スタートアップ向け!予算を抑えた採用のベストプラクティス 〜エンジニア編〜
皆さま初めまして!ポテンシャライトの得と申します。
当社ポテンシャライトでは日頃HRパートナーとして採用企業さまの採用課題に向き合う中で発見したノウハウをアウトプットしております。
先日、とあるスタートアップの人事さまがこんなお悩みをおっしゃっていました。
採用予算との戦い。全ての人事に降りかかる普遍的な苦しみですね・・・。
その昔私も採用予算と戦う一人の人事だった時代があり、このお気持ち痛いほどわかります。
とはいえ採用を前に進めていきたい、どうしたらいいのか。
そこで今回は、できるだけコストを抑えたエンジニア採用手法をご紹介したいと思います!
※ 本noteでは、あくまでもポテンシャライトが日々採用のご支援をさせていただく中で感じた / 実施した内容を軸に執筆しております。”採用活動における一視点” として参考程度にご覧いただけますと幸いです。
では、早速はじめましょう!
1. そもそも「今」採用するべき職種なのか?
本来ならば全ての職種のTipsをご紹介していきたいところですが
薄く広い話になってしまっては皆さまのためになりません。
そこで特に採用予算に困る時期と
その際に採用ニーズが高まる職種にピントを当てていきたいと思います。
すでにエンジニア採用のニーズがある企業の人事さまは、この章はスキップして第2章から読み進めてください。
時期でいえば、やはり創業間もないシード期とシリーズAが最も原資がなく予算に苦労される段階でしょう。
そのタイミングにおいては、「今」エンジニアを採用するべきなのか。
は迷うところですね。
こちらは採用戦略の文脈ではありますが、これまで300社以上の採用支援をしてきた事例からお伝えさせていただきます。
1-1. フェーズ毎に採用すべき職種とは〜シード期・シリーズA〜
シード期にまず採用したい職種は
この2職種。まずはプロダクトが設定した課題を解決しうるのか検証しているところかと思いますので、開発に開発を重ねていくことが重要。
やはりエンジニアの採用が急務といえます。
また、もちろん例外はありますが、急成長するスタートアップには優れたCxOが代表を支えている構図をよく見かけますので、スピーディなPMFを達成するためにCxO(COO)の存在が必要です。
次にシリーズAではどうでしょう。
結論当社としては下記の職種が重要と考えます。
プロダクトはα版・β版がリリースされる頃合いで、クライアントから様々なフィードバックを頂く機会が増えてくるでしょう。
だからこそ技術をリードしてくれるCTOの存在や、プロダクトの方向性をとりまとめられるPdMの存在が重要になっていきます。
また一般的にこのフェーズのクライアントは中小企業がメインになることが多いため、SMB営業の存在も欠かせません。
今回は職種別に採用コストを抑えたベストプラクティスをお伝えさせていただくのですが以上のことから、シード期・シリーズAの2つのフェーズで重複している
以上2つにスポットをあててお話を進めていきます。
しかしながら非常に長文となったためエンジニア編・セールス編の2部に分けて進めていきます。今回は【エンジニア】編です!
なお下記ブログに各フェーズ毎の採用優先度が高い職種が記載されております!
是非参考にしてみてください。
2. エンジニアの採用を始める前に把握したい「職種別の平均採用単価」
「エンジニアの採用」
一言で言ってもエンジニアの職種は時代とともに分岐し、技術の発達によって業務内容も様々になっています。
実際にエンジニア採用においてもトレンドの変化がありましたが、ポテンシャライトではこのような流れなのでは?と思っています。👇
職種によっては細分化されるかと思います。例えばエンジニアなら
WEB系エンジニアなのか、はたまた業務系なのか、フロントエンドなのかバックエンドなのか、インフラなのか。使用言語は何か・・・など変数が相当数あり、適した採用媒体も数年で変わってしまうのが難しいところです。
そのためエンジニア採用に限らず、採用活動においてターゲット、つまり必須要件を明確にすることは非常に重要です。エンジニア採用においては何のスキルをどのくらい所有するエンジニアを採用すべきなのか言語化しておきましょう。
おそらく採用予算を策定する場合も、上記のターゲットが明瞭になった後設定されるケースが多いのではと思うのですが、一人のエンジニアを採用するためにどれ程の予算を組めばいいのか、中々検討がつかないですよね。
最近は人材の年収から仲介フィーをとる媒体も増えていますし、プランの契約金、月額費用だけでは採用単価が見えにくくなっています。
そこで、参考までにエンジニア各職種における平均年収を出してみました👇
2-1. エンジニア1人を採用するのに必要な費用の目安
先ほどもちらっと話に上がりましたが、採用媒体を使用して採用していく場合、
出費は大きく分けて下記の3種類です
これらは全ての採用媒体で発生するのではなく、それぞれ発生するものとそうでないものがございます。
それを一覧にしたものが下記の図の右側、「料金プラン」の部分です👇
(比較対象としてエージェントも入れております)
媒体の価格改定や契約プランによって詳細な費用が変動するためこのような表記としております。
これを踏まえて媒体ごとの採用単価と運用工数、推奨レベルを5段階レベルに分け、一覧にしたものがこちらです。推奨レベルが高いほど5に近づきます。👇
やはりエージェントは、大体のケースが成果報酬を採用候補者さまの理論年収の35%をお支払いする形式なので、比較的割高になりやすいです。
それと同様で、採用人材の年収に応じたフィーを設けている媒体は割高になりやすいと言う構造になっています。とはいえ注意が必要なのは、「費用」のみで手法を選んではいけないという点です。
そう言うとこのブログの本筋を見失いそうになりますが・・・ちょっとお待ちください。
職種によって適した採用手法があるということなので、手法を選ぶ際には「費用」に加え「媒体の運用工数」と「ターゲットの層と媒体の相性」も加味して最適解を出していきたい
と言うことですね。
それらを踏まえ、やや採用単価を優先し独自にスコアリングしたものが、上記図の「推奨」レベルです。👆
3. ジュニア層とミドル層別の採用手法
エンジニアに限らない話ですが、「職種」だけではなく「レイヤー」によっても多少媒体で差分があるはずです。実際エンジニアの「ジュニア層」と「ミドル層」以上ではいらっしゃる媒体が異なるため、分けてご紹介していきます。
なお、ここからご紹介する手法は繰り返すようですが「費用をできるだけ抑える」ことを第一目的にし、可能な限り「工数」を抑えて「効果」が見込めるアイデアに絞ってご紹介していきますので、ご留意ください。
3-1. ジュニア層の採用
ジュニア層を採用する上で費用を抑えつつ運用工数、パフォーマンスのバランスがいいのは
こちらの2つだと思います。どちらも費用は月額の利用料金のみ。媒体経由で採用した際に成果報酬がかからないのもありがたい点です。
ただしこれらの媒体で、実際にスカウトを機能させるにはある程度準備が必要なので
1つずつ特徴をご紹介していきます。
3-1-1. YOUTRUSTについて:2~3名社内に人事の協力者がおり自主的に動いてくれるのならこちら!
・媒体の概要
2つ目のYOUTRUSTは「信頼でつながる日本のキャリアSNS」をコンセプトにした媒体で、母集団は自身のアカウントの「友達の友達」までに限られる点が特徴。だからこそ高い返信率を誇るのですが、スカウトを送るためにまず自身の友人の繋がりを広げる必要があり、そこはやや手間がかかります。
ただし同じ会社同士で母集団を共有できるため、採用チームの人数が増えれば増えるほど繋がりを増やす工数は減ることから、運用工数レベルを「4」とさせていただきました。
・ユーザー層
登録者全体の約20%がエンジニアとのことで、年齢層はCSさんに確認したところ下記の通りでした。👇
同じキャリアSNSとして先発のWantedlyと比較するとユーザー数自体はまだまだこれからなものの、私も使用していて新進気鋭のIT企業に所属する優秀な若手ユーザーがいらっしゃる印象です。
まとめると
ここではざっとご説明しましたが、
YOUTRUSTのさらなる特徴や運用手法のTipsはこちらのブログでご紹介しているので
ぜひご覧になってみてください。
3-1-2. Wantedly:企業ブランディングも兼ねて 長い目で採用のリード獲得システムを構築したいのならこちら!
・媒体の概要
正直運用工数を要するのでやや迷ったのですが、費用対効果が優れているためご紹介したいと思います。
Wantedlyはそもそも一般的な求人広告媒体ではなく「企業とビジネスマンのマッチングプラットフォーム」としての役割がある媒体のため
SNSのマイページを色付けていくように、自社の採用広報記事や新規求人をアップしたりと、コンテンツを増やしてWantedly内でPRしていき、低コストの採用を可能にする媒体です。
このコンテンツを増設するのが割と時間を要するので工数レベルを「5」にしましたが
コンテンツが溜まっていくとコーポレートブランディングの一環としても使用できるのがユニークで魅力的な媒体ですね。
実際それによって自然流入が増え、Wantedlyだけで採用活動を進めている、という企業さまもいらっしゃいます。
そのような企業さまのように将来的に自然流入でも応募が入ってくるようにしたいとか
知名度や条件ではなく、組織の内側の魅力を見て欲しいといった目的がある場合に適した媒体となります。
・ユーザー層
弊社では毎月Wantedly内でユーザー層の調査を実施しているのですが
言語×レイヤー別の所感を整理してみました👇
(あくまで参考値にはなりますが、ジュニア層の場合はJavaScript、TypeScriptやReactの登録者が多く
ミドル〜シニアにかけてはSwift/Scala/Kotlinあたりが多い印象でした)
以上の調査から下記のことがわかりました👇
Wantedlyでの採用に興味がある方は、こちらのブログで詳しく説明しております!
ぜひご覧ください!
3-2. ミドル層の採用
エンジニア採用において最も苦労するのはこの層の採用ですね。
この層の採用で私がお勧めしたいのは
このあたりです。やはり費用に着目すると、純粋にSNSの利用料金のみに収まるYOUTRUSTが候補に挙がりやすいですね。
YOUTRUSTは先ほどご紹介した通りなので、LAPRASのご紹介をしていきます。
3-2-1. LAPRASについて:コストもエンジニアの知識もないけれど、ミドル層エンジニアを採用したい方はこちら!
・媒体の概要
転職顕在層ではなく潜在層へのアプローチを可能にしたプラットフォームで、エンジニア個々人の職歴やネット上に発信しているアウトプットを集約・数値化する機能があり、またスカウト文章作成のサポート機能もあるため人事だけの採用組織でもエンジニア採用が可能な媒体です。
一方で、スカウト文章のクオリティ維持に注力しているため工数レベル「4」としました。媒体を十分に使用するために一定の知識が必要なため、契約後の1ヶ月は担当のカスタマーサクセスが伴走してくれます。
以上のことから社内のエンジニア関連の知識がないものの、エンジニアのミドル層以上を採用したい組織にマッチした採用手法と言えるでしょう。
・ユーザー層
弊社では毎月LAPRAS内でユーザー層の調査を実施しているのですが
言語×レイヤー別の所感を整理してみました👇
(LAPRASは言語の使用期間で検索がかけられるのですが、使用期間1〜3年のジュニア層は全体的に登録者が少なく、あえていうならPythonやJavaScriptがやや多めの印象。
使用期間3年以上のミドル〜シニア層にかけてはTypeScript、JavaScript、Ruby、Python、Java、Goあたりが多い印象でした。)
以上をまとめると
3-2-2. 転職ドラフトについて:CTOや社内のエンジニアが一緒に採用活動を進めてくれるのならおすすめ!
最後に番外編として
少々特殊な媒体「転職ドラフト」をご紹介したいと思います。
結論から言うと瞬発的に大きな負担はかかりますが、社内にCTOのような技術に通じる人材がお1人でもいらっしゃって、その方がエンジニア採用に工数を割ける状態であり、かつ早急に優秀な人材へアプローチをしたい場合はこちらの手法を候補に入れてもいいと思います。
・媒体の特徴
基本的にミドル以上のエンジニアを採用したい場合採用単価が200万円を超えるのが一般的です。
その点「転職ドラフト」はどのようなレベルのエンジニアを採用したとしても160万円/ 1名です。
ただし媒体運用前に年収の予算組みをする必要がある等、多くの準備が必要なことと、その名の通り野球のドラフト会議のような仕様のため
ドラフトが開催される期間(土日を含め10日間)に求職者さまへ年収等の条件と指名した理由をお送りします。オファー内容を受けて求職者さまが指名を承諾すると面談の権利を得られます。
そのためこの10日間は非常に忙しいです。
またスカウト文章の使い回しが禁止されているため、よりパーソナライズされた文章作成が必要になることから運用工数レベル「5」とさせていただきました。
・ユーザー層
年収600万円以上、総勢400名〜500名のエンジニアユーザーで構成されているため、優秀層の採用が可能な媒体となっています。
WantedlyやLAPRAS同様、転職ドラフトも毎月ユーザー層の調査を実施しているのですが👇
こちらの媒体は毎回のドラフトでユーザー層の変化もあるため、下記図はあくまでご参考までにご覧ください。
(この時の調査ではLAPRASに近いユーザー層に、プラスしてPM人材の登録がありました。)
以上をまとめると
転職ドラフトは希少人材の採用が見込める分、他の媒体と大きく仕様が異なり運用にはコツと覚悟が必要です。
詳細はこちらのブログに記載されていますので、ご興味が沸いた方はぜひご覧ください。
4. 最後に
いかがだったでしょうか😃
今回は「予算をできるだけ抑えるエンジニアの採用手法」というテーマで情報をお届けしました。
元も子もない話もするようですが
エンジニア採用は言うまでもなく激戦であり、どの媒体を使うか?だけで勝利できる世情ではなくなってしまいました。
そのため、最後に私から強くお伝えしたいことは、どの媒体を使うか?だけではなく
媒体をどう動かすか?
媒体にどのような情報を載せるか?
こちらも思案した上で動いて欲しい、と言うことです。
エンジニア採用に関する情報は弊社より発信し続けておりますので、ぜひ他のブログもご覧になってみてくださいね。
またこのブログをお読みになった方々が次に気になるであろう情報も、下記にリンクを貼っておきます!
《媒体別》
・Green
・Forkwell
・Findy
《エンジニアの種類別 採用の教科書》
・インフラエンジニア
・QAエンジニア
・モバイルアプリエンジニア
・エンジニアリングマネージャー(EM)
・PM
・CTO
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