シャニマス初心者の僕が『天塵』を読んだら、形容しがたい感情になったので言語化したい
『アイドルマスターシャイニーカラーズ』をプレイし始めて数ヶ月、隔週に1人のペースでW.I.N.G編のプロデュースをしていたのだが、
シャニマスはイベントコミュの出来がいいという話を耳にしたので、試しに上の記事で紹介されていた『天塵』を読むことにした。
それで読み終えて「あ~めっちゃ良いなあ……」ってなったんだけど、その時の感情を人に伝えようとして、これが全く上手くいかなかった。
たぶん今は心の中で「なんとなく好き」が先行して曖昧な状態なので、コミュの内容をまとめつつ感情を言語化しようと思う。
※今の僕は円香WING、雛菜WING、天塵(今ここ)を読んだ状態です。note書くのも初なので知識やら何やら不足してると思いますがご容赦ください。
オープニング【ハウ・スーン・イズ・ナ→ウ】と
第1話【屋上】
モノローグは樋口円香。
オープニングは円香の小学生時代の回想?から始まる。透が4人で海にいくことを提案し、小糸が驚き、雛菜は賛同の声をあげ、円香が制止する。幼馴染という共同体内でのそれぞれの立ち位置のようなものは、この頃からあったようだ。
「買おう うちらの車」
という透と3人との約束は、果たされなかったが、忘れられたわけでもない。円香はちゃんと覚えているし、現に思い出している。
「どこいくの 私たち──────」
透がアイドルになると言い出し、それを追う形で283プロに所属した3人。そしてノクチルが結成され、それまで動かなかった4人の環境が変わりつつある。円香は幼馴染4人の向かう先が見えないことを不安に思っている?
「透は……走り出してしまった」
いつも4人の先頭に立っていた透が、どこへ向かうのかわからない。そもそも透がアイドルになりたいと言い出した動機が見えてこない。でも透はどこかへと走り出した。円香はそれが4人の関係性を変えてしまうことを恐れているのだろうか。
ノクチルに入った生配信の初仕事に、円香は「視聴者数だけが売りの番組」だと難色を示す。心配しているようにもとれる。
第2話【視界1】
モノローグは福丸小糸。
トレーナーに息切れを指摘されてランニングを始めたり、学校でダンスの自主トレをしたりするのは、彼女の実直な性格も理由の一つだろうが、
「遅れないように……置いてかれないように……しなきゃ」
「って透ちゃんが言ったその『私たち』に──わたしもいる」
他の3人に、そして透についていくためだ。ダンスの振り付けひとつにしても、天才肌の浅倉透はすぐ習得したし、雛菜と円香も要領がいい(実際は、円香はコソ練している)。小糸は自分ひとりだけが取り残される思いになったかもしれない。
小糸も「海へ行く」約束を覚えている。透が「行こ」と言うなら、置いていかれないように、追いつこうとする。
第3話【アンプラグド】
モノローグは市川雛菜。
生放送当日の現場、ノクチルは、新人アイドルユニットであるがゆえに、杜撰な扱いを受ける。ライブでフル尺で歌うと聞かされていたのに、実際はカブセ(口パク)で1サビまで。インタビューも歌も、透だけをフィーチャーして他の3人を全くないがしろにする。
ディレクターの心無い言葉に傷つく小糸と、静かに怒る円香。「ふふ。やろ、思い切り」と笑う透。
本番、彼女たちは小糸以外歌わないことで、いちばん熱心に練習してきた小糸にカメラを向けさせた。
ユニットメンバーが起こした放送事故の渦中にいて、心底楽しそうな雛菜のモノローグが印象的だ。
「だって、いつもどおりの雛菜たちでしょ?」
ノクチルの4人はアイドルとしての初仕事で、幼馴染としての態度を優先した。最高だな。
第4話【視界2】
放送事故を起こしたノクチルは業界から干されてしまい、
一部ネット上でも批判される。この書き込み絶対リアルで見たことあるやつだ。
プロデューサーは仕事をとろうと奔走するけど、生放送での放送事故の件を理由に断られ続けている。
その気持ちはすごくわかる。ほんとなんて言えばいいんだろうな……
ランニング中の円香と小糸がばったり出会う。負い目を感じている様子の小糸を、円香がフォローする。実は浅倉はよく歌詞を間違えるけれど、堂々としているから気づかれていないらしい。だから一番「仕事」していたのは小糸なのだと。
ここ、間違いに気づかれない透すごいとか、それに気づいた円香はよく浅倉のことを見てるなとか、色々考えてしまう。
コソ練を知られたくないのは円香さんでは?ふたりとも自主練して追いつこうとしているけれど、円香は透との差を感じたくないし、感じさせたくないのではないか。
「やっぱり練習しよう……!不安がちょっとの間だけどこかにいくから……」
この台詞、練習する理由を共有した二人の繋がりを感じられていいな。
第5話【視界3】
透が帰宅すると、雛菜が家に来ていた。透の爪にネイルを塗りながら、雛菜は「どうしてアイドルになろうと思ったのか」を尋ねる。返答は曖昧だったが、どうやらプロデューサーが関係しているようだ。
これについては、透をプロデュースしていないので僕にもわからない。けれども雛菜がこの疑問を抱くのは当然のことで、ノクチルの全員が理由を知らないまま透についてきたのがある意味異常とも言える。
雛菜は幼馴染4人のばらつきを感じとり、先頭の透の思いをはっきりさせにきたのだ。透にとってアイドル活動が楽しいなら続ける、そうでないなら軌道修正が必要だろうから。
ネット上での自分たちへ向けた批判について。誰のことを言っているのかといえば、彼らの理想、「アイドルはこうあるべき」という規範に沿ったアイドルだろう。
その点、ノクチルは誰ひとりとして偶像ではなく、どこまでも幼馴染の関係を第一にしている。その結果として(浅倉が言うところの「アイドルがいる人」から)こうした批判が生じるのは、至極当然のことでもある。
依然として売り込みを続けるプロデューサーをあしらう音響ディレクターの「売り物のしての安全性をお約束していただけないとね」という言葉も、嫌いだけども正論なので否定できない。
でもノクチルの最高の輝き方を知っているから、プロデューサーは葛藤し、僕らを悩ませている。
第6話【海】
雛菜:ね、楽しい~? 円香:それは雛菜の観点でしょ
これで雛菜は「楽しい~?」と3人全員に尋ねたことになる。雛菜にとっては「今がたのし~く、しあわせ~」であることが最重要なことであり、それはノクチルの4人が幸せなことと同義であるからだ。
プロデューサーが4人に、仕事が見つかったことを報告する。小さな、海辺の花火大会での営業だ。
ノクチルが仕事に求めるものによっては、良い条件の仕事とはいえないかもしれない。だから、引き受けるかどうかよく考えてほしい、と話した。
例によって、雛菜が賛成し、円香が制止する。違うのは、小糸が行きたいと言い出したことだ。
ステージに出なくとも一緒にはいられる。だがそれは他の3人に自分の歩幅に合わせてもらうことでもある。そうではなく、今の小糸は、本当の意味で同じ場所にいられるのだと、口に出して伝えた。
円香に、浅倉はどうしたいのかと尋ねられて、透は「……わかんないや」と答える。円香は、それでもいいと思い直す。どこへ向かうのかわからない今までとは違う。
「どこに行くか知ってて、走り出してる」
エンディング【ハング・ザ・ノクチル!】
「いいんだよね 今日は うちらがよければ」
ノクチルのユニット名の由来は夜光虫の学名「ノクチルカ」だと言われている。海のなかでかすかに輝く彼女たちの美しさに、今はプロデューサーしか気づけていない。スポットライトや花火の閃光にかき消されてしまうからだ。
ノクチルは売り物として消費されることを拒み、どこまでも幼馴染であることを選んだ。光り方を変えなかったわけだ。
彼女たちは確かに輝いていた。読み終えて、僕はノクチルのプロデューサーであると同時に、ファンになった。ノクチルを応援したい。そして、彼女たちの美しさを伝えられるようになりたい。ノクチルの行く先を見たい。
まとめ
この素晴らしさを僕のつたない言葉で伝えるのは無理だとわかった。たぶん最高だから読んで!!!と言って読んでもらうのが正解な気がする。
以上です。
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