
阿波踊り有名連の歴史と魅力に迫る!(第6回)「菊水連」
菊水連は、徳島市内の鉄工所社長が1970年の「大阪万博」を機に阿波踊りを盛り上げようと、阿波踊り連「苔作」出身の踊り子らに呼び掛けて翌71年に誕生した。南北朝時代の武将・楠木正成の「我に勝ち、味方に勝ち、敵に勝つ」という言葉をモットーに、楠木家紋(菊の花が流水の上に浮かび出た文様)を名称と衣装に取り入れた。就任40年になる2代目連長の丸山副武さん率いる連員数は現在約80人を数える。

2枚うちわのダイナミックな男踊り
阿波踊り本来のゆっくりした「正調阿波ぞめき」ではなく、苔作をルーツとする、鉦と大太鼓を豪快に連打する躍動感に満ちたアップテンポのリズムが特徴的な「菊水囃子」が人気を博しており、阿波踊りファンの間では大太鼓の音色を聞いただけで菊水連の存在を認識できるという。
男踊りは、苔作を通じて「のんき調」の流れをくんでおり、背筋を伸ばし、腰を低く落とし、つま先を立てて踊るのが基本スタイル。両手にうちわを持って蝶が舞うようにひらひらと振る「2枚うちわ」を取り入れたダイナミックな踊りが名物だ。
