Save The Catの逆襲の翻訳がおかしいので検証してみました
💬本書は今日現在、新品はもう売っていません。Kindleにもありません。私は中古で買いました。画像が欲しかったので商品にリンクしていますが、かなりの割高ですのでご注意ください。私は今回、検証のため英語版もKindleで買うことになりました。
本書40ページにある、ダイ・ハードのログラインの翻訳と、強化型テンプレートの翻訳が誤訳ではないかと疑問を持ったので、原文と比較して検証しています。こちらの記事は音声とともに見て頂く用になります。詳細は以下の音声をお聴き下さい。
ダイ・ハードのお手本ログライン(翻訳)
ダイ・ハードのお手本ログライン(英文)
※改行できなかったので、問題の文章のところを太字にしました
ログラインのテンプレート(翻訳)
ログラインのテンプレート(英文)
映画の内容を知っている私が訳してみました
結論
なぜブレイク・スナイダーはテンプレート通りに書かなかったのか。それはこの映画の「すべてを失って」というビートでは、主人公が一番守らなければならない「妻の身の安全」が失われないからだ思います。
この映画の各ビートは以下のようになっていて、この順番で進みます。
・ミッドポイント(1時間頃)
主人公がテロリストを愚弄するシーン。イピカイエという名台詞
・すべてを失って(1時間37分頃)
起爆装置をテロリストに取り返されてしまう
・第2ターニングポイント(1時間50分頃)
妻が人質であることがテロリストにバレる
本来ならテンプレート通りに「すべてを失って」というビートで主人公がすべてを失うのが理想の展開と思われます。でもこの映画では、1番大事なものが失われる(妻の身元がバレる)のが第2ターニングポイントと少し遅い。だから著者は、テンプレート通りに穴埋めしなかったのではないでしょうか。
とはいえ、妻の身元がバレて彼女に危険が及ぶことは、主人公にとって1番避けたいことに違いありません。死守すべきことです。彼女を失うことはすべてを失うことです。ですからお手本では、「すべてを失う」の穴埋めとして機能しているのだと推測しました。
つまりテンプレに素直に穴埋めするなら、「妻が身バレする前に」と書いて良いのだと思います。この部分の穴埋めに関しては、「すべてを失って」というビートに起こることそのものより、主人公が死守すべきものや、絶対に奪われてはならないもの、といった事柄が入ると思ったほうがよさそうです。
私はまだこの本を40ページまでしか読めていません。今後読むうちに認識が変わるかもしれません。もし認識変更がありましたら、追記します。