もう一つのラブストーリー⑬「同級会」
「ちえ」と付き合い初めて一年後に、また、同級会がありました。
「「ちえ」付き合ってること内緒にしような」
「なんで内緒にするの?」
「だってクラスの男子の半分は「ちえ」のことが好きだったんだぞ」
「俺が「ちえ」と付き合ってること知ったら、俺、みんなに恨まれるもん」
「ふ~ん、分かった」
「私は、お酒飲まないから車で行くけどトクちゃん乗ってく?」
「うん、でも別々にお店に入るぞ」
いよいよ、同級会が始まりました。
席は自由だったので、それぞれ仲が良かった人同士で並んで座りました。
三年時の担任の先生も出席していました。
しばらくすると、クラスのおしゃべりの女子が
「みんな聞いて~。「ちえ」が、この中に付き合ってる男子がいるんだって」と大声で言いました。
「えっ、誰だ?」男子みんなザワザワし始めました。
「その人は⋯。なんとT君なんだって~」
一同「え~」
「なんだよ内緒にしようって言ったのに⋯」(心の声)
「ちえ」を見ると真っ赤になって俯いていました。
「なんで、Tなんだ?」
「お前、いつの間に口説いたんだよ」
「この前の同級会の後だよ」
「お前、なかなかやるなあ」
「ねえ、みんなクラスのマドンナだった「ちえ」が、なんでT君と付き合ってるか聞きたいよね?」
一同「うん、聞きたい、聞きたい」
「「ちえ」言いなさいよ」
「トクちゃん優しいから⋯」
「ちえ」が真っ赤な顔で言いました。
「へえ~。トクちゃんっ呼んでんだあ」
すると私の隣にいたKが「Tってモテるんだよな、バスケ部の女の子にも告白されてんだよな」
「バカ!それは内緒だ」
「ちえ」の方を見ると⋯。
「トクちゃん!私そんなこと聞いてないよ!」
「だから、それは⋯」
「お前がよけいなこと言うから」
「後でちゃんと言うよ」
「ハハハ、お前、もう尻に敷かれてんじゃん」
「でも、〇〇さんなら俺も尻に敷かれたいなあ」と一人が言うと、一同、大爆笑でした。
それからも初デートは、どこに行ったのかとか、初キスはいつだったのかとか根掘り葉掘り聞かれました。
「お前ら、それは結婚式の新郎新婦に聞くことだろう」と私が言うと。
「お前ら結婚するの?」
担任の先生も「お前ら結婚式には、俺も呼べよな」と茶化してきました。
「もう、先生までやめてくださいよ~」
「分かった、分かった。みんなもその位にしといてやれ」
同級会が終わった後に「ちえ」に「付き合ってることは内緒にしょって言ったじゃん」と言うと。
「だって、みんな彼氏の自慢話しとかしてるからさあ。私も彼氏いるんだあって言っちゃったの⋯」
「まあ良いや、もう、隠す必要もなくなったからな」
「クラスの半分の男子は、敵に回したけどな(笑)」
「今日どうする?」
「うん、お母さんには、友達の家に泊まるかもって言ってきたんだあ」
「じゃあ泊まってくよな?」
「うん」
「「ちえ」内緒にしなかった罰としてHいっぱいしちゃうぞう~」
「あ、トクちゃん!バスケ部の女の子に告白されてるってどういうことなの?」
「アパートに着いたらちゃんと話すよ」
つづく