ハワイの恋が終わり苦しみの先に、悟りへの道が開けた 39
第五章 39 クリスがりさに会いたくない理由
慶子さんにクリスは言った。りさには2,3ヶ月は会えないと。入籍するのだとりさは思ったのだが、全く違った。りさの友人達は、相変らずクリスの近況をりさに教えてくれる。りさも聞きたかった。それをしているうちは、苦しさが増すばかりだとは知らずに聞いていた。一人の友人マリアが言った。
「りさちゃん、クリス先生は私に言ったわよ。日本からの旅行者らしいのだけど、ビーチでデートしたって。それから、パーティーで知り合った他の日本人もいるらしい。ワイキキのマッサージサロンで受付してる人だって。なんで私に言うのかしらね。モテているって自慢したいのかしら?」
りさは驚いて聞いた。
「だってハワイで籍を入れたのでしょう?結婚したのじゃないの?」
マリアは言った。
「彼の中ではアメリカの結婚は夫婦のカテゴリーに入っていないみたいね。彼女も引っ越してこないし。だったら遊んじゃおう、ってとこかしらね。」
クリスは、付き合う前のりさの不倫をすごくとがめた。乳がんになったのも、そういう行いの因果応報だと言った。奥さんからの、生き霊と呼ばれる想いのエネルギーが降りかかったのでは無いかと言えば、そうかもしれない。でも選んできたのは龍一の方。家に帰りたがらないのは、そんな家の雰囲気を作っている妻のせい。
クリスは今、悪いカルマを作っているらしい。
独身最後のモテ期だから、りさには会いたくなかったのだ。慶子さんが促しても、クリスはりさが必要では無かった。十分に女達と楽しんでいたのだ。なんて愚かな牧師だろうか。
そろそろ、クリスへの執着心も力を落としたように思えた。
でも、なぜ女遊びをするようになったか、その答えは4年後にわかった。
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