博報堂メディア環境研究所のプレゼン雑感
スマホメディアへの接触時間が100分を超えた
少し前の話になってしまいますが、博報堂メディア環境研究所のプレゼンテーションを聞きに行ってきました。
テーマは「情報引き寄せ 意思決定を変える”自分情報圏”」というものでしたが、かなり興味深い内容でした。
まず僕が興味をそそられたのが、2018年の調査におけるメディアの総接触時間のデータでした。
調査によると、総接触時間は過去最高に増えて396分(1日あたり/週平均)で、昨年よりも18分増加。そのうち「携帯電話/スマートフォン」が90分から103.1分に増加しています。これは初めて100分越えだそうです。
同時にデジタルメディア(パソコン、携帯電話/スマートフォン、タブレット端末)が全体に占めるシェアが50.4%になって、2006年の調査開始以来初めて過半数を超えたそうです。さらに、携帯とタブレットを合わせたモバイルが33.6%になって、3分の1を超えました。
モバイルシフトは不可逆に
驚くべき数字というよりも、世の中の実態を裏付けるようなデータだと思いましたが、モバイルシフトが不可逆になっていることは強く印象に残りました。
特に10代の女子のモバイルシェアは54.3%という数字では、男性は職場以外でもパソコンをまだ使うということを考えると、女性のほうが、圧倒的にスマホデバイスでインターネットに触れる機会が増えたことがわかります。その結果、モバイルの占有時間が大きくなったのを見て、改めて僕が携わっている「C CHANNEL」が伸びている理由も、この辺りにあるということを追従的に感じることになりました。
i Phone誕生から10年で世界が変わった
ちょうどiPhoneがリリースされて10年です。出たての時は、アップル製品が好きな人が購入するガジェット的な存在で、こんなに圧倒的に全体ユーザーを獲得し、特に女性に刺さるデバイスになるとは想像できませんでした。
ガラケーをスマホが抜いた時のことを、僕は「スマホビッグバン」と呼んでいます。2011年にiPhone4が出て、モバイルシフトが急速に進み、フューチャーフォンと呼ばれるガラケーを抜いて、2012年にビッグバンが起きたと思っています。
この6年にメディアにおけるスマホの位置がものすごく上昇したのは、女性のモバイルシフト、インターネットシフトが進んだのが大きいのではないかとも思います。
動画視聴もパソコンからスマホへシフト
昨今ですと、コミュニケーションツールとしてだけでなく、決済も含めてスマホでできることが広がり、ほとんどのことがスマホで解決できるようになりました。中でもエンタテインメント系の行動は、スマホで完結できるようになったのは大きい。ゲーム、コミュニケーション、動画視聴がテレビやパソコンから移ってきたこともが大きい流れなのだと思います。
それを裏付けるような出来事で、先日驚いたことがあります。朝オフィスのエレベーターに乗ったところ、別の会社の20代と思しき女性が海外ドラマをスマホで見ていました。おそらくWi-Fi環境ではなくてもスマホデバイスで見ている。それが日常の風景になりました。おそらくは、以前はパソコンで動画視聴もしていた人も、スマホで見るようになったのではないでしょうか。今回改めてデータからも、街中の光景を見ても世の中の変化を感じました。
<この項続く>