久しぶりの避暑地でひと休み
昨日、仕事が終わってから夕方、5歳の息子と二人で実家へ帰ってきた。
車で1時間とちょっと。
山の中である。
軽自動車の冷房をガンガンにして、音楽を流してもあまり聞こえないくらいうるさい。
それでも、後部座席のチャイルドシートの息子はごきげんで歌を歌っていた。
長い坂道をのぼったあたりから急に日陰になり、右も左も緑に囲まれる。
エアコンを2つ弱くした。
グネグネした道を運転している間に知らず知らず標高が高くなっていく。
実家に着いて、車から降りると何かの鳥の鳴き声が聞こえた。
裏山の方からだ。
小さい頃から眺めている山の栗の木は、同じ木とは思えないほど大きくなっている。
庭の木や草花も雑草と一緒にボウボウに成長していた。
家に上がって、仏壇にチーンした。
左の壁の上の方に父と祖父母、曾祖父母の写真がある。
髭もじゃの父が今日はふんわり笑っている。
無表情な日もある。
たぶん、自分の精神状態で見え方が変わっているのだ。
わたしが笑っているから父も笑い返しているのだろう。
そのあと、息子と同い年の甥っ子もきて一緒にお泊りした。
子どもたちはなかなか夜寝なかった。
そのせいか、朝は9時くらいまで寝ていた。
わたしは7時に起きて庭に出た。
涼しい。
自分の家じゃ涼しいなんて最近味わってない。
カーディガンを羽織った。
にぎやかすぎる息子たちが寝ている間の静かな時間。
水やりをしている母に、庭のあんなところに木があったか聞く。
名前を教えてくれたけど忘れた。
花の写真を撮って、今度はダイニングの窓から庭を眺める。
外にも花が咲いているのに、テーブルの上にも花が飾ってある。
ガラスの花瓶に朝日が差してきてだんだん明るくなる。
影がキラキラしている。
あったかいコーヒーを淹れてクリームパンをかじりながら、光の色が白く変わっていくのをずっと見ていた。
避暑地だね、と母に言うと、今日は久しぶりに涼しいのだと言っていた。
だとしても、自宅より涼しいと思う。
暑さに疲れていたな。
もう一泊して帰ろう。
おわり。
ボルシャック・日々木・ドラゴンさんのこちらの企画に参加します!