ピクミンブルームは、コロナ太り対策に最適な最新歩数計アプリとなるか
「ポケモンGO」でお馴染みのナイアンティック社が、今月日本でもリリースした「ピクミンブルーム」が、ちょっとした話題になっています。
ここ数日、連日のようにiPhoneの無料アプリランキングでは1位を獲得し続けているようですし、ツイッター上でも「ピクミン」というキーワードの言及数が連日2万以上投稿されている状況。
「ピクミン」というキーワードのGoogleでの検索数も、過去のピクミンのゲームの発売時を上回る勢いで推移しています。
もちろん、「ポケモンGO」の時の、猫も杓子もといったブームではないものの、メディアにも多数の記事が書かれており、注目のアプリと言えると思います。
位置情報ゲームというより歩数計?
いわゆる「ポケモンGO」に代表される位置情報ゲームは、「ドラクエウォーク」などの様々な類似ゲームがリリースされるブームになったものの、「ポケモンGO」リリース時の熱狂的な状態に比べると、一段落している印象を持っている方も多いでしょう。
実際に、ナイアンティックが2年前にリリースしたハリポタGOこと「ハリー・ポッター:魔法同盟」は、2022年1月末にゲームを終了することが発表されており、通常のスマホゲーム同様に栄枯盛衰が激しい業界であることがうかがわれます。
ただ、今回の「ピクミンブルーム」の盛り上がりで注目したいのは、従来の「ポケモンGO」や「ドラクエウォーク」に比べると、「ピクミンブルーム」が「位置情報」よりも「歩くこと」自体に重心がシフトしている印象がある点です。
「ポケモンGO」は特定のスポットでレアポケモンがゲットできるイベントが発生して、何も無い場所に「ポケモンGO」プレイヤーが集まる現象が社会問題になるほど注目されました。
ただ、今回の「ピクミンブルーム」は現在のところ特定のスポットの役割はあまりなく、プレイヤーの歩行距離が最も重要な要素になっています。
「ポケモンGO」でも歩くことによってポケモンの卵をかえすという機能はありましたが、どちらかというとオマケに近かったのに対し、「ピクミンブルーム」ではプレイヤーが歩かないとゲームが進まない仕組みになっているのが大きな違いです。
どちらかといえば、位置情報ゲームというよりも、新しい歩数計アプリと言った方が正しいかもしれません。
冒頭の記事でも、ナイアンティックの川島さんが「ゲームというよりも、ライフログやウォーキングアプリに近いもの」と発言されています。
歩いてマイルがたまる「マイルズ」も上陸
ここで興味深いのは、10月に海外から「マイルズ」という移動するだけでマイルがたまるという文字通りの歩数計アプリが上陸していることです。
「ポケモンブルーム」はあくまで歩いた歩数がゲームの中でポイントになり、ゲームを楽しめる仕組みなのに対して、「マイルズ」は自分が移動することでアプリのマイルをためて、そのマイルで店舗の無料クーポンや割引サービスが利用できるもの。
お得になる歩数計アプリと言うべきでしょうか。
こちらは日経トレンディが発表した「2022年ヒット予測」において、ANAがリリース予定の「ANA Pocket」と一緒に、堂々の1位に選ばれています。
こちらは、歩くだけでなく、電車や自動車の移動も対象になるアプリですが、歩いた場合が一番短い距離で多くのマイルがたまる仕組みになっているのがポイント。
できるだけ歩きたくなる設計になっているのです。
コロナ禍でのリモート太りの対策に
こうしたアプリに、このタイミングで一気に注目が集まっているのは、間違いなく長く続いたコロナ禍での「コロナ太り」と言われるリモートワークや、外出自粛の影響の反動でしょう。
「ピクミンブルーム」を発表したナイアンティックのジョン・ハンケCEOは、Facebookが旗を振っているメタバースに対して「メタバースはディストピアの悪夢」と発言するほどの、現実世界重視論者。
今回の「ピクミンブルーム」の発表においても、「私は歩くことの素晴らしさを信じています」という言葉とともに、「ピクミンブルーム」によって毎日の散歩を楽しくし、世界を楽しくすることを目指すと宣言されています。
すでに、新型コロナウィルスの感染拡大による三密回避が常態化してから1年半以上が経過しています。
繰り返される緊急事態宣言で、すっかり外出がおっくうになった方も少なくないかもしれませんが、せっかく感染者数も収まっていることですし、「ピクミンブルーム」や「マイルズ」のような最新歩数計アプリを片手に、まずは三密になりにくい散歩から再開してみるのに良いタイミングなのかもしれません。