映画『海獣の子供』を見た感想

3日前くらいに『海獣の子供』を見た。正直咀嚼できたとは言いづらいので2回目見てから何か感想を書こうと思ったのだけど、初見の感想を残しておいてもいいかなぁと思ったので書くことにする。

この映画はメタファー豊富で非常に好きな部類。メタファー多めでいろいろ考える余地があるけど、現状よくわかってない。なんか空くんと海くんが実際の空と海のメタファーでなんか壮大な生命の話だったのかなぁという印象しかない。

メタファー以外にもこの作品は空気感が素晴らしいと思う。最初に足を引っかけられて肘をぶつけ返すというくだりも、学校特有の陰湿さとか空気感が出ててなんかリアルで好き。

あと、この作品は背景とか雰囲気作りが非常にうまいと思う。ふと虫が出てくるシーンとか、臨場感を感じさせられるカットが多い。そういう夏の雰囲気を味わえるだけでも十分良い作品なんじゃないかと思う。

肝心のメタファー部分に関してはほぼわからなかった。ただ歯が少ないおばあさんが途中で「宇宙は1つの生命体、海のある星は子宮、隕石は精子、受精の祭り」ということを言ってて、「そこ説明しちゃうのかよ!」と思った。まぁ全体的に謎が多いので説明入れたくなるのもわからんでもないけど、ここまでメタファーバンバン入れてくるならいっそ全く解説なしの方が映画的にはいいんじゃないかなぁとも思う。

光ってるものは見つけてほしいから光っているというくだりも結構あるので説明過多な印象。変なところで説明過多で、それ以外説明不足な気がしてなんかアンバランスな感じがする。

ただやはり映画としてみたときに好きにならざるを得ない。雰囲気素晴らしいし、最後の「あとは考えてくださいね」と言わんばかりの投げっぷりは考察映画としては最高なんじゃないかと思う。

あと、海くんと空くんの体が科学では解明できないみたいなこと言ってたシーンがなんか科学哲学を彷彿とさせてきて個人的には好き。自分が科学哲学好きだから若干読みとりすぎなのかもしれないけど。

とにかくよくわからなかったけど好きな映画には違いないのでもう一回は見ると思う。その時に何か読み取れたものがあればまた記事を書くかもしれない。

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