<知っておくべき>家庭における火事対策 第十一回 実際の火災をあらかじめ想定しておく
家庭での火事を予防するためのシリーズ第十一回。
今回は「実際の火災をあらかじめ想定しておく」の解説です。
消防署などで時々消火訓練を一般の人にやらせる事があります。
何か物を燃やし、それを消火器で消すというやつです。
このような消火訓練の際はほとんどの人が冷静に消火活動ができます。
しかし実際に自分の家の中で突然火の手が上がってしまうと、多くの人は頭が真っ白になってしまい次の行動が大きく遅れてしまいます。
「消防署に通報した方がいいのか?」「消火作業を先にやるべきか?」などどれを優先したら良いかがパニック状態になって判断できなくなったりします。
目の前に起こっている事を現実と受け止められず、ぼーっとしてしまう人もいます。
火事の際にもし家族がその時間に家にいる場合は大声で「火事だ」と繰り返し叫び、自分は直ちに近くに置いてある消火器を取りに行きましょう。
家族か自分が消火器で火を消そうとしつつ、手が空いている人が119に連絡して火事が起きている事、自宅の住所を伝えます。
自宅の住所は聞き間違いなどが起き無いよう、複数回伝えてください。
一人しかいない場合は消火作業をしつつ電話もするというのは難しい場合があります。
消火活動の方を先に優先すべきではありますが、消火が追い付かない場合は自分の命を最優先にし、屋外に逃げてから消防署に連絡を入れましょう。
近隣の住人にも火事が起きている事を伝えると消火活動を手伝ってくれたり、逃げ遅れを予防する事になります。
集合住宅の場合は各階に設置している警報機のボタンをすぐに押しましょう。
「火事の際にはこういう行動を迅速に行う」とあらかじめ決めて、日頃から自分だけでなく家族も時々模擬訓練をしておくのをおすすめします。
事前に繰り返し模擬訓練をしておくと、いざ火事の際の対応も早く被害を抑える事もできます。
また本当に大事な物は火事の際にすぐに持ち出せるよう、地震対策同様に避難用鞄にまとめておくなどしておくのも推奨されます。(空き巣の際はこの鞄を奪われる事もありますが)
耐火金庫の中に大事な物を入れていても自宅が全焼した場合は金庫の中の物も長時間の高熱に金庫がさらされてやられる場合がありますので、耐火金庫も万全ではありません。
一般的にフラッシュメモリやSSDは長期間のデータ保存には適していませんが、「フラッシュメモリやUSB式のSSDスティックに本当に大事なデータを入れておき、それを外からの熱を伝えにくい保温水筒に入れて耐火金庫の中に入れておく」と、耐火金庫と保温水筒の二重の熱を伝えにくい構造になって大事なデータが生き残る場合もあります。
クラウドで大事なデータを保存しておくというのもありますが、クラウドではハッキングによるデータの流出が起きる場合があります。
ビジネス用途によりセキュリティの強固なクラウドサービスを利用するというのも手ではありますが。
家庭における火事対策シリーズの第一回目はこちら
一回目から順番に読んでいきましょう。
<知っておくべき>家庭における火事対策 第一回 序章
次回:「消火後に再出火する事もある」