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「ちえ」⑱「A子②」
「ちえ」にA子から告白されたことを報告してスッキリしたのですが⋯。
また、A子から何回も電話がかかってきました。
そして、とうとうA子とドライブすることになってしまいました。
「ちえ」には内緒にです。
そして、初めてのドライブでキスをしてしまいました⋯。
A子にとっては、初めての経験だったようです。
それからも何回か、ドライブに行き、とうとうラブホでHまでしてしまいました。
A子にとっては初体験でした。
性欲に負けて、「ちえ」を裏切ってしまった⋯。
高校の時から憧れていた「ちえ」と付き合っているのに、他の女の子とHする⋯。
考えられないことでした。
とにかく「ちえ」にだけは、このことを知られたくありませんでした。
ラブホで、何回かHした後に、猛烈な罪悪感に襲われました。
「勝手な言い分かもしれないけど、もう会わない方が良いと思う」とA子に話しました。
A子は、拒否しましたが、「Hしてから言うのもズルいと思うけどさあ⋯」
「俺、やっぱり彼女のことが好きなんだよな⋯」
「これ以上付き合ってもA子ちゃんのこと好きになれそうにもないし⋯」
「二股でも良いって言ってたけど、二股かけて彼女をとるよ。ゴメンね」
「私の気持ちは変わりませんから」
「もう電話もしませんが、Tさんが好きなのには変わりありませんから⋯」
「ゴメンね。初めから、ちゃんと断れば良かったんだよな」
「全部、俺の責任だよ。責任とれって言われても困るけどね⋯」
「もう、アパートにも来ない方が良いよ。来ても、俺、玄関開けないから」
「分かりました。でも、Tさんのこと好きなのには変わりありませんから、Tさんが彼女と別れるまで待ってます」
それから、A子から連絡が来ることはありませんでした。
市役所の廊下で、すれ違ったりするとA子の顔を見ることができず、うつむいたまますれ違っていまし。
そのうちに、A子が私のことを好きだと言っているという噂が広まってしまいました。
後輩からも「Tさんモテますね」「Tさん彼女いますよね?」などと言われてしまいました。
とにかく、市役所内の噂はともかく「ちえ」には、絶対に知られては、まずいと思っていました。
A子と別れるといった次の土曜日に、「ちえ」をいつも通りに迎えに行きました。
車の中で「トクちゃん、どうした?なんか元気ないみたいだけど」
「うん?そっかあ?別になんにもないけどな」
「昨日、バスケの練習の後に、みんなでボーリング行って帰ってきたのが遅かったからかな⋯」
「ああ、眠いわ⋯」
「じゃあ、今日も、トクちゃんのアパートで良いよ」
「うん、そうするか⋯」
「この間、渡したアパートの鍵って持ってる?」
「うん、いつも、このポシェットに入れてるよ」
「ホント、いつでも使って良いからな」
「うん、トクちゃんが居ない間に夕食とか作ってあげようかなあ⋯」
「ホント?そうしてくれると超嬉しいんだけど」
なんとかA子と関係は、バレることなく終わらせることができました。
つづく
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