藍谷瑠璃覚え書き
『シナリオクラフト:ダブルクロスを追え!』GM:米ット
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このセッションで藍谷瑠璃っておきらくおねーさんキャラをぶん回してきたんですが、
どういう能力を使っているのかは見せられずに終わってしまいました。
もったいぶっていると出せるようになった頃には筆者が消えたり読者が残っていなかったりキャラが死んでいたりしそうなのでここに残しておきます。
能力はいたってシンプル。
『周囲に散らした砂から高密度の金属塊を生成する』事です。
密度の高さのために自動で金属になります。
「武器を作る」など物体に具体的な形を与えることは彼女にはできません。
仮に作れたとしても、重すぎて彼女には扱えないでしょう。
本来モルフェウス能力を使うのに必要な砂をハヌマーンぱわーで周囲に散らす事で手元以外にも発生させています。
オルクス混じりなら砂を散らすまでもなく手元から離れた場所に生成できること、バロール混じりならそもそも魔眼を作ればもっと高密度の塊が作れる(ブラックホールは密度を上げた果てだったはずだ)ことにより、これらのシンドロームにはコンプレックスを抱いています。
さておき。
密度とは大きさあたりの重さです。高いほど同じ大きさで重くなります。
彼女の作る金属塊は極めて密度が高いです。いくら勢いをつけてぶつかっても、瑠璃の体重程度ではびくともしないほどに。
瑠璃はこの能力を使い、生成した物体が落ちはじめる前の一種だけ足場にして移動しています。
あまりに重い——落下しようとする力が強い——ため、瑠璃がぶつかった程度の力を加えても合わせた力の向きはほとんど変わりません。その結果、落下しはじめるまでのわずかな時間、金属塊はあたかも空中に固定されたかのように振る舞うのです。
足を、あるいは手を引っかけるポイントを自分の少し前に作り、足場にしては消す。
足元に作った時にはジャンプして高度を稼ぎ、手を引っかけた時には少し高度を落として加速する。
これを組み合わせる事で空中での機動を実現しています。
攻撃時には踵に金属塊を生成し、叩きつける事で武器にしています。
重さのあまり脚の筋力でなければまともに扱えず、踵の頑丈さでなければ反動を受け止めきれないため、もっぱらかかと落としを好むようです。
金属塊は基本的に作った瞬間に消していますが、たまに味方の援護のために蹴り飛ばして使う事もあるようです。
この戦闘スタイルは最高速こそ速いですが、弱点も多くあります。
高度調整を繰り返して加速するため加速に時間がかかる事。
肝心の攻撃は「重りを付けて蹴る」だけのため、速度が足りなければそこまで破壊力を得られない事。
相手と距離を保つためには相手の周囲を回るしかなく、味方との連携が取りづらい事(誰が好き好んで味方との衝突事故で死にたいでしょう?)
足場に触れられる時間が極めて短いため、移動方向を変えるには複数のポイントを挟まなければいけない事。
足場は作った瞬間に触れられる位置(自分の現在位置より前)に作らなければいけない都合上、前方に“砂”がなくなれば落下するしかない事。
相手の虚をつけるタイミングを判断するには経験が浅く、とにかく背後を狙いがちな事。
着地までずっと不安定な体勢になる事。
にも関わらず一度体勢を崩したら立て直すのが困難な事(体勢を崩してしまった状態で1秒後に脚がどこを蹴れるか判断できるでしょうか?)などが挙げられます。
そして何より大きな弱点があります。
密度の高すぎる物体は自身の原子構造を維持できず、極めて不安定です。
あまり密度を上げすぎた物体の原子はわずかな衝撃でも簡単に崩れ、少しだけ軽い別の原子に変化します。
一般に知られた言葉に言い換えれば——放射線を放つ、です。
彼女の能力がこの形になったのは捕らえられていた研究所の影響が大きいと考えられますが、彼女はあまり多くを語りません。
研究所はすでに廃墟となりました。
ただひとつわかっているのは、その研究所の目的ができるだけ密度の高い物体を扱えるモルフェウスを作ることだったらしい、という事だけです。
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