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cheemamericco
モノカキングダム、投票した記事紹介編
前回もモノカキングダム2024を終えての話を書いたんだけど、
今回も書く。
参加者が投票する2票。
わたしが選んだ2作品について。
アージ++arji さん『I.L.Y.』
声って振動でもある、という気づきがあった。
そして、変化を描いているところが好きだった。
同棲していた彼が出て行ってしまって、うつうつとしていた主人公が一歩を踏み出す、その瞬間。
気持ちの変化。
人が変わる瞬間って、魅力的だ。
前半、一緒に暮らしているといろいろあって彼に辛くあたってしまう主人公に、うんうん分かる、ダメだって思っててもそうなっちゃうよね~って共感。
後半、“I.L.Y.”の謎が解ける、振動を知る、言わなくちゃ!トントントンと動き出す。
そして結果は書かず、余韻を残す。
どうなったのかは分からない。
だけど、この子は大丈夫、前に進める、そう思える読後感。
いいねーーーっっ!ってなったのだった。
あと、全体的に音や声に関するいろんな表現が出てくるとこもすごかった。
まつぼっくりさん『母の最期の愛を、しかと受け止める』
この作品については、ほんとはわたしは何も言うべきじゃないと思う。
だけど、体が衝撃を受けている。
作品にハートを射抜かれたと言うなら、その矢が直径10センチぐらいあった。
お母さんの言葉、まつぼっくりさんの想い。
強い想い。
最初から最後まで感じる。
読んだ後にも。
涙がドバーッと出るのではない。
じわじわと、じわじわと出て止まらなくなる。
こんな風に書ける人を他に知らない。
すごかった。
誰よりすごかった。
一番、忘れられない声だった。
去年は、審査するときに悩みすぎてぐったりした。
結局は自分の基準で決めるしかないと思った。
そして、今年も悩んだ。
悩むけど、読むのは楽しい。
審査をするから、より正面から読める。
不思議な大会だ。
来年はどうなるんだろう。
なんかとんでもないことになりそう。
おわり。
良いお年を…!