クリスタに欲しい「少しぼかしてからkindle用に出力する」という機能(スクリーントーンのモアレ対策)
clip studio paint EX(クリスタ)は作った漫画をkindle用に出力できますが、その際にトーンはグレースケールに置き換えるか網点のままか選択できるようになっています。
しかし網点で出力すると網が細かいトーンや網のグラデーショントーンなどは読む端末によってはモアレ(周期的な模様)が目立つ事があります。
こちらのあすかパンさんの記事でも解説しているように、解像度が高い原稿をwebや電子書籍用の低解像度に縮小する際、縮小前の段階でぼかしを少しかけると縮小後のトーンのモアレを緩和できます。
ただしぼかしをかけるので絵がその分少し精細感が無くなりますが。
小さい文字だとぼかしのせいでより文字が読みにくくなる事もあります。
クリスタもサイズを指定してkindle用に出力する際、「ぼかしてから縮小」みたいなチェックをonにすると、
1・元の原稿を原寸サイズでまずレンダリング
2・それを「ぼかしの強さ」の数値に応じてぼかす
3・kindle用に縮小して出力
みたいな感じで網トーンのモアレを緩和できる、みたいな新機能が付いたらもっと使い勝手が良くなると思います。
今のところ網点トーンのモアレ対策をやるにはクリスタのkindle出力機能は使わないで原寸サイズで出力したのを画像編集ソフトで一ページずつ少しぼかしてから縮小し、それをkindle用に編集するソフトで本を作るという感じになりますが手間がそこそこかかる事に。
それ以外にもこういうのもありますね。
講談社の電子書籍の場合は昔はモアレ対策は違う方法をやっていたようです。
「トーンがかかっているところにランダムなホワイトノイズを乗せる事でトーンの周期性を破壊して縮小時にモアレ(一定周期の模様)が出るのを抑える」みたいな事をやっているのがわりと多かったです。
確かにこの方法でモアレは無くなるものの、トーン部分がザラザラした感じになってしまいます。
網点トーン部分が全部砂トーンみたいに変わっているという。
アフタヌーンのコミックのkindle版とかでは以前はこういう処理をしているのが多かったです。
今は講談社も「ぼかしてから縮小」の方に変更したみたいですが、連載が長い漫画の初期のkindleコミックではトーン部分がザラザラした感じになっています。
ジャンプやジャンププラスとかの作品の場合はもう細かい網点トーンはkindle版ではグレースケールで出力しているのが多いですね。
この前買った漫画「馬刺しが食べたい」のkindle版も元のジャンププラス掲載版同様に電子書籍版では網点部分はほとんどグレースケールになっていました。
個人的には網点トーンのあの粒々感が漫画絵っぽくて好きなので、電子書籍版では紙のコミックと違ってモアレが発生したり、あるいは粒々感の無いのっぺりしたグレースケールに変換されてしまうのは残念に思います。