海外と日本、これからのSNS
海外と日本のSNS事情
日本と海外の人気のSNSって違うなと思ったことありますか?
中高生なら学校のALT(外国人講師)や、成人なら大学や仕事、海外旅行などで文化的な交流があるかと思いますが、人気のSNSについても、日本内外では違いがあるようですよ。
今回は特にZ世代と呼ばれる若年層にフォーカスして、日本と海外のSNS利用について調べたり考えたりしてみようと思います。
今までのSNS
まずは大前提というか、一応ということで、今までと今現在ユーザー数の多いSNSについて整理しておきましょう。
Facebook、Instagram、Twitter、LINEなどは、利用の有無はさておき名前を知らない人はもういないのではないかというほどメジャーなSNSですよね。
実際、日本ではLINE、Twitter、Instagramの順でユーザー数ランキングのトップをとっています。
また、世界規模ではFacebook、YouTube、WhatsApp、といった、聞いたことはあるなあといったものがトップ3に並んでいます。
このあたりは主に文字での投稿=タイムライン、コメント、いいねなどがメインのサービスです。チャット機能、メッセージ機能もたいてい備わっていますね。
23歳筆者も、SNSといえばこのあたりの機能が思い浮かぶところですが、どうやらZ世代で流行り出している新しいSNSではそんな「当たり前」が変わってきたようです。
具体的なSNSの名前も挙げつつ見ていきましょう。
日本で流行り始めているSNS
まずは馴染みのある日本からですが、最近若い世代に流行りのSNSはYay!、GRAVITY、zenlyなどです。
Yay!はタイムライン、通話、チャット、サークル、レター(=メッセージ)という機能があり、趣味の合う友人を探したり、暇つぶしに通話やチャットのやりとりを楽しむというサービス。主に通話でのコミュニケーションをメインとしたSNSです。2020年にサービスを開始し、2021年9月時点でユーザー数400万人を突破しています。
*元々はひま部というサービスでしたが配信を停止し、yayに入れ替わりました。
GRAVITYは2020年12月にリリースされたSNSで、匿名性が高く、疲れないSNSとして人気が高まっています。リリースから5か月で累計ダウンロード数が30万を突破し、アクティブユーザーも日々増加しています。GRAVITYもタイムライン、通話、チャットといった機能があり、特に通話ではランダムな相手とのマッチング機能がある点が新鮮です。
知らない人と気軽に通話ができること、それが需要のあるサービスであることがもう驚きなのではないでしょうか。
そしてzenlyは位置情報とマップを利用した新感覚のサービス。zenlyで繋がった友人がどこにいるか、何分そこにいるか、バッテリー残量はあるかなどを把握しあうアプリです。人混みでの待ち合わせや、今何してるかなという時連絡をせずともある程度わかるということで便利なアプリです。
Yay!とGRAVITYについては通話機能を特に推しているという感じがあります。グループ通話や1対1の通話は必須なようですね。
また、zenlyは友人同士で相手の過ごし方や今何してるのかを把握できるというものですが、スマホをなくしたときにも見つけられたりより簡単に待ち合わせできたりと、繋がりをより濃くするような印象がありますね。また、信頼のある相手と繋がりあうということで安心感や満足感も得られるようです。
海外で流行りのSNS
次に海外ですが、海外ではsoul、YuboといったSNSが流行ってきているようです。
soulは「Find your soulmate」を掲げた完全匿名のアプリ。Soulmateとしてマッチングされるユーザー同士は、事前の心理テストや音声テストから導かれて出会いを果たします。チャットではマッチングした相手との会話を楽しみ、タイムラインでは完全匿名で好きなことを好きなように話せるというサービスで、現在世界規模でユーザー数を伸ばしています。
Yuboは名前だけ知っているという方もいるかもしれませんね。25歳まで限定の若年層向けSNS、Yuboでは配信をメイン機能としてサービスを提供しています。ライブ配信を通して友達や恋人を探すといった感じのSNSです。
いいね機能がなく、フォロワー数は非表示なため余計な数字などに囚われず、シンプルに人との付き合いを広めたり続けたりしていくことを目的としたYuboは「孤独からの脱却」という目的もあるようです。
海外での流行りのSNSは完全匿名やいいね機能がないなど、今までのSNSでは当たり前だったものをがっつり削った印象があります。
Z世代に求められるSNS
日本や世界で新しく流行っているアプリについて調べてみましたが、特に「匿名性の見直し」とか「通話や動画で感情コミュニケーションをとる」といった部分が求められているのかなと思いました。
SNSやインターネットでのコミュニケーションが当たり前になり利便性が増した半面で、特にZ世代と言われるような若い世代には直接的な人との関わりが薄まったという「孤独感」もまた増してしまっているのかもしれません。
「誰かに聞いてほしい」「誰かの声が聞きたい」という状態で、簡単に指先ひとつで「誰か」を得られるというツールは、今の若年層に安心をもたらすのでしょう。
インターネット普及からここ数年くらいまでは「インターネットで出会った人と直接会うのは怖いこと」「しょせんインターネットからの関係でしょ」と言われていたインターネットは、リアルの繋がりよりも心の拠り所となり得ているのかもしれません。
また、zenlyのような「より信頼できる間柄」をピックアップして情報を与え合うこと、隠し事ができないような状況に置き合うこともまた、信頼関係が目に見えるようで孤独を打消し、安心感を与えているのだと思います。
これからのSNSを考える
最後に、これからの世界のSNS事情はどうなっていくか考えてみましょう。
個人的には、やはり今までTwitterやInstagram、Facebookがそうだったように、一部のSNSが市場を独占していくのかなあと思います。ユーザーの「依存」をいかに勝ち取るかですよね。
今は連絡手段はLINEが主流の日本でも、既にInstagramでの連絡が流行り出していますし、もっと若い世代はzenlyで連絡以前の情報を得ています。
手紙が電話やメールになり、LINEやメッセンジャーになり、InstagramやTwitterが流行り、そしてGRAVITYやzenly、soulなどが新たに流行り出している。
感情のあるもの、感情の読み取りづらいもの、情報過多なもの、そして匿名性と感情が求められるている今、時代は繰り返すというか、皆ないものねだりだなと思いますね。
これから求められるのは一旦は匿名性の高さ=気軽さとか、感情=声や表情のあるものとか、そういうものなんだと思います。
でも、そのあと……多分また10年後とかには今度はそれに疲れて電子文字でのやりとりがメインのSNSが求められるような気がします。
いかに時代のメインユーザーのニーズに合わせた供給がされるのか、これからもSNSの流行りを見守っていこうと思います。
それでは、今後のSNSに期待しつつ、今回はここで。
お読みいただきありがとうございました!