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「なな」⑮「花火大会」
今回は、「なな」と見に行った花火大会のことを書いてみたいと思います。
これは笑い話なんですが。
あくまでも、私の夢の中のお話ですから、それを前提に読んで頂けると幸いです。
私達の住む隣町で、夏の花火大会がありました。
コロナなんてない時代ですから、毎年大勢の人が集まりました。
確か、3千発は上がったと思います。
花火大会に誘ってきたのは「なな」の方でした。
私も、その頃は「お祭り小僧」だったので、どこそこでお祭りがあると聞くと、じっとしていられない性格でした。
なんでも「なな」の職場の先輩の家が、花火の打ち上げに近い所にあり、車を置かせてくれるとこのこと。
打ち上げは午後の7時15分からです。
余裕を持って、6時にはアパートを出たのですが・・・。
いつまでたっても職場の先輩の家に着きません。
何も道路が渋滞していたわけではありません。
そうです。
「なな」はとんでもない方向音痴だっのです。
どこに行くにも、いったんある場所まで行かないと目的地にたどり着けないほどの方向音痴でした。
それを分かっていながら、ナビを頼んだことと、出発時間をもっと早めるべきでした。
「この道をあっち行って。違うなあ?じゃあ、今度は、こっち行ってみて」
そんなことの繰り返しです。
花火大会はとっくに始まっています。
「それじゃあ一旦、駅まで戻ろうか」
あまりの方向音痴に、私がそう言うと「そうだね。その方が分かるかも」
「分かるかもかよ・・・。分かるって言って欲しいよ
・・・」
そんなことをブツブツ言いながら駅まで戻りました。
そこから再スタートです。
でも、また、同じことの繰り返しでした。
やっとの思いで職場の先輩の家にたどり着いたのが午後の8時半でした。
ドカ~ンと最後の一発が上がったのと、車を降りるのがほとんど同時でした。
普段は気が短い私でしたが、この時は、もう笑うより他はありませんでした。
「なな」は私の横でしょんぼりと小さくなっていました。
つづく
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