アニメ『マリア様がみてる』の1期を久々に見た感想
『マリア様がみてる』の1期を久々に見たのでその感想を書いていこうと思う。
もう何年前になるだろうか?『マリア様がみてる』を観たのはそれすら覚えていないほど前である。流石にリアルタイムでは見ていなかったので2004年よりは後ではあるが、2010年よりは前だったような気がする。当時はレンタルDVDショップで借りて見たわけだが、その行きつけのDVD店も今では潰れてしまった。遠き日の思い出である。
そんな外部的な想い出は色濃くあるが、正直『マリア様がみてる』の本編の内容はあまり覚えていなかった。せいぜい覚えていたのは上級生と下級生がそれぞれ姉妹として契りを結ぶというシステムがあるということだけである(あとは「タイがまがっていてよ」くらいだろうか)。
実際に本編を見た感想としては「記憶よりも面白い」という一言に尽きる。明らかに当時見た時よりも楽しめている気がする。当時は話の流れを追っていただけであまり個々人の心理に立ち入って鑑賞できていなかった気がする。そこまでわかりにくい描写のあるシーンではないけど、それでも味わえていなかったという感じがする。改めて見てその良さを存分に味わい尽くせたという感じがして非常に楽しめた。
何よりロサ・ギガンティアが良い。佐藤聖様最高。お調子者という雰囲気を醸し出しているが普通に相談に乗ってくれるしとてもやさしい。当時はなかった言葉だと思うが、今でいうスパダリである(BL用語らしいが調べたらGLでも使うらしいのでおそらく用法はあっていると思われる)。
基本的には姉妹同士の絡みが王道のカップリングという描き方がなされるが、祐巳×聖はちょっと怪しい浮気っぽい雰囲気が醸し出される。それがまた良い味を出していると思う。シャニマスで言えば透×真乃的なアレである。
そして祐己の姉の祥子がちょっとヒステリック気味なのが良いと思う。祥子には急に怒り出したり嫉妬深かったりする面があるのだが、その不安定な部分がむしろ魅力的でキャラが立っているように思う。面倒くさいからこそ思いやりもあるように感じられるというか生々しさが増しているように思える。
個人的に好きな話は9話だ。この回では7~8話で描かれたバレンタインデーイベントで謎だった部分がすべて明かされるという内容となっている。1人の濃いモブキャラが幼少期から持っている祥子への想いをいきなり語り始めるという厄介ファンのような心情がとても良かった。正直この回は今だからこそ刺さるという人もいると思う。当時よりも今の方が共感できるんじゃないだろうか。1期全体としてももう一度見たいが、この回は特に見返したい回である。
正直1期の部分だけでも今まで観てきたアニメの中で上位の面白さだった。上の方にも書いたように過去に見た時はここまで評価していなかった。この評価の変わりようは自分でも驚いている。もしかすると今まで見てきて「面白いけど言うほどではないかも」という評価をつけていた作品でも見返してみるとめちゃくちゃ面白いのかもしれない。今回『マリア様がみてる』を見たことで過去の自分は意外に信用できないものと思わされた(ある意味それが今回の一番の収穫かもしれない)。