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オンラインで「吉祥寺かるた」やってみた!

【1】 『吉祥寺かるたをオンラインで遊ぶにはどうしたらいいかを遊びながら考える会 オンライン』開催

昨年末に発売した、吉祥寺のご当地かるた『吉祥かるた』。おかげさまで売上も好調で、リアルなイベントを吉祥寺の大型商業ビルで継続的に開催していこう、なんて話も成立しかけていたところに、このコロナショック。いろんな計画も変更を余儀なくされてしまいました。

でも、吉祥寺に行きたくても行けない、みんなに会いたくても会えない、こんなときだからこそ。かるたをつくった最初の想い「みんなの好きな吉祥寺を、みんなでかるたにして遊びたい!」を実現しないでどうするのか。

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というわけで、開催しました!題して、『吉祥寺かるたをオンラインで遊ぶにはどうしたらいいかを遊びながら考える会 オンライン』

【告知】本日6日(水)19:30〜21:00、『吉祥寺かるたをオンラインで遊ぶにはどうしたらいいかを遊びながら考える会 オンライン』(ながっ!)というイベントを開催させていただきます!
昨年末制作した『吉祥寺かるた』をかるたを使って、《オンラインでのかるたの遊び方》をみんなで遊びながら考えてみよう!という会です。「オンラインでかるた遊びをする」という前代未聞、前人未到のチャレンジです。オンラインでできること、できないこと、オンラインだからこそ楽しいこと。そんなヒントが見つかればいいなと思っております!(注意/プレイヤーとして参加するには、お手元に「吉祥寺かるた」が必要です)

「面白そう!やってみたい!」
「もっとこうしたら面白いのでは?」
「いやいや、オンラインでかるたとか無理でしょ」
「吉祥寺の話を楽しみたい!」
そんな方、ぜひご参加ください!

こんな感じでFacebookで呼びかけたところ、僕とクラウドボックスのメンバー1名を含む、8組(ご家族あわせると13名くらい)の方が集まってくださいました!GW最終日の夜という貴重なお時間に、中には「かるたは持っていないけど、前代未聞、前人未到の現場に立ち会いたい」とおっしゃって参加してくれた方や「この日をずっと楽しみにしてた!」とやる気満々のこどもたちも!

なんかすでにうれしい!吉祥寺に集まれない日々でも、かるたによって「吉祥寺愛」が集まってくるのを感じます。

(※注:この募集をかけた時点では前代未聞だったかと思うのですが、記事執筆時点(5/16)では、ご当地かるたの頂点とも言える群馬「上毛かるた」の方も、オンラインでかるたチャレンジをされています。その様子はYouTubeでご覧いただけます)

【2】 「吉祥寺かるたオンライン」暫定ルールでやってみる

ルールは、天才おもちゃクリエイターである高橋晋平くんにも手伝ってもらい、とりあえず下記のような基本ラインを定めました。これをベースに、遊びながら最適化していこうというわけです。

1:参加者はそれぞれ手元に「吉祥寺かるた」をひと組持つ。(前提)
2:読み手が読み札を読み、プレイヤーは取り札(絵札)を探す。
3:プレイヤーは見つけた取り札を、自分のカメラの前に「はい!」と声をかけながら差し出す。1番早かった人に1ポイント。
4:審判が、1番早かった人を判定。声だけの場合、カメラに札が写っていない場合はポイントとならない。カメラにある程度の近さで札を差し出すこと。
5:誰かが取ったら、他のプレイヤーは、取られた札を捨札置き場にトラッシュする。
6:札は46枚すべて使う。並べ方は自由(手に持ってもいいし、床に並べてもいいし、PCのディスプレイに立てかけるとかもOK)。

読み手をしてくれたのは、吉祥寺在住の芸人おかゆ太郎さん。お正月に吉祥寺コピスで開催されたかるた大会でも読み手をしてくれた人です。審判は「吉テレ」のかじゆりさん。そしてプレイヤーには、吉祥寺の学びを発信するBeYondLaboの二川さんファミリーや、「問いを”TOY"にするトイデザイナー」の山内さんファミリーなど。「吉祥寺で遊ぶ」を試すメンツとしては、実に豪華な顔ぶれです。

ーーさてさて。では、とりあえずやってみましょう!

「読みま〜す。将軍様の〜お茶の水〜」
「はいっっ!!」
「ええっはや〜い!」
「山内さん家族1ポイント!」
「やったー!」

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……あれ?

……これ、普通に楽しい……かも?

【3】 やるうちにだんだんわかってきたことメモ

一人の読み手がかるたを読んで、他のみんなが手元にある札を探して取る。このシンプルな構造は、オンラインでも全く変わりません。読み手の人が「読みます」と声をかけると、それぞれが画面の前で沈黙し、集中。

この感じは、オンラインセミナーやZOOM飲みにはない、明らかに「かるた」のそれです。一方、やり進めるうちに色々と「リアルかるた」との違いもわかってきます。

・「お手つき」のルールはどうするか? うっかり違う札に触ってしまってもカメラの前に差し出さない限り「お手つき」にはならないので、「お手つき」は非常に出にくい。
・ZOOMの特性上、最初の一音が聞こえにくい時がある? 回線状況にも聞きやすさが左右される?
・デスクでZOOMに参加していると46枚は並べきれない。カメラの前に広いスペースがあるほうがよい。
・コード付きのイヤホンだとコードがじゃまになって動きが制限される。ワイヤレス、またはスピーカーがいい。
・札をカメラに見せる早さを競うので、普段競技かるたをやってるような「札を払う」ことに慣れちゃってる人には若干戸惑いも…
・同時に札を差し出した場合、よりカメラの前に素早く大きく出したほうが審判にはアピールできる。

などなど。そして徐々に試合が熱くなってくると、勝利のための新しいアイディアも生まれてきます。

「これ、最初にヤマ張って手に10枚くらい持ってたほうが早いんじゃない?」とか、
「小型のウェブカメラ使って、札を取るんじゃなくてカメラをの方を札に近づけたほうが早いんじゃない?」とか。

気がつけば、予想以上に夢中になって、一枚ごとに喜びや悔しさが大きくなっていくのを感じます。

「おっしゃーーーっ!(画面にガッツポーズ)」
「イエーーイ!(家族でハイタッチ)」

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こんなに素直に大声出したの何ヶ月ぶりだろう……そんな声も聞かれました。

【4】 枚数を減らしたバリエーションルールでもやってみる

第一回戦の勝者が決まったところで、今度はちょっとルールを変えてやってみました。

基本的なルール(1)〜(5)は一緒。でも、並べる札の数を15枚に限定し、一枚取ったら一枚補充するというルールです。常に目の前にあるのはランダムな15枚。つまり、読まれた札が目の前になければ、取ることができないので、「運ゲー」要素が大きくなってきます。
そしてもうひとつ、46枚全部を読まずに、誰かが7ポイントを先取したら勝利、というルールにしました。

また、第一回戦を見ていて「かるたが画面に写っていたほうが臨場感があって面白い」という意見も出たので、今度はみんなの手札15枚がカメラに写るようにしました。画面上に札が並ぶことで、ぐっと「かるたをやってる雰囲気」が出てきます。

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このルールでやってみて、まず良かったところは、「運」の要素が大きくなることで、小さい子や初めて「吉祥寺かるた」をやる人でもポイントを獲得できるチャンスが広がること。あと、「狭い場所」「短い時間」でもそれなりに楽しめるところでしょうか。

デメリットは、逆に「運」要素が入ることで、読まれた札が自分の並べた札になかったときの「え〜その札な〜〜い」という「がっかり感」が募ってしまうところです。これは結構大きなマイナスだと感じました。やっぱりかるたは、ある程度緊張感が持続していてこそ楽しいのだという気付きがありました。

【5】ちょっと「かるた」じゃないルールでも遊んでみる

ひとしきり「かるた」で遊んだところで、山内さん家族から提案がありました。

「うちの子たち、めっちゃこのかるた好きなんで、絵札を見て読み札を言えるか、紙に書いて当て合う「逆かるた」みたいなのやってみませんか」

これは《僕たち吉祥寺かるた大好き!たぶん全部言えると思う!》と思ったからこそ生まれた提案に違いありません。うれしい!でも、ほかのライトユーザーたちには難易度高すぎ?とも思われたので、ルールを
・ぴったり当てられた人に1ポイント
・わからない人は、その絵柄と頭文字をヒントに「自分なりの吉祥寺かるた」を即興で考えて書く。面白かったら1ポイント
というかたちでやってみました。

早い話、絵札がお題の、かるた大喜利」です。

これならかるたを持っていない人や、今日初めて「吉祥寺かるた」を見る人でも、「ちょっと吉祥寺を知ってる人」ならば誰でも参加することができます。

たとえばこの札。

さ

もとの読み札は「サンロード 猛ダッシュすれば 60秒」というもの。

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大正解の人も惜しい人もいる。「サムエル・L・ジャクソン」とか「サンコンさん」とかも出てきた(笑)!続いて、

ぬ

「ぬらっ、と ででん、と オオサンショウウオ」という札(井の頭自然文化園 水生物園にはオオサンショウウオがいるのです)。これには

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「ぬりかべ」とか「ぬらりひょん」とか、妖怪たくさん出てきた(笑)!

かるたの緊張感から一転、なごやかなムードに。そして、一枚ごとに「吉祥寺の話題」に笑顔が咲きます。うん、これはこれで悪くない!

【6】吉祥寺かるたでつくる吉祥寺ストーリー

そうこうする内に時は過ぎ、夜も更けて参りました。そろそろお開きに……と思ったところで、また山内さんからアイディアが!

「吉祥寺かるたって、ネコとか繰り返し出てくるキャラクターがいるじゃないですか。これ使って4コマストーリーつくるとかどうですかね?たとえば……」

ひ

《ネコちゃんが迷子になりました》

ん

《なかなかおうちが見つかりません》

せ

《見つかりますように、とお祈りしたら…》

ほ

《みんなのところに帰ってこれました!》

……って。山内さん、天才かっ!!

次回のイベントでは、グループにわかれて【吉祥寺かるたでつくる吉祥寺ストーリー】ワークショップやりましょう!!なんて話になりました。

【7】「吉祥寺かるたオンライン」まとめ

オンラインで「吉祥寺かるた」をやってみて。感想をひと言で言うなら、【オンラインでかるた、結構イケる!】でした。

やっぱり何より、「日本人なら老若男女誰でもルールを知っている遊び」という、この事実は何ものにも替えがたい。「かるた」自体が「骨太でシンプル」だからこそ、オンラインだろうがオフラインだろうが、そこに描かれているのがどんなニッチな世界だろうが、普遍的に楽しめるんだと思いました。

もうひとつの発見は、「オンラインでも身体性のある遊びはできる」し、それは結構楽しくて盛り上がる、ということ。
ZOOM飲み会の物足りなさの一因に「身振り手振りが映らない四角い枠の中だけでのコミュニケーション」という制約があると思うんですが、「かるた」を媒介とすることで、カメラの前を広く取って札を並べ、カメラに向かってスライディングしちゃうような遊びが、すんなりできちゃいました。そして、身体を使って遊ぶことによって、オンラインの閉塞感が薄まって場の共有感が増し、心も開放感を感じられることを体感しました。これは、これからのアフターコロナとかWITHコロナと呼ばれる時代の、エンタメのヒントにつながっているかもしれません。

最後に、振り返ったメモをまとめておきます。

・オンラインでも、かるたは楽しい
・ルールはシンプルな方がいい(普通のかるたのルール最強)
・お手つきルールはあまり意味がない(判定しようがない)
・イヤホンはワイヤレスがいい(動きが制限される)
・札はカメラに写っていたほうがいい(臨場感が増す)
・審判役大事(判定用の、名前を書いた札とかあるとさらによい)
・勝利のテクニックはまだ未知の可能性がありそう(札の並べ方とか)
・プレイヤーは6人位が限界か(一画面で同時に把握できる人数)
・ZOOMでも、身体性のある遊びは可能(場の共有感増す)
・みんなで吉祥寺の話をするの楽しい!(今度はもっと吉祥寺トークに寄せたイベントもやってみたい)

というわけで。長くなりましたが…… 

あー、楽しかった!

【追記】

この記事のタイトルで使っている写真で、僕が着ているTシャツについてお問い合わせいただきました。これは、3月に開催が予定されていた「KING OF JMK(上毛かるた)」という大会に出場するために会社のメンバーと一緒にユニフォームとして作った限定品(4種類各1枚ずつ制作)ですので、今のところどこでも販売はしておりません。

でも、もしほしいと言ってくれる人がいるなら作ってみようかな……?(^_^;)


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