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第五話 MDもNGもすべてFC

 メガドラもPCエンジンもネオジオも全てファミコン。

 という大胆不敵な認識の持ち主であったから。

「おかあしゃんからまつりしゃんに、ぷりぜんとがあるのです」

 と、妹のるるが小鼻をうごめかせ、合皮製の黒のリュックを背負った茶色のくまのぬいぐるみ型のリュックから。

「すーぱーのはみこんなのです」

 母親に持たされたと言うSFCのカセットを取り出した瞬間にもそれが。

「じゃじゃーん」

 自らの趣味嗜好に合うものであるか、過剰な期待は抱かなかった。

「じゃじゃーんはいいけど裏返しになっててタイトル分かんない」

 とは言え、いずれ四月から始まる他者との共同生活、不馴れなそれに備え、一人暮らしをしている叔母の下に押し掛け居候を始めた当初、娯楽用にゲームソフトの携行が許されたものの一本のみという条件付き、それが兵糧攻めのように効き時間を持て余していると言わざるを得ない現状でもあったから、新鮮な空気を取り込む機会が訪れるのならそれで胸を満たそうとするのも最早、条件反射。故に。

「じゃじゃーん」

「うわ、上海か」

 そのゲームタイトルを声に出した三塚松理(ミツヅカマツリ)の口調が。

「そうか上海かー」

 まるで大きく嘆息を吐いているようであったとて致し方のない事、誰も悪くはない単なる不運な行き違いに過ぎない。

「まぁないよりましか、これでもいいか」

「でもいいやってことばはないのよまつりしゃん」

「やった上海じゃん、ありがとう。母さんにもそう伝えといて最高の選択って」

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 僅か三か月の間に発表した二枚のミニアルバムでその名を知らしめた直後にフルアルバムの制作を開始、しかしその一年半後にようやく発売された作品は三曲入りのシングル、且つ、それが事実上の解散宣言、うしろから姦られ帯と名乗った三人組パンクバンドは以後ぷっつりと、表舞台から消えた。

 センズリを覚えた頃に出逢い、中卒で社会に出てからも心の支えとして自己を投影するように彼女たちの楽曲を聴き続けていた神代国見(カミシロクニミ)にとってはそのバンドでギターボーカルを務め作詞を担当していたトレイシー薔薇と、いやさ元トレイシー薔薇こと三塚千秋(チアキ)と、対面しているこの状況は、潜在的に持っている自らの理想像を客観視する行為に等しかった。

 ドーナツを出すファストフード店の二階、窓際に並んだスツールからは駅から伸びる片側三車線の道路が見える。

 自分と千秋との間に置かれた彼女のものであるトートバッグ、そこから買い物帰りを証す小道具であるかのように、緑の棒状がはみ出している。

「葱、ですね」

「葱だよ。知らないのか、納豆に」

「葱を刻むと、ま、美味いんだ」

 国見の返しに、我が意を得たとばかりに千秋が微笑む。扉が開いたものとして国見が切り込む。

「約束を守れなかった事に対する不甲斐なさ、後ろ暗さのようなものは感じてるんですか、或いは、ま、感じてたんですか」

「どうだったかな。引き算をしていったら言いたい事がなくなって、それで言い換えてみようとしたら今度は言いたい事と掛け離れていった。それでもやんなきゃってせっつかれて作ったものは酷い出来だった」

「だから辞めた。ならばラストシングルはせめてもの罪滅ぼしという、ま、訳ですか」

「バンドを始めた事もアルバムの完成を諦めた事も咎だと思ってないよ。あたし個人は面子や意地とかってものに殆ど関心がなかったからね」

「持て囃されてた時も変わらずですか」

「持て囃されてた」

「いろんな企画に、当初は呼ばれてたってどっかで読みましたよ。ま、それで調子に乗ったりもしたんじゃないかなって」

「確かに、武者修行なんて言ってどんな場所でも出掛けていったね。それで多種多様な客層を相手に演る事が出来て、それが楽しかった。でも演れば演るほど伝わらない、届かないって実感が膨らんでったの」

「きついすね」

「まぁでも、自分らは色物だって自覚してたからね」

 駅前でギターを爪弾いては投げ銭で糊口を凌ぐ、そんな暮らしをしていると捻じれた袖振り合いが生じる場合がある。今、国見の手元には一通の通帳があって、それはそうして出会った相手の一人から譲渡されたものだった。名義人はイシバジュゴ、残高は一家族が生活基盤を二度か三度か五度か六度、築ける程度。それをどのように使えば有効となるか、国見は決めあぐねていた。

「今は、ま、納豆に葱を刻む日々ですか」

「それもいいけど、じゃがいもと一緒にお味噌で炒めるとね、嵩のあるおかずが一品、簡単に出来るよ」

 バス停で元トレイシー薔薇を見送った後、勤めを終えた人たちの流れと逆に往き、ねぐらにしている公園に戻った。学校帰りらしく制服姿の加藤二子(カトウニコ)が、いつものベンチで待っていた。

「駅前で歌ってなかったから、今日はこっちかなって。正解だったね」

 尻ポケットに突っ込んでおいたら落とした時に気付かないかもしれない、胸ポケットの付いた上着を買える身分でもない。国見は黙って二子の隣に座り、仕舞う先がなく手に持ったままだった通帳に視線を縫い留めた。そういう時は二子も口を閉じ、静かに待った。

 やがて国見が、通帳で左の掌を叩いてぽんと音を立てた。

「知ってる、二子ちゃん」

 買い物帰りを証す小道具、或いはそれは。

「納豆に、ま、葱を刻むと美味いって話」

 地に足を着けた生活者を表す。

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第五話 MDもNGもすべてFC

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 しっかり者の方、斜に構えた方、可愛げがなく子供らしくない方。

 姉夫婦の双子の兄の方で目下の同居人、甥の松理に朝食を食べさせる為に必然的にまな板と包丁を使う、ならばついでにと、一ノ瀬綾子(イチノセアヤコ)は弁当を作るようになった。バイト先で自分が食べる用、なのでその中身は、卵焼きや炒め物などの簡単なおかずのみ。だけどそれでも。

「歓迎すべき変化だと思うのよ自分でも、それは」

 朝のルーチン、洗面台の前に並び歯磨きをしながらの会話中に、得意げな顔をしてそんな事を言っていた筈の綾子が、キッチンに弁当を置き忘れて出掛けてしまったらしい。以前は帰宅するまで何も食べないか、ホットスナックやナッツ類を購入していたと言っていた。詰まり然して問題は、ない。

 そうは思いながらも松理は、久し振りに外出着に着替え、扉を開けた途端の冷えた外気の戯れに嬉しそうに笑って応えつつ、忘れ物を持って部屋を出た。

 綾子が働いている様子を見てやろうだとか、恩を売ろうだとか困っているだろうとかそういう気持ちは一切ない、ただ単純に観たい映画、読みたい漫画、知りたい雑学聴きたい音楽並べたいパッケージ応援したい人物、やりたい事、なりたい自分、遊びたいゲームなどが不足を来した引き篭もり生活に限界を感じただけに過ぎない。

「面白くない訳じゃないけども上海も」

 目的は外出、忘れ物は口実。

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 最寄りの鉄道駅から無料シャトルバスで七分から十五分の幹線道路沿い。

「例えばお洒落だって同じ、男受け狙う場合となりたい自分を目指す場合みたいに目的が違えばやり方も変わんの」

 シネコンやフードコートと並んで同じ敷地内に建つコンビニエンスストア、その店外に置かれた筒形のスタンド灰皿。

「それをさ、一個しか必勝法がなくてその通りに遊ばなきゃいけないんだったらゲームなんてみんなで一緒に楽しむなんて無理でしょ」

 自身の休憩時間中、ココアシガレットを咥えた制服姿の綾子が今日は松理に対する愚痴を零している。

「株の便乗買いが勝利への近道とかさ、チャンスカードの内容と場所を覚えろとかさ、横からごちゃごちゃ言われても気持ちが萎えるだけだからね」

 聞き役は近所に住む未就学児、千葉今日太(チバキョウタ)、松理と同い年で唯一公認の一ノ瀬綾子親衛隊員。

「言ってもあたしも大人だから、まぁ合わせるところは合わせてあげてるけどね」

「おれののぞみはあやこねーさんがたのしくくらしていくことだから、たのしくないならたのしくなんなよ」

「一つも理屈が成立してない素敵な助言、さすが今日太だね」

「どういたしまして。おれんじしがれっともたべなよ」

 そこへ松理が到着する。

「珍しい、どういう風の吹き回し」

「弁当、忘れてったじゃん。別におれが食べちゃってもよかったんだけど気晴らしで。散歩のついでに」

「好い傾向、歓迎すべき変化じゃない」

「好いか悪いか決めんのはおれ自身。そんな事より自分の耄碌を心配した方がいいんじゃないの」

「こうやってあんたを外出させる為の老獪な手口ってとこね。大人の義務を果たしただけ、礼には及ばないわ」

「ところで弁当の中身はどんな感じ。やっぱ調理する事に並々ならぬ熱意があんだからピーマンの肉詰めとかピロシキくらいは余裕なの」

「効率に目を瞑って語られる根性論は能無しの言い訳の最たるもの、松理きゅんにはちょっと似合わないかな」

「だったら今日の弁当は最高に美味いぜ。おれをここに運んだシャトルバスがその分余計に燃やしたガソリン代が上乗せされてるから」

 始まってしまうと他者を蚊帳の外に置いてしまう言葉の応酬、綾子と松理のそれを、今日太はぽかんとした表情で眺めていた。

「まぁいいや、バスの時間もあるからおれもう帰るわ」

「あたしもそろそろ仕事に戻んないと」

 果たして。

「今日太も、帰るなら車に気を付けな」

 解散となった筈が、バス乗り場に向かう松理を今日太が追った。

「おまえあやこねーさんのなんなんだよ、しんえーたいのおれよりなれなれしくすんなよ」

 その言い分が余りに頓珍漢、松理はつい反射的に。

「え、なに」

 反応してしまい、そのままの流れで相手をする羽目に陥る。

「あやこねーさんにわるぐちみたいなこといったらあやこねーさんがおちこむことくらいわかんねーのかよ」

「別に本気でダメ出ししたり文句言った訳じゃないよ。綾子もそこは分かってるって」

「なによびすてしてんだよ、さんをつけろよでこすけやろう」

「これは言葉が通じない類いか、じゃおれの方から社会的対人間隔を取らせてもらうよ2メートル」

「すかしてんなよ、おれのいってることりかいできたのかよ」

「いやだからさ、憎まれ口って分かるかな。気心の知れた相手に対し友愛の情を込めて面罵する文化というかなんというか。クリント・イーストウッドの映画、観た事ない」

 一発ギャグに込めた面白さの解説を強いられる、お笑い芸人が地獄と表現する事態に際して抱く気持ちはこんなだろうかと、松理は天を仰ぐ。

 そうして。

 バス乗り場に到着した松理が列の最後尾に並ぶ。その背後から松理の右腕を今日太が掴む。一喝すると同時に左足を軸にして全身で振り向きながら今日太の手を振り払う、その際に、勢いの付いた右足で松理は前に並んでいた相手を蹴ってしまう。ちょうど連れと、整髪料を楽に万引き出来る店の情報交換をしていたような中学生男子、故意に危害を加えた訳ではないと弁明をしても聞く耳を持たなそうな。

 思わず舌打ちを漏らす松理、それを聞き逃さなかった中学生、事情を呑み込めていない今日太。

「お前いまうるせえっつったよな。それ俺らに言ったのか、あ」

 謝ろうとしない松理、連れの手前もあってか引っ込みのつかなくなったふうの中学生、おろおろし始める今日太。

「おいなんとかい」

 言い終わらぬ内に脱兎の勢いでその場を離脱する松理、虚を衝かれ動転気味の中学生、松理を追って駆け出す今日太。

「ついてきな、おれうらみちとかわかるから」

 いわゆる地の利を期待し、松理は今日太を頼る選択をする。

「待てこらぁ」

 と、しばらくは背後に貼り付いていた中学生の怒声も、破れたフェンスを潜り地下横断歩道を抜け貨物専用線の踏切を越えた頃にはもうすっかり、彼方に消え去っていた。

 ゴール地点とするにはちょうどいい存在感、その真下で息を整えながら見上げたとっくり型の給水塔が青空に映えていた。傍らには地に身を放り出している今日太の姿が在った。

「無事、巻いたみたいだな。助かったよ」

「おまえ、なまえは」

「三塚松理」

「おれはちばきょうた。きょうをふとくいきるっていみだぜ」

「なにその説得力抜群の由来」

 言わば協力プレイでステージボスを撃破したような状況、対して湧いた感謝の気持ちは素直に認められてもしかし、連帯感を覚えているような情態を松理は受け容れ難く思う。

「じゃあ今日太、ちょっと手をかざして直視しない程度に太陽を見てみ」

「え、なんで。すっげーまぶしいけど。てゆーかみてたらなんかあんの」

「いや、強い光見てたらここ数分間の記憶くらい飛ばないかな、とか」

「ふざけんな。これいじょーばかになったらしょーらいこまんだろ」

「平気だ、馬鹿は直んなくても屑にさえならなきゃ人は愛される」

「いみわかんねー。まつりのいうこといみわかんねー」

 油断をしたらにやけてしまう、自分に向けて松理は一つ、舌打ちを零した。

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 夕勤の高校生がバックヤードから出てきてレジに立つ。

「今日も抜群に綺麗っすね、綾子さん」

「じゃお金貢いで。一口千円、一万円毎に10秒間見詰めてあげる」

 流れ作業をこなすような気怠げな口調で綾子が応え、普段通りの挨拶を交わしたそのタイミングに、自動ドアの開閉を知らせるチャイムが鳴る。松理が、今日太を連れて入店したかと思うとペットボトルを二本、レジに置いた。

「え、おごってくれんの、おごってくれんの。すっげーかねもちじゃん」

「お前に借りなんか作ってたまるか馬鹿野郎」

 はしゃぐ今日太を手で払うような仕草で往なしつつ松理が、目を丸くしている綾子に対し機先を制する。

「今はなにも訊かないで。夜にでもちゃんと説明する経緯がところを」

 そうして。

 ちょうど水槽内の生態系を観察するみたいに綾子は。

 今日太が楽しそうに喋って、それを松理が遠くに思いを馳せるような佇まいで聞いてはたまに反応を返す、その内にブラウンのダウンコート姿の髪を束ねた女性、即ち今日太の母親が迎えにやって来て、場がお開きとなる。

 その一連の様子を店内から、愛でるように賀するように楽しそうに嬉しそうに、時ににやけてしまって慌てて口元を手で覆ったりなどしながら、眺めた。

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「そう言えばさっきの子、松理くんて言ったっけ」

「うん。あやこねーさんのなんかだって。かぞくじゃないけどなんかだって」

「親戚」

「うん、たぶん」

「こないだ、猫のたくさんいる公園で会った女の子、お兄ちゃんに会いに行くって言ってた子、そのお兄ちゃんの名前もなんかそんな感じじゃなかった」

「しらない、おぼえてない」

「くまのリュック背負ってた子よ」

「しらない、わかんない。えだいっぱいふりまわしたのはおぼえてる」

「まぁ、そんな偶然もそうそうないか」

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 夜勤のフリーターと台湾からの留学生がバックヤードから出てきてレジに立つ。入れ替わりで退勤、夕勤の高校生と一緒にタイムカードに打刻する。

「帰り一緒にマックとかどうすか」

「部屋でお腹空かせて待ってっからね、これが」

 じゃんけんのグーを作り親指を立てて見せながらそう答えた綾子、自転車の高校生を置き去りにしてスクーターを発進させる。

 そうして駅近くを走行中、前方の黄信号に応じ速度を落としながら交差点に差し掛かった際、向かいの公園内のちょっとした人だかりに気付く。道路脇にはパトカーの姿もあり、どうにも気になり、綾子は野次馬の列に加わった。

 右からボディソープの香り、見ると長髪で中性的な顔立ちの十代中頃の少年、その外面の好さそうな雰囲気に取り込まれるように綾子が何事かと彼に訊ねる。

「ホームレスが暴行されて殺されたらしいす。駅前で弾き語りとかやってた、俺も何度も見掛けてた人だからちょっと驚いてます」

「えんしょう、あたし帰るね」

 少年の奥から可愛らしい声がした。

 ボタニカル柄のロングスカートにクリアピンクの太セルボストン眼鏡、一見は地味目な格好ながら矢鱈滅鱈な色香を無造作に零しながら駅に向かって歩き去ったその女性は、少年と比べ確実に一回りは年上、そして少年と同じボディソープの香りがした。

「知り合いでしたか」

「え」

「殺された人と。面識あったのかなって。なんかショックが大きそうな顔してるから」

 心配そうに尋ねてくる少年が、急に自分よりも大人に感じられた。

「や、違くって。この辺もいつも通り過ぎるだけだからその人の事も知らないけど、自分の生活圏内でそんな事件が起こるんだなって」

「暴行した方も中学生ぐらいだって話です。ガキですから仲間の手前、やり過ぎちゃう事ってありますけどそのパターンですかね」

「嫌な話だね」

「嫌な話っすよ」

 疾うに松理は帰宅している筈、その確証を得たい気持ちが綾子に電話をかけさせる。

「はい三塚です」

「じゃなくって一ノ瀬ね」

「あ、間違えた。すまんすまん」

「あたし今から帰るけど、戸締りとかちゃんと見といて」

「あー、分かった」

「それからあんた、今日はもう出掛けないでよ」

「急になんだよ、そんな予定ないよ」

 果たして帰宅した綾子の、安堵する様子が普段と違って妙に大袈裟で。

「とりあえず落ち着け。そして靴を脱いでから部屋にあがれ」

 いたずらに松理を困惑させた。

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「でもほんと風景としてぐっとくる場所ばっかだった今日の逃走経路」

「そんなに言うんだったらじゃあ、今度ゆっくり散歩でもする」

 夜のルーチン、洗面台の前に並んでの歯磨きタイム。

「それなら双見(フタミ)も誘おうぜ。もの作りのヒントになるなにか、あると思うんだよね」

「無駄無駄無駄無駄、情味に耽るなんてそんな柄じゃないよあいつは。それより今日太に声掛けてみたら。なんか仲好くなれそうな雰囲気だったし」

「無理無理無理無理、絶対に嫌だね。最悪案内役で呼ぶにしてもおれは社会的対人間隔を取らせてもらう、奮発して8メートルくらい」

「あたしのお気に入りに酷い言い草ね。じゃあ今日太を呼んだら、双見にも日程を教えてもいいって条件でどう」

「でもいいやって言葉はないんだぜ、綾子」

「あら姉さんの教え、しっかり守ってるなんて好い傾向じゃない」

「好いか悪いか決めんのはおれだっつーの」

「客観性の獲得を拒否したら人間は成長しないし表現も進化しないよ」

「ぐうの音も出ない、ぐうの音も出なくてすっげえ悔しい」

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 後日、神代国見が殺害された事実は千秋を驚かせ、瀧八千代(タキヤチヨ)を絶句させた。

('20.5.4)

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