コンテンツのページ密度とkindle unlimitedの稼ぎの関係
賛否あるだろうが、kindle unlimitedで稼ごうという人の場合、「読者を不快にさせない程度にコンテンツの密度を良い塩梅で薄めて本の総ページ数を増やす」みたいな事も意識して見ると良いのかもしれない。
漫画の場合はページ内のコマ数が多いほど密度が濃くなり、小説などの場合はページ内の文字数が多いほど密度が濃いと言える。
密度が濃い作品ほど一ページあたりに読むのにかかる時間が増えるし、作り手としても同じ一ページでも作品制作にかかる時間がかなり増えてしまう。
一ページあたりのコマ数や文章量を減らして密度を薄めると総ページ数がその分増えるが、kindle unlimitedの場合は「読まれたページ数が多いほど稼ぎが増える」というメリットがある。
まずは四コマ漫画で考えてみよう。
普通の四コマのコミックは一ページに二つの話(4コマX2)を収録しているわけだが、kindle unlimitedで読ませるのを意識して一ページに一つの話しか収録していないスタイルの四コマ漫画にすると一ページに二つ収録するスタイルより二倍のページ数になってkindle本を出すという事になる。
ただ、その「一ページに四コマ一つだけ」が果たして読者に受け入れられるのか、という問題もある。
下手するとユーザーレビューで「一ページに一つの四コマしか掲載していないので中身が薄い」とマイナス評価を書かれてしまい、それによって売り上げを落とす事にも。
もし一ページに一つの四コマを載せる場合は、もう四コマではなく普通のコマ割りの漫画風にして一、二ページごとに一つの話になっている形式にするとそういう感じも薄れるのではと思う。
四コマより普通のコマ割り風の方がよりキャラを魅力的に見せられるという大きなメリットもあるし。
コミックエッセイ系の漫画の中には一ページのコマ数がかなり多いのもあるが、こういうのはもう少し一ページあたりのコマ数を減らした方が読みやすくなるしページ数も増える。
小説の場合はライトノベルでは文章の密度を落として製作しているのがわりと多く、おかげで読みやすかったりページの進みが早い。
一方田中芳樹さんとかの本格ファンタジー作品やハードSFなどの場合は文章をみっちり詰め込んで制作するので一ページ読むのにかなり時間がかかってしまう。でもだからこそ情景描写とか濃厚でそういうのがライトノベルには無い良さを生み出しているとも言える。
このような本格ファンタジー作品でも改行をある程度意識して入れていくと総ページ数が膨らみ、本一冊全て読まれた時のkindle unlimitedでの稼ぎを何割か増やしてくれるかもしれない。
改行が多くなるのを本格ファンタジー作品やハードSF作品を好きな人が受け入れてくれるかという問題もあるが。
適度な改行や空白行はともかく、多用するとかえって読み心地を悪くさせる事もある。
小説ではないがノウハウ系の本をunlimited向けに色々出している人は文字サイズをかなり大きくして文章ファイルではなく画像ファイル形式でkindleを出し、kindle unlimitedで読まれた時により多くのページを読まれるようにしているのも最近はよく見かける。
普通の文章サイズで書くとおそらく15ページも無いような薄い内容の本を、文字サイズをかなり大きくして画像ファイル形式の本で文字サイズ固定にして60ページ以上にしているのもあったり。
kindle unlimitedで一ページ0.5円の稼ぎとすると、15ページの場合は最後までunlimitedで読まれた場合は8円にもならないが、60ページに水増しした場合は30円に稼ぎが膨らむという。
こういうのはやりすぎると姑息だったり読者の不評を買うので、やるとしてもほどほどにしておかないといけない。