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【L岸潤一郎】徳島での再起の秘訣に迫る/単独インタビュー

毎度、徳島インディゴソックスのnoteを読んでくださりありがとうございます。今回はインディゴソックスOBで埼玉西武ライオンズでプレーする岸潤一郎選手にインタビューすることができました!独立リーグでの経験、インディゴソックスでの成長について、ぜひ最後までご覧ください!

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岸潤一郎外野手のこれまで
背番号68 右投右打
174㎝/82kg 1996年12月8日生まれ
兵庫県出身
2012~2014年
明徳義塾高校で1年春からベンチ入りし、4度の甲子園出場
U-18野球日本代表選抜
2015年~2017年
拓殖大学に進学も怪我に見舞われ退学
2018年~2019年
徳島インディゴソックスに所属
2019年ドラフト8位
埼玉西武ライオンズから指名
2020年7月5日 1軍初出場
2021年3月26日
開幕を1軍で迎える
今回は2018年には「チームメイト」でもあった谷田成吾球団代表が
直接インタビューしました!

必要なのは「実戦」と「結果」

谷田球団代表(以下谷田))インディゴに入って1番よかったなと思えるところは何か?

岸潤一郎選手(以下岸) 試合数が多いこととレベルの高いところで練習、ゲームに出ていた人たちが教えてくれるところです。そういう人たちが最後まで選手の練習に付き合ってくれるところが1番よかったと思えるところですね。

谷田)試合数が多いというのは実戦を重ねていくのが一番成長につながったと感じるからか?

岸  自分は特にブランクがあった中(チームに)入っていって、その中で(大事になってくるのが)実戦と結果ですよね。そこでNPBのスカウトに注目してもらうとか、やることがはっきりしてる場所だと思う。高校みたいに過程があってみたいなのも大事ですけど、本当に一勝負っていうところで試合数をしっかりこなして、優勝を目指して、なおかつスカウトにアピールできる場が多い。練習試合でNPBとも試合をしますし。そういうところで試合数が多かったのがよかったと思います。

谷田)一緒にやっていた1年目は怪我明けでだんだん見違えていくように2年目、3年目とよくなっていったのも試合の積み重ねがよかったのか?

岸  そうだと思います。実戦の中でしか成長できない部分って絶対あると思う。もちろん練習が大事なのは大前提ですけど、その中で実戦で野球勘とか磨かれるものっていうのはその試合数があるからこそだと思うので。それはめちゃくちゃ自分の糧になったかなと思います。

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「本気で」怒られた1年目

谷田)橋本球史コーチが練習最後までつきあってくれてたっていう印象があるが、そのことについてどう思う?

岸  1年目は球史さんがつきあってくれていたのに、僕が全くついていってなかった。しこたま怒られてました。今考えれば、なんで1年目からついていかなったんだろうって思います。それでもちゃんと本気で怒ってくれたし、自分が2年目から内野をやり始めて、どこからでもどんな早くからでもノック打ってくれた。そういう人がいるからこそ選手も本気になるし、本気でNPBっていうのを目指す場になってきたと思う。本当に球史さんに感謝しています。自分がNPBにいけたのはそこしかないと思っています。

谷田)ついていって一緒に練習しようと思ったきっかけはどこにある?

岸  高校、大学とそこまで怒られたことなかったし、いい意味で悪い意味でもチームの中心でずっといて、本当に怒られることって少なくて。でも、球史さんは偏見のない人で、誰にでも同じように接する。一発目からずっと怒ってくれたし、こんな自分のために言ってくれる人ってなかなかいないだろうなと思って、その人が本気でNPBに行かせたいって言ってくれてたので、ついていかないわけにはいかないと思った。自分もついていくので、ノックもいっぱい打ってくださいってどんな時でも言ってました。そういう関係があったのでついていったと思う。

谷田)そこらへんから技術的にも上達してきた実感がでてきた?

岸  最初は本当に内野でエラーしまくってました。でも最後グランドチャンピオンシップの時は1試合に9個飛んできて全部さばけたりしたんで、本当に橋本コーチのおかげだなと思います。

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信じていなかった「自分の可能性」

谷田)1度野球から離れて、戻るときに大変だったことは何?

岸  自分が思っているように身体が動かないのが一番しんどかったです。走ることに関しては練習でどうにかなるんですけど、相手の球のスピードとか。ストレートも見てなければ変化球も見てないんで、全くついていけなかったです。単純に走ることができても、打ってから走るとか野球の動きが出来ないようになっていました。そこで続けるのが大変だと思ったこともありましたが、そこはしっかり球史さんのお怒りで乗り越えることができたと思います。

谷田)思った通りにならないし、肩も痛いしみたいな。橋本コーチは岸をNPBに入れられなかったらヤバいなって最初に思ったらしいよ。そういうのもあって最初から怒ってくれてたのもあるんじゃないかな。

岸  怒られてるのは自分が悪いんですけどね(笑)

谷田)自分の可能性は最初信じていなかった?

岸  1年目の前半とか全然NPB目指してなかった。2年野球やって(親が)納得してくれたら辞めようと思ってた。その辺が態度にも出てたと思う。

谷田)その信じ切れてなかったところからNPB行けるかもと思ったのはいつ頃?

岸  ソフトバンクの3軍と試合して思いました。そこまで変わらないなと。ソフトバンクとか巨人とか3軍ではありますが、そこと試合をしても勝てるし、能力1個1個見てもそんな劣ってないなと思いました。それから行けるかな、ちゃんと目指したいなって思いました。

谷田 自分の力量を試す場があって比較できたのがよかったのか。

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「持ってる」男の今の姿を

谷田)岸が思う、独立リーグからこんな選手だったらNPB指名されるかなっていうのはある? 

岸  (大事なのは)肩と足だと思います。それって練習してどうにかなる部分じゃない。地肩っていうぐらいなんで。それで振れる力。パワーとかじゃなくてちゃんと振れる力。独立リーグでコツコツ当てて三割八分ぐらい打ってもNPBに行けないと思う。最低限の肩と足があって、しっかりバット振れるっていう人が野手に関しては行きやすいと思う。独立リーグって元々年齢高い人もいますよね。そういう人がパワーだけで勝負ってなかなかキツい。高校生や大学生で今後もそういう選手は出てくると思うし、外国人選手もいるのでそうなってくると(パワーだけで)勝負は厳しいっていう印象がある。

谷田)南社長がインディゴソックスに誘った?

岸  そうです。自分が辞めていたときは全く野球するつもりなかったんです。野球から離れるって決めて大学を辞めて、社長が自分の親の方に連絡を取って下さって、社長が来るから会って欲しいと親に言われて、「急に何?」みたいな感じで始まりました。それが無ければNPBにもいけてなかったので南社長には感謝しています。

谷田 人生変わったね。岸って「持ってる」よね。

岸  ちょっとだけ思いますね(笑)そういうの持ってない人は独立リーグ厳しいかもしれませんね。スカウト来てない試合は打つのに、来てたら打てないみたいなのあるじゃないですか。そこも結構大事だと思う。

谷田 今でもインディゴソックスで連絡を取る人はいる?

岸  ちょくちょく球史さんとは連絡取ってますし、(平間)隼人は試合で会うときもありますしね。1番連絡取ってるのは球史さんですね。ヒット打った日の動画は全部送ってます。打たなかった日は送らないですけど(笑)

谷田)NPBに入ってシーズン過ごしてきて、徳島のファンに伝えたいことはある?

岸  当時、自分がインディゴにいたときに応援してもらっていたことはとてもモチベーションに繋がってくる部分がありました。そんな年月経ってないのでたくさんの人を覚えていますけど、よかったねって声かけてくれるから次の日も頑張れるっていうところもありました。そういう人たちに今度は埼玉西武ライオンズの1軍で試合に出てる姿をしっかり見せれたらなと思っています。

谷田 すごくいい受け答えができるようになって、野球選手っぽくなってきてるね。

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<取材>
徳島インディゴソックス 谷田成吾球団代表
<構成・文>
藍スポ編集部 中俊輔