「なな」⑲「初プレゼント」
今回のお話も夢の中のお話しだと思って読んで頂けると幸いです。
私が「なな」から初プレゼントをもらったのは、私の誕生日でした。
事前に「誕生日のプレゼントは何がいい?」と聞かれていました。
私は「ファミコンかゲームボーイが欲しいなぁ。」
「うーん。悩むけどゲームボーイにしておくよ」と「「なな」に言いました。」
そして誕生日の当日です。
平日だったので、アパートで「なな」が来るのを待っていました。
そこに「なな」がゲームボーイを持ってやって来ました。
実は、「なな」にはゲームボーイが良いなんていっておきながら、ファミコンの方が良いなと、思い始めていました。
「なな」は、早くプレゼント開けてと言います。
「あのさぁ。俺さぁ。なんかファミコンのほうが良くなっちゃったんだよな・・・」
「ふ~ん。そんならゲームボーイはいらないのね」そう言って「なな」は、ゲームボーイを持ってアパートを出ていきました。
その表情は、怒っているでもなし、呆れているでもなしと感じられましたが。
「やっちまった」
初めての誕生日プレゼントで希望する物を買って行ったのに、それをいらないと言われる。
これ程ショックなことがあるでしょうか。
「これで「なな」と別れることになったらどうしよう・・・」
今のように、スマホもLINEもない時代です。
「なな」に連絡する手段がありません。
すると一時間ほどして「なな」が戻って来ました。
手には、なんとファミコンを持っています。
「ゲームボーイの領収書持ってたから、ファミコンに替えてきたよ~」
そこには笑顔しかありませんでした。
怒られて、責められても仕方ない状況でも、「なな」の屈託のない笑顔は変わりありませんでした。
私は救われる思いがしました。
この癒される笑顔と、ものにこだわらない性格が「なな」の魅力の一つでもあります。
つづく