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実用品の科学「冬の「あの暖かい服」を深堀り!」(台本)-2
今回は、言わずと知れたファストファッション「ユニクロ」の冬の看板商品「ヒートテック」と「フリース」の科学について取り上げた『#39 冬の「あの暖かい服」を深掘り!』を紹介します。
昭和〜平成初期ごろはフリースがメジャーな繊維でなく、ヒートテックも存在しませんでした。毛糸のニットや使い捨てのカイロを使うこともありました。最近の私は、上から下まで、ほとんどユニクロさんのお世話になっております。下着の1番大事なショーツはワコールですが、靴下もシャツもヒートテックに頼りっぱなし。10分丈のスパッツ(レギンスって言うの?)も。
さて、暖かい服の素材といえば、今ならフリースやヒートテックなどがありますが、これが市販に流通するようになったのはいつからでしょう。
調べてみると、フリースは元々は1979年にアメリカの会社で開発された素材で、ポリエチレンテレフタレートつまりPETボトルと同じPET素材です。なのでPETボトルを再生して製造されるエコロジー製品もあります。
元々はアウトドアブランドで取り扱われる商品で価格も1万円前後でしたが、これを一般の暖かい服として2000円前後で売り出したのがユニクロ。これが1994年です。平成6年ですかね。ユニクロはこれで大いに売り上げを伸ばして大企業になっていくわけです。
柔らかく起毛仕上げの繊維なので暖かい。乾きやすい。軽い。手入れも簡単。まさに飛ぶように売れました。
ただし、静電気が起きやすい、火花などで穴があきやすい、洗濯で毛玉ができやすいというデメリットもあり、ガスコンロやマッチ・ライターには気をつけないといけません。フリースは表に出す服じゃなく、重ね着の内側が良いのかも。本当は洗濯はまめにしないほうが良いようです。1〜2週間に1度くらいで。
あともう一つ暖かい素材といえばヒートテック。いつから出回るようになったかというと、2003年。ユニクロと繊維会社東レの共同開発だそうです。
レーヨン:吸水発熱
アクリル:細かい繊維で空気を多く含み保温
ポリエステル:型崩れしにくい
ポリウレタン:ストレッチ性
この4つの化学繊維を混紡した繊維。
レーヨンの吸水発熱の仕組み→
→肌からの湿気を吸水、凝縮して発熱(汗が気化して放熱するの逆)
と、ユニクロの公式のHPから読んだのですが、
最近のヒートテックは綿(コットン)の入っているものもあるようです。長袖シャツやスパッツでも綿混がありました。綿が53%も入って、あとアクリルとポリウレタン、というのも。肌触りがだいぶ綿に近いので化繊が苦手な人も試す価値はあります。肌にあたる内側は綿100%、と謳うものも。
ヒートテックで注意する点もあります。
汗をかき過ぎると乾きにくく、むしろ体を冷やします。布は水分を無限に吸ってくれるわけではありませんからね。
乾燥肌の人には肌の水分が奪われて、皮膚が乾燥しすぎてしまい痒くなる場合も。
化学繊維が苦手な人には難しいものもあります。繊維の種類を確認しましょう。
私も日常や通勤にはヒートテックを使いまくってますが(通勤にバイクを使用するので長袖服やスパッツ・ハイソックス必需品)、動物飼育の仕事は清掃のため水を多く使用するので、むしろクールテックのシャツを下に着ます。濡れやすいところには乾きやすい服を使いましょう。