「なな」⑫「海水浴」
今回も「なな」との思い出シリーズを書いてみたいと思います。
何度も繰り返しますが、これは私の夢の中でのお話だと思って読んで頂けると幸いです。
「なな」と海水浴に行ったことが一度だけあります。
春や秋、それに冬などのシーズンオフには、よく海を見に行ったのですが、海水浴に行ったのは一度きりでした。
それは「なな」が自分の水着姿を見せるのを極端に嫌ったからです。
「俺は、「なな」の水着どころか、もっと凄いものを見てるのになぁ」と冗談で言ったりもしていました。
とにかく、このたった一度の海水浴ですが、少し遅めに海水浴場に着いたので、駐車場がどこもいっぱいで車を置くところがありません。
離れた場所ならば、少し空いていた所もあったのですが、それでも駐車料金は1,000円です。
もったいないなぁと、思いながら、車を走らせていると空き地がありました。
そこには車は一台も置いてありません。
駐車場代を取る人もいません。
バイクが数台置いてあるだけです。
しめた!と思って、そこに車を停めたのですが・・・。
これがいけませんでした。
理由は後で書きますね。
さて、海水浴場で「なな」の手作りのサンドイッチを食べながら、持って来たラジカセでCDを聞いていました。
「なな」は水着の上にTシャツを着ていました。
海の中に入るのも嫌うので、ボートや浮き輪も一切借りませんでした。
借りたのはパラソルだけです。
砂の上にビニールシートを敷き、パラソルを立てて「なな」の膝枕でCDを聞く。
それだけで南国のパラダイスに来たようでした。
さて、問題は帰りに起こりました。
車を停めた空き地行くと・・・。
なんと私の車がありません・・・。
あれ?場所を間違えたかな。
そう思って周りを何度も見たのですが、やっぱり車を停めた空き地です。
ひょっとして車盗まれた・・・。
愕然としました。
「なな」も心配顔です。
少し、周りの空き地や駐車場を探してみたら、なんと100m近く離れた場所に私の車が置いてありました。
どこにも傷がついていないのを確認してホッとしました。
どうやら私の停めた空き地は、暴走族専用の駐車場だったようです。
だから地元の人は、誰もそこに車を停めていなかったのです。
それでよくも傷一つつけずに返してくれたものだと思います。
私が、運転席と助手席の窓を10cmくらい開けておいたので、そこから手を入れてサイドブレーキのロックを外して車を移動させたようです。
何はともあれ、車も「なな」も、そして自分も無事に帰って来れて良かったです。
心残りは一つだけ、「なな」の水着姿が見れなかったことだけでした。
つづく