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外国人との土地の売買制限

山林、宅地の外国人購入に関する意見に触れ、わたしも職務上の経験から一言。
かつてバブルで不動産業界が活況を呈していたころの話です。日本人がバブルマネーに沸き、米国や豪州の不動産を買い占めに回っていました。丁度、今の中国人みたいに。

豪州では戦前からの名残りで日本人に対する強い警戒心があり、ゴールドコーストやシドニー等でマンションやゴルフ場が買われていることに不快感と危惧を抱いた各州において、日本人をターゲットにして不動産の所有を厳しく制限するようになりました。外国人の取得について州政府の許可制にしたのです。

それでも、わたしの顧問先の某社は、アデレードに従業員の保養所を持つことを企画し、オーストラリア人税理士をダミーとして同人の名義で保養所を取得しました。匿名組合や信託を使うとか、現地で法人を立ち上げて株式支配して実質的に保有することも考えましたが、当該税理士を信用してより簡明な方法を選択したわけです。結局、バブル崩壊後に当該保養地を売却することになりましたが、何度も現地に飛び、ブリスベンの弁護士や地元の不動産業者と協議して新聞に広告を出して入札を募って売却したことがありました。その所有、維持、売却につき多大なマネーを地元に落したことになります。古い法律があるということなのですが、新たに立法によって地方の長の許可を必要とする立法をするべきでしょう。法律で規制する以上は、「外国人」とは何かを明確に定義せねばならず、特別永住外国人はどうするか、一般永住外国人はどうするか、また、法人による不動産取得を認めている以上、その「外国人性」をいかなるメルクマールにおいて認定するかについて基準を作成しなければなりませんが、豪州等のやり方を研究すれば、そんなに難しい問題ではないように思われます。

景気回復のためには、外国資本を招き入れる必要があるんだというエコノミストたちを説得するには、相当議論を詰めなければならないでしょうが、安全保障上の問題がこれほど懸念されるような事態になっている以上、今のように全く規制なしに放置するというような法制を続けることはできないでしょう。国境問題と同じく国土の所有に関する問題も重大な主権問題なのだというあたり前のことを繰り返し訴えていく必要があるようです。  
(H23/01/16)

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