■世界人口の32%を占めるZ世代の特徴とは
最近よく耳にする「Z世代」。2021年のユーキャン新語・流行語大賞にも17位にノミネートされました。1995年から2010年の間に生まれた「Z世代」と呼ばれる若者たちは今や世界人口の3分の1を占めており、日本でも人口の約14%にあたります。さらに、アメリカでの購買力は1430億ドルに達し、国際貿易戦争を再熱させるほどのパワーを持っています。今回はZ世代のライフスタイル、ワークスタイル、価値観について詳しくご紹介します。
Z世代とは
Z世代の単語はアメリカ発祥です。アメリカで使用されているジェネレーションZ(Generation Z)の訳語として、日本でもZ世代の名称が広がりました。年齢区分は厳密に定義されていないですが、一般的には「1990年半ば~2010年代生まれの世代」を指します。その親世代はX世代(ジェネレーションX)と呼ばれ、X世代とZ世代の間の世代がY世代(ジェネレーションY)という区分になります。世代や特徴については以下の通りです。
表を見ていただくと分かる通り、特徴が異なります。Z世代は生まれた時からインターネットに囲まれて生活をしているので、真のデジタルネイティブ世代です。Webが日常風景の一部となり、パソコンよりもスマートフォンを使いこなしており、この世代はYoutubeやTiktokが主流、さらに情報発信力が鋭いため、この世代から多くのインフルエンサーが登場しています。ででライフスタイルやワークスタイルの価値観はどうなのでしょうか。見ていきましょう。
Z世代のライフスタイルとは
特徴は主に2つあります。
まず一つ目は、デジタルネイティブであること。
生まれたころからインターネットが当たり前の世界だったので、スマホやタブレットを使いこなしことができ、それほど苦手意識や抵抗はありません。また探し物や調べものをするときは、SNSで情報を探すことが当たり前になっています。SNSでの繋がりも大事だと考えており、コロナ禍では誰とでも繋がれる匿名SNSが普及しました。
また、SNSで公開した情報や写真はデジタルタトゥーとしてWEB上に残り続けると理解しているので、個人情報への警戒心は高いです。本名を公開すると親に見つかる可能性があるので、実名利用が推進されているFacebookよりも匿名性で利用できるTwitterの方が人気があります。しかしSNSが普及しすぎているあまりに、フェイクニュースでも気付かずに拡散してしまうこともあるため、SNSの情報の取り扱いについてはZ世代の課題ともいえるでしょう。
二つ目は環境破壊、人種差別といった社会問題へも関心が高いことが特徴的です。最近の例では、SNSを通じて「Black Lives Matter」の社会運動がアメリカで起こりました。アメリカだけでなく、日本でも若者がSNSで声を多くあげていました。ジェンダーレスについてもオープンにコミュニケーションを取っています。自らの声で発信できるSNS発達したからこそ、私たちだけでなく、芸能人も発信することが多いと感じます。
Z世代のワークスタイルとは
まず、Z世代は社会的に不安な時代に身を置いていたことから、仕事・キャリアに関しては保守的です。しかしその一方で、SNSでさまざまな働き方があることも知るため、会社で働くことだけが正解だけでなく、個性を生かした仕事をするため独立する人もいます。
次にワークライフバランスを大事にする傾向が高く、職場の人との人間関係も仕事限定で、プライベートで交流する人は少ないです。プライベート重視であるため、仕事も定時で終わらせることを理想としています。サービス残業や付き合い残業は、Z世代が職場で強く嫌うもののひとつで、職場では短い時間で効率よく成果を出すことが望ましいと考える人が多いです。
仕事・キャリアに対して保守的でありながらも、いつどうなるかわからないと不安を感じているため、自分自身の市場価値を高めたいと常考考え、今後どうすればよいのか、資格取得やスキルアップに励むZ世代は多いでしょう。
Z世代の価値観
ライフスタイルとワークスタイルからみて推測できるように、人々の多様性を当たり前のこととして受け入れており、自分らしさを尊重する傾向が強いです。なぜなら、幼いころから世界中の膨大な情報にアクセスできる環境に置かれているため、さまざまな価値に触れて育っているからです。
一方、所有することに強いこだわりはなく、「モノ消費」よりも体験を重視する「コト消費」に多く関心を寄せています。例えば旅行の思い出や、ミュージカル鑑賞と経験を重視します。
Z世代はよく「チル(chill)」とよく使いますが、まったりする・のんびりするという価値観も持ち合わせており、Z世代にとって自分のペースで居心地の良い時間を楽しむこと、自分らしくあることが大事を示す価値観を強く持っています。いま企業のマーケティングのターゲットはZ世代と言われており、価値観を戦略するための対策が多く見られます。
Z世代をターゲットにしたマーケティングが主流に
Z世代は消費に対して積極的でないと言われています。その理由は、実際価値観からも分かるように、モノよりコトを重視しているからです。しかし心が動かされるものについては消費行動のきっかけとなっており、昭和や平成初期の雰囲気が感じられるもの、場所、音楽に対してレトロブームが挙げられます。昔のカメラの質感が再現アプリも流行っており、アナログブームも根強いのも特徴です。
Z世代のインフルエンサーからアメリカ初のY2Kファッション、韓国発のビーズアクセサリーが紹介され、そこから拡散・流行しています。このように海外の流行もSNSによって伝達されブームになるケースが多く、日本国内のZ世代マーケティングは海外の流行を把握することも大事なのです。特徴・価値観・好みを把握したうえでSNSを効果的に用いると、Z世代の心に響き、消費行動を促すマーケティングに繋がります。
またアメリカでは、ミレニアル世代がマーケティングにおいて非常に重視されています。購買力が強く、日本に比べると「ミレニアル世代やZ世代を重視しなければならない」という問題意識を強く持っているようです。
アメリカではミレニアル世代+Z世代は全人口の4割を占めていることから、この世代は大きな影響力を持っています。
まとめ
今回は世界人口の32%を占めるZ世代の特徴についてライフスタイル、ワークスタイル、価値観についてご紹介しました。筆者もZ世代なので共感を強くできる部分が多く、価値観についてもとても感心しました。日本だけでなく、全世界で32%を占めていると、10年、20年先にはZ世代の特徴や考え方が浸透していくかもしれません。
世の中はものすごいスピードで変化していくため、世の中もこの変化に対応していく必要があります。特に会社については働き方について考えの相違があるため、働き方やワークライフバランスを大事にしなければなりません。それぞれがお互いに尊重を忘れず接することが大事でしょう。今後も私たち世代であるZ世代の活躍が楽しみです。