掲げた手、伸ばす先は何処

http://dtlog.sodenoshita.com/chatLogs_iamhome4_h.html

“掲げよ、帝国宝珠はその手にあり”——オートアクション『帝国宝珠、バチカル』。

書けることは他にもあった。
そういう事だ。

いつも以上にとりとめがなくて自分語りのようで恥ずかしいけれど、ここまでを喜んでくれた方々がいるので公開することにする。


つるばみさんの侵食率がやべーの、物語的にも自制の手綱を手離しかかってもおかしくない負荷がかかっていて面白い。
じゃあ椋実さんが落ち着いてるのはなんでかって知ってる事が多いからさ!
いや感想を書いてると生還できなくてもそれはそれでって感じの目線になっちゃってるな……よくない……


回想シーン、どう考えても胃に優しくない(優しかったらUGNを抜ける必要もない)

格好いい書き出しはいくつかある。
いくつかtokuninaも抱えている。
自己紹介から始める(吾輩は猫であるとか新井素子スペシャル http://dohx.sakura.ne.jp/kiteword/?p=729 とかだ)、天気から始める、五感に訴えかける、あとは、えーと……
ともあれそういうやつだ。
何の話かって言えばだいたいここまでに出てきているって話で、この書き出しも最高だって話だ。それだけで十分だったな?

この書き出しめちゃくちゃ情報量多くない?
ただ一文でこの後もっと雨が強くなっていくって——もちろんこの後の展開の暗示としても——ねじ込んでくる!
じゃあこの一文を失念して、今の天気が雨だって忘れたらどうなるのか。何の問題もない。雨のことを気にかける余裕もないかれらと同じように読者も雨を気にしなくなるだけだ。激しさを増す雨にも気付けなくなるほどの激情。それに感情移入させられるならたとえ天気がどうであれ関係ないじゃないか。

これ何行進んだんだ。1行じゃないか……?
たったそれだけのテキストにこれだけの文量が……?

ただの一度だけ生成亜綺羅の立ち絵を見る機会に恵まれた。今の時間軸の彼女だ。
不幸をまとめて請け負ったような顔をして、もの言いたげにこちらを睨みつけていた。どんな顔をしたらいいのかわからないとでもいうように。
このときも、きっとそんな顔をしていたのだろう。
あるいは信じられないものを見るような目でもしていたか。

こういうふうに軽く返すひとに憧れて、そういうキャラクターを出力したくてルールブックを買い続けているのだ、実は。
そういうのがやりたくて、できなくて、諦められなくてこうして物語の世界に小指の先だけをひたし続けてきたのだ。
だからやっかみが混じる。
ああもう、いいなあ!

安心したニュアンスを見る。
安心と、ちょっとの非難。連絡ができる状況だったなら知らせてよ、と。
性根が優しい。

これで笑ってくれるのがどれだけ眩しいだろう……

頼ってくれたのが嬉しい。
めちゃくちゃ格好良くて、PCでなければ早々に退場していただろう。
序盤で退場するキャラクターは短い期間で好印象を積み上げねばならない。でなければどうでもいいキャラクターが退場したとしか思われないからだ。
そういう挙動を見せているように見える。
いや、生成亜綺羅を軸とした物語から見れば、そうして退場した後が現在なのか。

生成亜綺羅の語ることはどれも妥当で、だから頼れる相手がいなかったのだなあ……
だから“人徳の差かな”なんて笑ってみせるのが本当になあ!

せめて自分もたたかう、って、決めたところでかれがくる。
決めたところで勝てたかどうか、というのはついて回る事だけど。

ここで「だから3人でやろう」と言えたなら、かれらはきっと今でもチームだったのだろう。誰かがいなくなっていたとしても。

交通機関に記録を残すの、表社会に浸透しているUGNだからできる事って感じですごく良い。
もちろんFHだって浸透しているけれど、こちらへの支援者はあくまで個人だ(少なくとも日本においては)。そうでなければどうしてFHを大っぴらに支援する土地を異常な場所として出したり、FHが覇権を握った世界を特別変わったステージとして出したりできるだろう?

“仕込みが無駄にならなくてよかったわね”って声音が氷のように思えるのが強い。描写せずとも雄弁に語る、というのは本当に難しい。鮮やかにやってのける。
声音くらい描写に乗せたくなるだろうに。

卯花数輝の言う事は間違ってはいない。間違っては。
でも情は。
かれがきりすてたものはどこにゆくのだろう。
だから百入さんはUGNを抜けたのだなあ。
ほんと優しすぎてこんな物騒な業界にいていいひとじゃないよね、としみじみ思う。

“背任してない”といわれて“まだ甘かった”と返す。
めちゃくちゃだと思っていたけれど、そうか、「生成亜綺羅も孤児院も処分なんて必要ないでしょう」「きみはどちらも同じように扱うべきと言うんだな。わかった、ぼくは甘かった。確かに両方とも生かすべきではない」って会話なんだな……
やっぱりめちゃくちゃだけど、わかりはする。
でもやっぱり極端なんだよなー。
その上で、最後に、かれだっていいやつだって示してみせる。鬼か???

迷えないから弱い。
そうねえ……迷って答えにたどり着いたひとだけが強いみたいなところあるよね……

強くなった、って言い聞かせるように言うのが痛々しい。
きっとなにかを見逃した事で後悔がずっとつきまとってきているひとなのだろうと、今はじめて思い至った。
後悔が影からついてきて、その時の自分は弱くて、迷って、だから後悔する事になったんだって、ふとした時に刺されつづけるんだ、そういう記憶って……

血を吐くような叫びと諭すような返し。
なぜかよく見えた影。
もしかしたら止められたのかもしれないって思わせるような。

“そうよ!判断するのはあなた!ロジックじゃない!”
“……ぼくが! ぼくがロジックだ!”
このやりとりが好きだ。
めちゃくちゃ切実に止めようとする言葉と、どうしても止まるわけにはいかない叫び。
どうしても止まれないから無理やり押し込むしかなくなったのが見える。

伏させられた言葉が何か。
もちろんこのエピソードに触れていれば見当がつく。上手い。

今に繋ぐ。
夜が来る。
オーヴァードの時間が。

この全然悪いと思っていない“悪いな?”とか格好いい。
映画っぽい格好良さをちょくちょく置いてきている。映画っぽいというかアメリカンというか、なんというか。

相手がカメラに入ってくるのを待ってから“格上と当たることも”って置くのがめちゃくちゃ上手い。

素直に受けて素直に返すのが上手い。
なんだその「まっすぐ振り下ろすのが上手ければ一文字って剣技になる」みたいな状態は……!

一対一を迷わず“やりたくないなあ!”と返す飄々とした軽さと判断の鋭さ!
本当にやってくれるとは思っていない、わりとこういうの本当にやりたがるタイプのマスタリングばかりしてきたから実は予想の外で、でもめちゃくちゃ納得できてすごいんだよな……三稜鴎は武人じゃなくて暗殺者なんだから当然そりゃ伏兵だって詰めるよな……

“うっかりさせるなよ”、うっかりしたら殺してしまう程度には追い込むぞっていうのが本当になー!
事もなげに言ってのけるのが強さと怖さを両立していて怖い。そういうばけものだとはもう語られてきたけどさ……!

“光を当てないことには意味がない”がこのタイミングなのが完璧にすぎて恐ろしくすらある。
光を当てなければ意味がない。だから当たらないように煙幕を張る。
煙幕に何の意味があるのかわからなければガンパレード・マーチをやろう。SMORKでスキュラとキメラを無力化できるゲーム!

迷わず逃げる。ほんとこの辺の判断の斬れ味いいよなあ。
凄いからもちろん格の高いNPCからも褒めてみせる……

“反撃されたら大人しく死ぬしかない”けど“その時は10秒以内に俺が仇をとる”。
百入さんが攻撃に移ったら確実に殺せるって言ってのける。やれそうなのがめちゃくちゃ怖いんだよなあ。怪物……

““ヤシュト”までを想定してなかったあたしのヘマだ”って、自分一人で何でも想定していなければいけないような事を考える。
“自分一人で何でも出来るなんて、思い上がらないで!”なんて言い放った回想の直後に。
追い込まれてるなあ(しみじみ)


おまけ。
これはログとも感想とも関係のない私事だけれど、ヤヒロギンジさんに「とくになさんもダブルクロスやろうよ」と言われちゃったのでエフェクトアーカイブを買ってしまった。
これまでダブルクロスを遊んだのは実は対立型だった一度きりで、卓に潜り込むことももうあるまいと思っていたのに。上級を買ったのもちょっと後悔していたのに!
あのリプライがなければ確実に「エフェクトアーカイブ持ってないから」を断り文句にしていたはずだ。
あとゴブスレ卓でGMをしたお礼って事なら、成長したデータぶつけてくれれば懐からゴブスレのシナリオ出してくるよ!
GM「楽しかったからまたやりたいね」が一番嬉しいからね……

さておき、エフェクトアーカイブを買った直後にぶち当たったこのツイート。こっ個体認識! もしかして死ぬのでは???

https://twitter.com/rocket_shoukai/status/1194279069359099904?s=20

とりあえずまだ死んではいない……

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?