なんであんなに面白くできるんだとか考える

面白いってなんなんだ。
http://dtlog.sodenoshita.com/chatLogs_iamhome4_h.html
前回の続き。

百入さんが本気で消えたら誰にも見つけられない。
ルール的に、これまでゲーム的に「本気で消えたら支援できなかった」場面を繰り返してきたという意味でも、そういうキャラクターだという物語を積み上げてきたって意味でも。
積み重ね。
彼女を探そうとすれば必然的に隠れる上手さに触れざるを得ない。
情景は完全に百入さんの格を確かめるためのテキストでありながら、「それでも探すのだ」と続けてつるばみさんのオープニングに繋ぐ。
カメレオン細胞とか欲しい……舌を無限に巻きたい

このつるばみさんの取った手はGMからの提案だけど、プレイヤー嗣子さんが最初のモノローグで完璧に「つるばみさんはこういう判断をして情報屋に当たることにした」って繋いできてすごいのだ。
お互いに「この子はこういうことやる」って思ってないとできないし出せないんだよな……

“武器の調達をする余裕もないって事でもある”というのが状況の切羽詰まり方を受けてすごい好きな一言。
つるばみさんから見たら百入さんが武器の調達を可能でもやらない理由、ないもんな……!
とはいえちょっと意地の悪い部分が「ほんとに……?」とか聞き返してきた。百入さんは手元のお金を使い切っちゃう呪いがあるのに調達なんてできるはずが……でき……隠れて調達してたね……
解決しました。

あっ「今のあんたらに売れる情報は無いよ」って情報をくれる情報屋ムーブ!
いつかやってみたかった手癖情報屋ムーブ。誰の心にもいる、怪しいけど義理堅いハードボイルド情報屋ってやつだ。
もちろんtokuninaの心にもいるし大好きだよ!!!
トボけ方がまたハードボイルドに格好いいんですよねえ。
「この動物はアホだから覚えきれない(だから聞かなかった事にしておくよ)」っていうのがたまらない。

彼はさすがに日頃の付き合いとかまで設定を詰めて動かしているキャラではないと思うんだけど、下手したら親子みたいな年の差になるような女の子が仕事で自分みたいなのと付き合ってる、とか、すごい心配だし、できる範囲で手を貸したくもなるよな……
その上で損得勘定では《ヴリトラ》に手を貸すのはどうしようもないアホのする事、ってくらい追い詰められてるから……ヴリトラ……それでも情報をいくらかくれるの、本当にいい取引相手だなあ。
こういうハードボイルドをやらせてロケット商会さんの右に出る人はちょっと浮かばない。
ハードボイルドもやれてこれまた上手い人って言ったら数人浮かぶんですけどね。

“いいネタが一つあるなァ。”
“いますぐ飛べ。後ろにだ。――できるだけ大きく、速くな”。
本当格好いいんだよな……

つるばみさんオープニングの後半は、ここまでも物語に影のちらついてきた要素がとうとう姿を見せるエピソードで、ここだけ4話の物語の中では異色なんですよね。
そのまま置いただけでは、必ずしもこの回でやる必要はないエピソードになってしまう。
雲居さんのエピソードと絡める事で「今この時でなければいけなかったのだ」と繋げてくる。
コインの裏表。関わりのある、おなじものの話。

いつものつるばみさんを知っているだけに!このシーンはなんだか見ていられないのだ。
以前のエンディングでもそうだったけれど、どうにも痛々しくて……
もちろん「だからいい」のと「だからしんどい」は両立するって話だ。

ざわざわと謎をばらまく。
熱くなっている彼女には「わけのわからないことをまくし立てる怨敵」でしかない。
でも確かに重要な話で、つるばみさんも頭の隅に留めている様子なのが味わい深い。
ここまで煮えていても、目の前の復讐だけに飛びつく事はできないのだなあ。何も考えずにとびかかれば勝てるほど強くも、勝てなくても挑みかかれればよいと割り切れるほど無謀でもない。

恐らく、なんだ。
「恐らくイングラムの介入を招く」?
「恐らく正常に使っていない」?
「おそらく失敗する」?
正常に使っていない。確かにそうだ。
正しい使い方と、その過程と、使い手の末路。
全てここまでのオープニングで出ているんじゃないか。
鶴喰湊融は本来扱えない遺産を自分の能力で強引に動かしている。

これらのつるぎは全て、本来は自身の血とつるぎを混ぜて使うものなのだとしたら。
血で操るのではなく別の能力で強引に動かすのは確かに動作保証の対象外だろう。

ところで出てきた謎の事を考えて思考を謎解きに振らないとグゲボーッてなるくらい……追い詰められつるばみさんが痛々しい……!

「同族」。
つるぎの遣い手?
やつはつるぎこそ自分のように語ったし、実際遣い手は添え物の部品扱いだ。違う。
つるぎの方を……“薄墨”を指しているんじゃないか。
となるとこれらのつるぎには意思があるって事で、《スヴェルト》にとってはつるぎの意思だけが同族なのだろう。
だとするとひとつおそろしいことがある。
薄墨は何を考えているんだ。やつはなんなんだ。
口もないつるぎには答えようなんてないのだけ例ど。
答えをはっきりさせようのない問いは謎かけか、そうでなければホラーだろう。
良いもの、あるいは鶴喰さんを気に入ったから手を貸す可能性。スヴェルトのつるぎ同様悪いもの、体を奪い取る機会を探っている。
いずれであれ可能性はある。こわいなあ。

イングラムが花を目で追うの本当になあ……!


あの憎たらしい奥野キリエのオープニング!
ログの目次にないシーン!!!
二重に衝撃でした。
初日の昼はこのシーンまでだったしね……

ところでこのシーンタイトルはいつものオープニングのタイトルとタイトルを揃えていない。
この時になければいけない描写、ここで挿入されなければいけない場面だけど、PCと同列に今回の事件に関わるからオープニングを与えたわけではないと示している。
自慢げに書いておいて「そりゃみんなわかるでしょ」とか「えっそんな事考えてなかったよ???」とか返ってきたら恥ずかしいやつだ。

海底の遺跡……あの場所……海回……

奥野キリエは仲間のことをよく見ている。《マスター・スカイ》の事をよく見ていて、かれの感情によく気付く(もしかしたらかれ以上に!)
《ヴリトラ》が家族なのと鏡写しに、奥野キリエにとっても自分のセルは家族なんだろうな……
だからボスもそう思ってほしい。そうなれたら嬉しい。でもボスにとってはかつての都市の遺産を取り戻すための手段でしかなさそうなんだ……言えたならこの先もっとマシななにかがあったのかもしれないんだけど……グエーッ


気の抜けた建物のカットに、音から始めるのが映画っぽい。

人違いだけど人違いじゃないんだよな……

銃が「そこまでの脅威じゃないけど気を引くくらいはできる」の、この世界での銃を持った人がどれだけの脅威か再確認できて好きだ。
どのプレイヤーも心得ているんだからわざわざ言い直す必要はないと言えばないんだけど、このシリーズを単体で読んでも「えっその程度なんだ」って読めるもんな……
しかしこの程度の脅威でしかない銃って武器を使って作中でも図抜けて強い(PCになれる)って百入さんめちゃくちゃやべーな……!?

えっ英雄王みたいな事をしよってからに!?
両手が開いて走りやすいもんなあ。

普段なら、人通りのない場所に行けば「ここなら周りを巻き込まないからいくらでもやれるぜ」ってやれますものね。
その方が余計な相手にまで切り札を見せずに済む、っていうのも確かだけど、理由はきっとそれだけじゃなくて、余計な被害を出すようなマネを気分良くはやれなさそうなのが椋実さんとただの悪党を分けるところよ……

ログだと相手がいくらか後退するのを待ってから撃ったように見えていて、もしそうならクレバーさに震えてしまう。
《ヴリトラ》がUGNに無用な被害を出して恨みを買ったら全力でぶつかるしかなくなって、「何? お前ら《スヴェルト》じゃない? 知るか」しか返ってこなくなるもんな……

“逃げられなくなったらお前らが全滅する時だぜ”がめちゃくちゃ格好いい啖呵で好きなんですよね。

崩れたブロック塀に倒れた電柱、地味な障害物に思えるけどめちゃくちゃ危険だもんな……

破壊の跡を前に話す追跡部隊。
“増援が来る”に合わせてカメラが切り替わるのが格好いい。
カメラの切り替わるタイミングを意識して作っている感じ。
これは続く椋実さんの台詞もそうで、カメラが自分に戻ってきて少し間を空けるのに“……”を入れている。
ここで間を入れるの、続く場面が動きの少ないシーンになる導入として落ち着けるって意味でもめちゃくちゃ上手くてふるえる

屋根の上から見下ろすミステリアス少女!
しかも変わった子!
異能ものといえばやっぱりライバルは屋上から見下ろさなきゃ!!!

両手でライターを扱いながらにゅっと砲口を向けるの、最高だな……
これだと手が空くので、空いた手を上手く使ってくれるとやっぱり楽しいですね。
もてあましちゃうんだよなー。

「暗殺者」「戦鬼小学生」「誰にも見つけられない」「めっちゃ凄い銃を使うマスターエージェント」ならマスターエージェントが一番外から見た格が上だもんな……当たりだよな……なにせ他のメンバーも強いにしてもマスターエージェントじゃないんですよ、格は落ちますしきっと総経験点も100点くらい違うんでしょうね!(ぼんやりした目で)

コードネームの順番、どちらでも良さそうにも見えるけれど、考えるにつれてこの並び方じゃないとダメなのに気付く。
タメを作って重さに差をつけて言うなら、後に回すのはより重要視している方だ。

ここで弓を構えている描写はない(片手に持っているだけ)のを見て話す構えに入るの、本当クレバーなんだよな……

“わかりました、ごめんなさい”めちゃくちゃかわいくない???
ここで謝っちゃうのほんとにさあ……!
もちろん「これ以上つついて激発されたら困る」みたいな計算もあるんだろうけれど、それにしたって浮世離れした反応で良いですね。

“なら嬉しいなー。お兄さんは超嬉しいが?”の気の抜け加減が好きだ。今回の椋実さんは知性と気の抜けたアホな感じと暴力で飯を食ってる感じのヤバさとハードボイルド格好良さがラインダンスを踊っていて本当格好いいんだよな……

“親衛隊がたどり着いてしまう”といい、言い回しがいちいちひわいなの強いよねって。

“ではギャクナンですね”のよくわかってない感!

「逃走で使用可能になるような兵器など」あるなら言わずに黙って逃げるのでは……???
笑っちゃう。

冗談が冗談にならなさそうな相手には真面目に答えているようで、《ヴリトラ》が、わざわざこの都市で、ちらちらUGNの視界に入りながら、逃走を続けている理由じゃないのが上手い。
個人的な理由としては掛け値無しの本音だし、だから納得も引き出せて、でも肝心な事は話さない。
めちゃくちゃクレバーなやつだ。

“「自由?」「自由が? ......失礼、思わず二度繰り返すほど意外な回答でした」「自由さ!つるみたいヤツとつるみ、やりたいコトをやる。それ以上のことはない。そういうモンだろ?」”
この会話が好きだ。
“物語は結局のところ1種類しかない。——私は何者か”っていうのはよく引用しているスパイダーマンの台詞だけれど、2人が何者かを強く表すことばたち。
自由こそもっとも大切なものだと笑う椋実と自由なんて重すぎると返す甲斐の図がめちゃくちゃ綺麗なんですよね。
どちらも射撃型のダメージディーラーで、武器は違って、在り方は反対で。
だからこの2人なんだなあ。

“重荷に過ぎる”って言い回し、あまり聞かない詩情で好きだ。

ギャクナンの理由の開示、コマの左右で同時に語る感じが好きだ。
ここは映像だとよほどうまく整理しないといけなくなるんだろうなあ。

「単独でマスターエージェントと戦うとか無理」っていうのは冷静でいい判断だと思うんだけどそれはそれとしてお前なーッ!?

やっぱり浮世離れした女の子と軽薄な男の取り合わせはつよい。そこも狙ってきてるな……

この強さ!
このめちゃくちゃ「当たれば人間なんて跡形も残らなさそう」ってレベルの凶悪な矢弾を受けてお互い平然としてる!
むしろ死なない前提でダメージ量を測るのに使うってのが凄い。

ここからの判断がめちゃくちゃクレバーなんだよな……!
理詰めで、確実に、運の紛れ込む余地もなく「これなら間違いなく逃げられる」って算段を立てている。
これこそ《フェザータップ》をマスターエージェントに押し上げた力……#マスターエージェントではない
この判断まで込みで見ると本当に大物で、マスターエージェントじゃないっていうのが何かの冗談にしか聞こえなくなるんだよな……

以前のつづき。
おわりの日の。
なにかの拍子に思い出してしまったら最後、1日調子を崩しそうな記憶……

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