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Z世代の発信の場としてのSNS

Z世代の発信の場としてSNSが使われていることはご存知でしょうか?
そもそもZ世代というのは1990年代中頃から2000年代の終わりまでに生まれた世代のことを言います。
Z世代は初のデジタルネイティブ世代で、それ以前は何歳か大きくなってからデジタルに触れていましたが、Z世代は生まれた時からデジタルに触れている真のデジタルネイティブ世代です。
生まれた時からパソコンや携帯が身近にあり、検索をしたり動画を見たり、学校ではパソコンを操作する授業を小さい頃から受けていたりと、デジタルと密接な関わりを持ってきたZ世代。
今、若者と呼ばれる世代であるZ世代がどのようにSNSと付き合っているのか、そしてSNSでどのような発信を行っているのかについて見ていきましょう。


SNSの特徴

まず、Z世代が使っているSNSとしてあげられるのがYouTube、LINE、Twitter、instagramなどです。

(今回は、「Z世代のSNS利用率」におけるトップのSNSについてのみ言及しています。


こういったSNSを利用していない人はほとんどおらず、Z世代はSNSを駆使する世代と言えるでしょう。
Z世代はYouTubeを楽しみ、LINEで個人間のやり取りをし、Twitterでテキストをやり取りすることで新たな友達をつくり、instagramで自分のライフスタイルを発信します。
彼らはデジタルネイティブ世代であるため、必要用途によってSNSを使い分けるのも得意な世代です。
Z世代は友達づくりをリアルな世界とネットの世界で分けており、ネット上の友達が多くいるのも当たり前になっています。
SNSではハッシュタグを使い、自分の趣味嗜好と似ているひとを探すことができます。
それにより、オタ友と呼ばれる自分が好きないわゆる「オタク」をお互いしている友人を探し出し、友達になります。
これは、アニメや漫画のオタクの話だけではなく、例えばコスメや美容、ジャニーズやゲーム、ファッションやスケートボードなど、共通の趣味を持つ人間を探し出すことを目的としています。
彼らは自分の好きなことを発信する能力に長けているので、自分がつながりたいと思う相手を探し出し、つながることができます。

何を発信しているのか

Z世代は何を発信しているのでしょうか?
それは自分の「切り取った生活」であると言えます。
YouTubeやinstagram、Twitterでは自分のライフスタイルを切り取り、思ったことや感じたことを発信します。
一種の作品として、自分の生活を切り取り発信するのです。
YouTubeではナイトルーティンやモーニングルーティンなどの自分の生活を見せる動画が流行しました。
それも切り取ったライフスタイルのひとつです。
またinstagramでは自分のコーディネート写真や、自分が撮った美しい写真、それだけでなく友人との楽しかった思い出や行った場所の写真など、自分のライフスタイルを最も見せている場所と言えるでしょう。
Twitterでは文字媒体のため、自分が思ったことや感じたことを言う場ですが、それも日々日常の中で感じたことを発信しています。
自分自身の生活を気軽に発信できる場としてSNSを利用しているのです。

彼らは自分の情報を発信することに抵抗がありません。
それは、小さい頃からデジタルに触れてきたことで形成されてきたと言えるでしょう。
小さな頃からYouTubeを観て、Twitterから発信される情報に触れ、まとめニュースなどのネットニュースに触れてきた世代は、情報がテレビや新聞から発信されるのではなく、ネットから発信されることの方が多いと感じています。
友人とつながる手段でもあったSNSを中学生、早ければ小学生の時からZ世代は利用しています。
学校では話せないようなことをSNSで共有したり、休日の連絡手段としてもSNSを利用してきました。
以前は家にしかなかった電話も、子どもひとりひとりが持つようになり、電話でなくとも家のパソコンでSNSを利用して友達と話すことが多くなりました。
親の目に晒されない言葉のやり取りは、どの子どもにとっても必要なことです。
現代の子どもたちにはスピードが求められ、シェアをする概念も植え付けられています。
面白いことがあればシェアし、悲しいこともシェアする。
恋の話も学校の先生の話も部活の話も勉強の相談も、全てをシェアします。
よって、シェアから外れることを許されなかったZ世代は自然とSNSで自らの生活を発信することになったと言えるでしょう。

自分の生活を発信することのメリットは、友人とつながりやすいといところです。
今自分が何をしているか、どこにいるのかを気軽に発信することで、友人と集まることもできますし、自分が休日何をしているのか自分を知ってもらうことにもなります。
話題作りのためにインスタ映えする場所に行くことも、友人との話題づくりやシェアしてもらうための一つの手段です。
このように、Z世代は「今日あったこと」を気軽に公開します。
どこで何をしていたか、誰と一緒にいたのか。
instagramのストーリーに載せてもらうことが一つの友人の証であったり、SNSでどんな恋人がいるのか公開してもらえることで恋人としての自信を持ったりします。
SNSは彼らにとってステータスを示すものであり、なくてはならないものです。
彼らは恋人や仲間との日常生活を発信し、友人同士でシェアすることで近況報告をしています。
ひと昔前は同窓会でしか知り得なかった近況も、今はリアルタイムで見ることができます。
彼らは強固なつながりと言うよりも、ゆるく浅くをテーマに多くのひととつながっているように思います。
これは現代で流行している「チル」と言う言葉からもきているように思われます。
仲間たちとゆるくつながり、まったりするという意味で使われがちなチル。
喧嘩をしたり熱く語り合ったりする人も中にはいるでしょうが、それよりもみんなで集まって何か楽しいことをやろう、お酒を飲んでダラダラ喋ろう、などそういったことをつながりに求めている人が多く見られます。


Z世代と社会問題

また、Z世代はよく言われているように、環境問題や政治、LGBTQ+にも興味関心があります。
そういった問題は対面で話すよりも、シェアする方が気軽だと感じているZ世代は多くいるでしょう。
対面で話せば必ずレスポンスしなければならないけれど、ストーリーやツイートであれば見るだけで反応になります。
決して肯定的ではない反応があったとしても、見られるだけでは分かりません。
お互いに自分の意見を見せ合うことで、肯定的な人だけがアクティブなアクションを起こすという非常に効率的なつながり方をしているのです。

さらに、Z世代はインフルエンサーから受けた影響を自分でシェアすることで、自分の意見へと変えます。
賛同すれば簡単に広がり、反応も多くもらえるのがSNSのよいところです。
社会問題に対する意識も、インフルエンサーとの距離が近いために自分で考える機会が多くあります。
SNSを使って社会問題を解決に導こうとしているひとも大勢いるので、アクションがしやすい環境の中にZ世代はいると言えるでしょう。


まとめ

こういったZ世代の発信について見てきましたが、Z世代は広くつながり自分の情報を発信し、社会問題をシェアするという特徴が見えてきました。
気軽な発信の場としてSNSを捉えているZ世代は、自分の個人情報を発信することに抵抗がありません。
ただし、学校や出身地を発信するのではなく、自分の生活やどこで遊んでいるかを気軽に発信しています。
そのことにより、家が特定されたりするトラブルもあるので、そういったことには気をつけていかなければなりません。
Z世代はこれから現れる新たなSNSと、新たな向き合い方を見つけていくでしょう。
SNSによってZ世代のライフスタイルがどう変わっていくか、楽しみです。

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