マンガ図書館Zのサービス停止と表現規制の話(漫画家や読者にとっては他人事ではない)
マンガ図書館Zがサービス停止を発表しました。
表現規制を理由にクレジット決済サービス(正確には決済サービスの中間会社)が決済を拒否して色々なクレジット会社での支払いができなくなったようです。
マンガ図書館Zは絶版になった色々な漫画を読めるようにしてきただけに、何らかの方法でまたサービスが再開されるのを期待しています。
昔赤松健さんが運営をされていた頃、私はとある漫画家さんの作品の電子書籍化をお願いした事がありました。
その漫画家さんは漫画家生活の途中で難病にかかってしまい、徐々に病状が悪化していきました。
もう漫画はまともに描けなくなったものの写真撮影を趣味としてされていて、ブログで時々写真をアップされていたのを私は当時たまに見ていました。
そのブログである日病状がさらに悪化した事、そしてブログはもう消去する事などを発表されました。
当時はまだkindleはサービスを日本で行っていなかった頃だったと思いますが、なんとかその方の漫画を電子書籍化して色々な人が読めるようにならないかとJコミさん(後のマンガ図書館Z)にメールで問い合わせると、すぐに運営者であった赤松健さんから「作者と連絡を取ってみます」とお返事をいただき、その後しばらくしてその方の漫画がJコミで配信されたり、クラウドファンディングをされるようになったのを覚えています。
今はマンガ図書館Zでその方の色々な作品が読めたりPDFで買えるようになっています。(私もPDFで色々買いました)
当時の赤松さんからのメールは今も残っていて、最近過去メールの整理がてら昔のメールを読んでいたら「そういやこういう事があったなぁ」となつかしんでいたら、まさかマンガ図書館Zがサービス停止させられる事になるとは……。
<表現規制が進むとどうなるのか?>
ゲームの場合はソニーのハードなどで表現規制が進み、昔の日本では大丈夫だったやや性的な表現が日本版でもアウトになってしまいました。
今のところ任天堂ハードやsteamなどではその手の表現はまだ可能ですが、将来こちらでも規制がかかってしまう事も考えられます。
元々任天堂ハードはファミコン、スーパーファミコン、64、wiiなどでは性的な表現にはかなり厳しかったというのもあります。
(今の任天堂ハードも海外版では当り前のように表現規制がかかっています)
漫画も今はkindleで色々な作品を買っている人が多いと思いますが、表現規制が今後進んでしまうと18禁漫画はもちろん普通の少年誌などで見かけるややHな表現までが日本版でも規制されてしまい、新しい作品が影響を受けるだけでなく過去作品まで内容を改変されてしまうという悪夢のような事も起きかねないです。
kindleの今の仕様では購入した本は最新の改訂版に変えるには購入者自身がいちいち手続きをしないといけない風になっていますが、これも今後いつ変更されるかわかりません。
昔買った漫画が表現規制がかかってしまい、白塗りや黒塗りなどが入ってしまっているバージョンに勝手に変わってしまう事にも。
ドラゴンボール、北斗の拳、キン肉マンでは初期はサービス的にややHなシーン(未成年キャラの裸)を入れていましたが、これが将来の版ではその部分が修正されたバージョンに変えられてしまうという事にも。
内容が改変されない紙の漫画は一部の作品がプレミア化するなんて事も起きそうです。
漫画アプリも性的な表現がある漫画の場合はアプリ版ではすでに規制がされてしまい、「web版で読んでください」みたいな事になっているのがわりとあります。
日本では当たり前のようにできていた表現が、海外の表現規制にあわせて日本版でもできなくなってしまう事は本当にどうかと思います。
悪夢のような改悪が行われないよう、表現規制については断固反対するように業界および読者で力をあわせて立ち向かっていくしかないでしょう。
漫画の場合、やや性的なシーンや本格的なHシーンが作品の購入意欲を高めて売り上げを増やす事につながっているケースも少なくありません。
男性読者、女性読者の購入意欲を高めるような要素を海外の基準にあわせた過度な表現規制がかかって入れられなくなると、収入が減って食べていけなくなる漫画家を増やす事にもなってしまいます。