも生きていける。
と、いうと語弊があるかもしれないが、上京する時に1番不安だったのは仲の良い友達と離れることだった。
私は家族と仲が良くない分、友達の存在に本当に助けられて生きてきた。だからこそ、友達とすぐに会えない環境というのはとても怖かった。
そんな不安を抱えながらも、このご時世いつでも連絡を取ることは出来るので、それでなんとか妥協して上京を決めた。
新しい関係へ
そんな私の不安に反して、実際住み始めてみると前よりも友達と連絡を取ったり、会う機会が増えるようになった。
地元にいた時は「いつでも会えるし」と、お互い思っていたので連絡もマメには取らなかったし、遊ぶのも3、4ヶ月に1度くらいの頻度だった。
それが上京してからは、毎日連絡を取るようになったし(何故そうなったか全く覚えてないが、気づいたらそうなっていた)趣味のイベントなどで東京に来ることが多い友達なので、東京に来る度に会っていると毎月会うような年もあった。
東京で遊ぶ時も、東京でしか出来ないことをしよう!とはあまりならず、いつも通りコンビニのお弁当で済ませたり、地元でも行けるようなお店に行ってから足早で家に帰る。というような過ごし方が多い。
つまらないようにも思えるが、どこに行っても変わらないものというのは、安心できるし私にとっては大切なことだ。
こうして上京後も変わらず、むしろ今までよりも友達と過ごす時間が増えたのだ。
もちろん東京で出会えた気の合う友達も何人かいる。それでも、昔からの気心知れた友達とはやはり少し違う。
特別なことはしていないが、家で突然ミュージカルを開催したり、はたまた何もせずにお互い黙ってゲームをしていたり。お互いの存在が当たり前になっていった。
大人になるということ
地元にいた時のいつでも会える状態が、もちろん1番良かったと思っている。それでも、お互いが自分の人生を選びながらも、変わらず関わり合えている今の関係は、昔よりも大人になったんだろうと思う。
元々ずっと仲の良い友達だが、上京してからより絆が強まった気がする。離れても切れない縁を知って、都会で孤独を感じても生きていけるようになった。
上京前に感じていた漠然とした不安や恐怖が、思いがけず素晴らしいものに変わった。
もちろん今でも、すぐに会えなくて寂しいと感じる時もある。そんな時はお揃いで買ったパンダのキーホルダーを眺めながら、今日も頑張ろうと決意する。
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新しい土地で慣れない環境の中、今でもたまに孤独を感じることがある。きっと何十年住んだとしても埋められないのだろう、と思っている。そんな場所でも、意識してこなかっただけで、嬉しい変化もたくさんあったことに気づく。
どうしてもネガティブな感情ばかりを抱え込んで記憶してしまうが、1人でも堂々と生きていける今の自分が好きだ。これからも、私の人生を支えてくれる人たちに感謝して生きていきたい。
Written by HINA