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抗生物質のマイナス点だけでなく「飲まなかった場合のリスク」もきちんと説明すべき

記事の見出し画像はみんなのフォトギャラリーから薬の画像を使用させていただきました。

わりと有名な医師が先日youtube動画で「抗生物質を飲むと腸内細菌がかなり死んでしまう」みたいな内容の説明をしていた。
この医師に限らず、最近は抗生物質のマイナス点を紹介する医師や薬剤師も多い。

ちなみにその医師は一応動画内では「抗生物質は必要な時はきちんと飲むべき」とも言っていたが、動画の後半では「抗生物質には化膿を予防する効果は無い」というまだエビデンスが確定していない事をさも本当のように言ってしまっていた。
短い動画の中で「抗生物質は必要な時は飲むべき」と「抗生物質には効果は無い」の矛盾した事を言っているのに本人は気づいていないよう。

このせいで本来必要な時でさえ抗生物質を飲まないという選択をしてしまう人達が多く出てしまうだろう。

<手術した後に抗生物質を飲まないと自分がひどい目にあってしまう>

外科的処置を受けた後に抗生物質を飲まないと、手術した箇所が感染などを起こして腸内環境悪化よりもっとひどい目に遭う場合があるというのは知っておくべき。
「腸内環境悪化」と「術部の化膿などにより受ける致命的な事態」のどちらを天秤にかけるのか、という話だ。

まともな抗生物質が無かった時代は、手術の衛生環境が今より悪かった事もあわさって外科的手術をした後に感染症にかかって術部がきちんと治癒しなかったり、手足などの手術では化膿を引き起こし、それが悪化して手足や指を失ったり、場合により死亡するという事がかなり起きてしまっていた。

今は手術後に抗生物質を投与する事で感染症リスクはゼロではないもののかなり抑えられるようになり、術後の化膿や感染症により体の一部を失う人や死亡する人をずいぶん減らせるようになったというのがある。

この医師は日頃から現代人がいかに身体に悪い食事をしているかの啓蒙をしていて、その点では大いに評価できる。
しかし抗生物質についてはそのマイナス点だけでなくきちんとプラスの点も説明して最終的な判断は視聴者にまかせるべきでは?

一時的に「先生、今回の情報は参考になりました!!」とニコニコしていた人達も、実際に外科手術を受けた後や、体のどこかが化膿が進んだ時に医師に処方された抗生物質を真面目に飲まないと、その後に待っているのは悲惨な事態だ。

その時になって急に態度を翻し、「この医師の言う事を信じたせいで自分はひどい目にあってしまった!!」と猛烈に怒り出しかねない。
その怒りが情報を発信した医師に向けられると相当面倒な事になってしまう。


抗生物質の乱用は駄目だとは思うが、外科手術をした時や怪我などで化膿が進んだ時はきちんと処方された抗生物質は飲むべきだと思う。