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徳地のバス停探訪(1)

地域おこし協力隊員による
山口市徳地のバス停をめぐる素敵な風景探しの旅です!

岡の原(柚木)

徳地に住み始めて、一番多くシャッター を切ったのがバス停の前です。ゆったりと した時間と、どこか懐かしさを感じて思わ ず足を止めてしまいます。電車のない徳地 では防長バスが唯一の公共交通機関です。 バス停を見るとそこに住んでいる人たちの 生活を垣間見ることができます。
いつも通り過ぎていた場所も空気、匂い、 音を感じることで誰かの日常の一部だと体 感できます。現在ではバスの本数も減り、 生活の足を確保することが難しくなってい ると聞きます。たまには足を止めてその土地の息づかいを体感してみるのも必要だと 思いました。 (河上特派員)

(出典:山口市地域版広報紙2022年4月号「徳地のバス停探訪」)


串交流センターバス停(串)

 約 1 年間、徳地で生活してきました。生活し ていると「安養地」と書かれたバスをよく目にします。地域の方とお話ししている時も、「安養 地」という言葉を耳にすることがあります。ただ実際に行ったことはなく想像だけが頭の中に ありました。こうしてバス停をめぐると、地域 の隅々まで自と足を運ぶことができます。同時 にバス停の名前が地域に親しまれていることを 実感します。
 今回の串交流センターバス停を撮ろうとしたとき に「ロハス島地温泉~安養地間 バス運行取り止めのお知らせ(防長交通)」という貼り紙を目にしました。
 大きいバスじゃなくなったのは少し寂しい気も しますが、4月からは今までの大きなバスでは なくワゴン車タイプのバスが運行しているので、 新しい日常に溶け込むのが楽しみです。
(河上特派員)

(出典:山口市地域版広報紙2022年5月号「徳地のバス停探訪」)


夏焼下バス停(引谷)

 山口市の南部地域や阿東へ行くと、広大な田園 風景が広がり、ひらけた景色に目を奪われます。 引谷を初めて訪れた時も、同じように心を奪わ れました。徳地は佐波川を中心に周囲を山に囲 まれているので、山が身近にある地形だなと思っ ていました。引谷の田園風景が、徳地の新しい 風景に気付かせてくれました。田んぼと小川と 遠くに見える山、空のコントラストを見ると、 思わずいいなーと何度もつぶやいてしまいます。
 広大な景色を見ると、今度は徳地を一望したい という欲望が沸いてきました。白石山からの景 色を目当てに登ったのですが、思ったよりも険 しい道のりに途中で断念しました。新しく、白石山の登頂と景色をお届けするという目標ができたので、準備を整えて挑みたいと思います。
(河上特派員)

(出典:山口市地域版広報紙2022年6月号「徳地のバス停探訪」)


奈良原バス停(三谷)
約1年前、ナビに言われるがままに車を走らせていると、大量のお地蔵さんが横目に見えました。思わずスピードを緩めて4度見したことを覚えています。
徳地を散策していると、いろんなところにお地蔵さんがいて、どんな意味があるかは自分にはわからないし、特に意味はないのかもしれません。
ただ、そんな風景には、当時の些細な出来事や思いが隠されているような気がしていて、地域の秘密をまた一つ知れた気分になります。
徳地には、他にも目に留まる不自然さがたくさんあって、不自然さについて考えることも、不自然さの真実について知ることもおもしろいことだと思います。真実が忘れられてしまう前に、日常の語られないような出来事にも耳を傾けたいと思いました。 (河上特派員)

(出典:山口市地域版広報紙2022年7月号「徳地のバス停探訪」)


立石下(藤木)
 徳地に来る前は、家の近くにあるバス停も、 ポストも、どこにあるのかすら覚えていませんでしたが、徳地にあるバス停やポスト はなぜか心に残っていて、ここにもあるん だと思わず探してしまいます。
そんな人間が作ったアナログな仕組みを見 ると、自然の中に住まわせてもらっている ことを改めて感じます。
 同じ藤木地区にある小河内バス停は、古い建物がごみ収集所とバス停の役割を果たしていて、バス停の看板は、建物に取り付けてありました。当初は別の目的で建てられ た建物も、自然と共存する中で役割を変えて、存在しているのかなとか思ったりして います。
人が生活するうえでなくてはならないものと、ありのままの自然の風景のバランスがすごく心地よくて、また新しい景色を見つ けることが楽しみです。
(河上特派員)

(出典:山口市地域版広報紙2022年8月号「徳地のバス停探訪」)


沖の原(伊賀地)
 新しく発見したバス停の方が魅力的な気がして、日常的に行かない場所を目指していました。 改めて、バス停をめぐることを目的に景色を見ていると、日常的に通り過ぎている風景も魅力 的だということを思い出します。
 同時に、自分の中で徳地の風景が日常の一部に なって、当たり前になっていていることに気が付きました。当たり前になるということは、無関心になって、ありがたみを忘れてしまうこと で、最初の感情を忘れたくないし、感動しなく なることが嫌だと思っていました。
 でもそれは、自分が目を向けなくなっただけで、 身近にあるからこそ気づける魅力があるんじゃないかと、今回のバス停探訪で痛感しました。
まだ見ぬ新発見と、日常の再発見もできるいい時期な気がするので、より多くのものに目を向 けていきたいと思います。
(河上特派員)

(出典:山口市地域版広報紙2022年9月号「徳地のバス停探訪」)

寄稿:
河上敦(山口サウナ&カフェ「VIEHÄttÄVÄ ヴィエハッタヴァ」

↓インスタグラム


(出典:山口県山口市地域版広報紙2022年4月号〜9月号「徳地のバス停探訪」)

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