特抜雑記vol.39 3rd Album Japanical Proletarier

こんにちは。特別抜刀隊の万雷トーヤです。
しれっと改名しました。でもこっちの方がいいでしょう?

タイトルの通り。前置きは嫌いなので書かない。本題。

このアルバムを制作し始めた時の、最初の裏テーマは色んなリズムパターンを組み込むことだった。
三三七拍子、音頭、ボサノバっぽいのとか。それは、ある程度のところまでは沿えたのだけど、最終的には別のテーマに落ち着くことになった。
それこそ、我々が掲げる『令和テクノ』という音楽である。
ある夜、万雷トーヤのたぶん枕元かどっかに天啓のような何かがもたらされた。新しいことして…皆にちやほや……じゃなくて時代を開拓しろ! とのことであった。
そうして、うにうに思考した結果、以下の定義が組み上がった。
なお、これらは飽くまでも現段階での定義である。

①昭和的アナログ感、平成的デジタル感、令和的レトロリバイバル感。
→音楽の歴史は地続きであることが常であるため。それは、突飛な発想の現代音楽でさえも例外ではない…たぶん。

②曲の長さは、最短30秒〜最長3分 (無論、例外は認める)
→サブスクの台頭によって、一生にフルで聞ける曲数が飛躍的に増加したため。
→大衆の「タイムパフォーマンス」概念の形成。

③四つ打ちに代表されるいわゆるノリやすいリズム。
→音楽を大量消費する時代ゆえ、音を「考察する」機会の減少を考慮。
悪く思いなさるな、時代だ。決して衰退ではないのだよ。

④ディストーションをかけた強いキック
→ガバキックというやつ。ほら、リズム感を強く出せるでしょ。だからリズムの誘導が容易くできる。

これらのことを前提に実験的に制作されたアルバムが、この『Japanical Proletarier』(ジャパニカル プロレタリア)である。

No.1 Can you listen to ME?
俺を聞けるか、特別抜刀隊の音楽を聞けるか。
諸君ら、ノイズを愛せ。ディストーションを崇めろ。
騒音で踊れる人間になれ。うわー!歪愛ビーッム!!!

あ、Gabber Modus Operandiリスペクトです。
何気に買ったばかりのロールアップピアノを使って作曲した最初の曲です。

No.2 Hi Hu Mi I Mu
明治初期頃はドレミファソラシドを「ヒフミヨイムナ」と数えていたそう。ヨナ抜き音階っていうもんな。ありゃファとシが無い。
初期案では、ドレミで歌うパートもあったが必要を感じなくなって没になった。
前につくったやつのリメイク。音が進化した。
年賀状って長いこと送り送られしてないな。メガネ本舗からくるぐらい。

No.3 This is THUNDER GOD's STEP−an Otaku's Game Time1
スプラトゥーン3? 知らない子ですね。という隊員に向けて説明すると、このゲームには「雷神ステップ」という小技が存在している。その名の通り高速で敵インクの中を進んでいけるというもので、それを最も得意とするブキが私の愛用するへなちょこラッパ「ボールドマーカー」なのである。

その他の単語もちょっと解説。
・オヒョウ=オヒョウ海運。ステージ名。
・ナイス=味方への掛け声。ここでは味方のとあるスペシャル(必殺技的なやつ)の発動を手助けするために連打している。すると、自分のスペシャルゲージがちょい貯まる。
・カスのやつ、ジェットマン=ブキ名。ジェットスイーパーカスタム。こんなあだ名は存在しない。
・パブロ=ブキ名。宿敵。
・ガエンくん=ブキ名。正式名称ガエンFF。
・金色のやつ=ブキ名。通称金モデラー。
・飛ぶ=スーパージャンプ。マップを開いて味方のところにひとっ飛び〜。沼ジャンに注意。潜伏してる味方には飛ばないであげてね。
・たまや、花火=花火弾みたいなん。この時、たまたまゲーム内でフェスが開催されており、謎の新アイテムが追加されていた。今でもよく分からん。

音楽的には、語りを組み込みたいというアイデアがまず出て、でも何を語る? つかゲームしたい(ゴミカス) そういえば長らくゲーム実況してないな。待てよ、ゲーム実況をぶち込むの新しくない? 知らんけど
という訳でこうなった。しかし、もう少し成長すればもっと上手に音源をリズムと同期させられるのでは、と考えている。
だけど、音MADっぽくなると少し理想から外れる。結局何をしたいのかと問われると、五里霧中だ。

No.4 Money and Manners
金銭とテーブルマナー、というフレーズがメロディと共に浮かんだことが始まり。当初は『HAND MADE EDEN』に収録する予定だったのだけど、テーマは決まっても歌詞が完成せず、一旦このアイデアから距離をとってみることにした。
最初の頃、母親から子供への歌だった。「お金があるとマナーも求められるんだよー」的な。そこからHMEのストーリーに組み込むために、「お金に余裕のある人は心にも余裕があるんだねー。俺には分かんねー」になり、最終的には「俺にはお金のある人の生活は合わないやー」となった。
今後この曲について話す機会もないだろうから、ここで簡単に解説する。

「僕」は暗い路地裏で煤とカビに埋もれて生きてきたようなひと。
「君」はとんでもねえ金持ち。なにかの理由で「僕」を拾ったか買ったかした。
「僕」は生まれて初めて袖を通した清潔な衣服、柔らかくて温かいベッド、食べきれないほどの豪勢な食卓に、ただただ狼狽え、惨めになるばかり。
「君」にはそれが理解できない。それを当然のものとして生きてきたから。
二人は対話をして、「君」は「僕」を愛していること、「僕」は「君」を尊敬していることを確認し合う。
やったね。ハッピーエンドだね。分かってると思うがどっちも男だ。それがいちばんやったぜ。いえーい。

影響を与えているのは「ろまん燈籠」のラプンツェル。長女のあたり。
是非読んでみてね。

No.5 EMERGENCY EDUCATION!−an Otaku's Game Time2
DISTRUSTと同時期に作り始めた古い曲。
計画書の段階では、小学生レベルのクイズとそれに悪戦苦闘する様子が入ることになっていた。
だけど、2つ前の曲をシリーズ化したいなと思い、ここで実行することにした。
Autopanで、端っこから鳴り始めた音がだんだん左へ移動して戻っていく、これはなかなかよく出来ていると思う。

No.6 Song that the darkest war when I was teenager
あゝ、黒春。
まだやるのかと思ったそこの君、安心したまえ、本当に本当にこれが最後、否、最期だ。
この曲は、がくぽ版原曲、Flower版①、Flower版②、JP版の4種類があります。しつこいやつだな、さっさと死ねよ。
リメイクすることによって成長具合を確認していたわけです許ちて。
少しずつ歌詞が違っていたり、引用してきていたり。
しかし、この曲の歌詞、なんだか単に作者の過去を並べているだけで、面白みがないなと気付いたので、もうこれが最期なわけです。
十八歳の自刃は成功したんだね。そこだけは史実と違う。

音色は「THE LAST JUDGMENT」に近いかな。bitcrusherをかけたオルガンに保持音とかオスティナートとか多分そんなんを兼任してもらいました。
もっとしっとりさせて、大作っぽくしようかとも考えたけど、キャッチコピー? の「地獄のような青春を駆け抜けて」を体現するなら、「なんかよく分からんうちに終わってたわ」と思わせる構成にしてみました。
どうだろうか。ティーンエイジャー。

No.7 Vossa Nova,Silver Goat
ボサノバのリズムパターンをお試しに使ってみた。
スケープゴート。荒野に置き去りにする側だった「シスター」が、今度は追放される側に堕ちたって、そんなストーリー。
このシスターの姉ちゃんは、またどこかで再登場するかもしれない。
その時は、おかえりと言ってやってくれ。

No.8 週末の計画
一番、プロレタリアらしい曲か。ベージュっぽい曲だ。
イージーリスニング的な雰囲気に仕上げた。どうかな、うまくやれてるか。
人間には寿命があるもので、だから一日一日大切にしましょうってのは一理も百理もある。しかしながら、(特に労働者階級)は週末のことばかり考えている。
「来る日々を望むのは、別れを望むこと」
ぶっちゃけかなり捻くれた考え方だと思うが、どうにも頭からこびりついて離れない。
週末の自分が本来の自分なら、ほとんど時間自分は道化なのだな、とかそんなことを考えていた。

No.9 DiverCity Lights 2024
去年作った曲のリメイク。音が進化したことと、「あなた」を「推し」のルビにしたこと以外、変わりはない。
旧版は、どうだっけ、ニコニコで聞けたかな。聞かなくていいけど。
この曲の歌詞部分に関しては、以前の雑記に書いていたのでそこから引用。

――特抜雑記vol.33 DiverSity Lights より引用
新曲『DiverStiy Lights』動画サイトにて公開しました
・活動を始めた頃から、いつかLGBTQをテーマに一曲つくろうと考えていて、それがようやくひとつの形になりました。
ポリコレ界隈や環境活動界隈がなんやかんやと汚染されつつあるので、今こそ「言わんにゃ同意も同義」ということで、ひとつ主張をしてみるかと思い至ったわけであります。

俺はアタシなので、風呂場の鏡は割ってやりたい衝動にかられる。

音は、どことなく近未来的な感じっすね。なんやかんやで、これが一番令和的な気がするよ。いやだね。

あとの2曲は、3と5のちょっとだけ音を変えたインスト版なので割愛。

以上、また何かあれば報告する。

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