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カルチャーがすき


カルチャーがすき。
音楽、映画、ラジオ、本、アート
雑食に、なんでも。

最近触れたものを、忘れないように。

1.死んでない者/滝口 悠生(小説)
物語は、1人の男性が亡くなったところからはじまる。
ある人にとっては父で、ある人にとっては祖父で
はたまたある人にとっては嫁の祖父や友達であった。
通夜の1日、死んでない者たちの視点から
故人との思い出やそれぞれが感じる想いが描かれる。

通夜のシーンを思い浮かべる度に、
10年以上前の祖父の葬儀を思い出す。
私の家も親戚が多いので、
玄関いっぱいに並ぶ黒い靴たち、
涙にふけりながらもくすっと笑ってしまう祖父の
エピソード。親戚一同、”祖父は幸せだった”と
口を揃え閉められた葬儀だった。

小説の中の家系もひ孫までいるかなりの大所帯、
一人一人に故人との思い出があり、さらには
2人だけしか知らない時間があった。
通夜という悲しい1日に、故人を思い出し過ごす
そしてまた親戚が集まった時に語り継がれる
新しい歴史をつくっていく。
何か起きるわけではないけど、とても好みの小説だった

この先、私たちは今よりも多くの葬儀に参列するだろう
参列する人の共通点は故人と繋がりがあったということ。故人との関係値は一旦抜きにして、
参列したみんなの悲しみを足して割ってみんなで
同じ量の涙を流したい。そうすれば失ったショックから
早く立ち直れそうだから。


2.宇多田ヒカル SCIENCE FICTION TOUR 2024

幸運なことに知り合いからお誘いをいただき、
宇多田ヒカル SCIENCE FICTION TOURへ
KアリーナのLIVEは、LIVE映像になるため
アンコールのみ録画OKだったが、逆にそれが
よかった気がする。

3週間くらい経ったいまでも
time will tellのイントロを聞くたびに
あのライブのはじまりを思い出してじーんとくる。

First Loveを聴いた時、
この会場にいる人たちの数、初恋があって、
そんな私たちの初恋をより素敵なものにこの曲が
してくれたんだな〜と思い、感慨深かった。
わたしもはじめてすごく好きになった人と
お別れした時に、この曲を聞いて救われていた

心にグッときて泣きそうになったのが(ちょっと泣いた)
あなたと花束を君に。
ライブがおわって1番聴いてるのが、
何色でもない花とElectriccity(テンション上がる)かな。

DISTANCEもAutomaticもかっこよかったし、
traveringやCOLORS、BADモードもすごくすきなので
最高だった。

今回のツアーは宇多田ヒカルのデビュー25周年の
ツアー、わたしは4歳から29歳になった。
自分を勇気づけてくれたり、自分の人生を
さらに彩らせてくれた素敵な曲をたくさん世に出してくれた宇多田ヒカルにものすごく感謝した日だった。

3.そばかす(映画)
これは少し前に見た映画。

三浦透子が恋愛感情を持たない30歳の女性の蘇田(そばた)を演じる。
母からは結婚を急かされ、お見合いをさせられ
友達になりたいと思う男性からは恋愛感情を向けられる。生きづらい毎日の中、自分らしさを探していく

30歳って昔のように無邪気には過ごせないし、
人間付き合いもシビアになる。
恋愛感情を持たない部分への共感はないが
人付き合いと自分らしさへの悩みはなんだかわかるような気がした。

この映画ですきなシーンが、2つある。
1つめが、蘇田が友達の結婚式で祝辞の代わりにチェロを弾くシーン
自分を理解してくれる存在だったけど、ずっとはいっしょにいれないと悟った
結婚という次のステップにいく友達をチェロで送り出すのが切なかった

2つめが蘇田が嬉しくて走り出すシーン
周りに理解されず、理解されたと思えばいっしょにいることを諦めないといけなかったが、最後に北村匠海演じる天藤くんと仲良くなる。
天藤くんが帰り際に「おんなじような人がいてどっかで生きてるんなら それでいいやって思えました」と
蘇田に伝えるのだが、この言葉や出会いがどれだけ
蘇田を救ったのだろうか。
別れたあとに蘇田は嬉しくて走り出す、映画はそこでおわる。

生きていて、嬉しくて走り出すなんてことが
どれくらいあるだろうか。
また同じだと感じるような人に出会えることなんて
あるのだろうか。
蘇田の走り出す時の気持ちを想像すると、
わたしまで嬉しくてにやにやしてしまう。

あと、主題歌がとてもよかった。
塩塚モエカ×三浦透子の相性が抜群!!


カルチャーはいろんな視点といろんなすきが
あることでますますおもしろくなる。
一個人の一感想として、共感してくれると嬉しい。








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